抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/02/11 抗精神病薬のアドヒアランスは統合失調症の治療成績向上に寄与するが、アドヒアランス行動に最も影響している要因についてのコンセンサスはない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのKyra-Verena Sendt氏らは、その要因を特定すべくシステマティックレビューを行った。対象論文の選定は方法論的に難しく、多くの研究が小規模であり、アドヒアランス率も大きく異なっていたが、いくつかの要因について知見が得られた。著者らは、「この分野の研究では横断的デザインが広く用いられているが、臨床的に意義のある枠組みを提示するためには自然主義的で長期にわたる大規模な前向き研究を優先的に行うべきである」とまとめている。Psychiatry Research誌2015年1月号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症スペクトラム障害の薬物療法に対するアドヒアランスに関与する要因を特定する目的でアドヒアランス、抗精神病薬、統合失調症に関する論文を検索し、方法論的に厳密な研究を適格とした。計13件(6,235例)の観察研究データがレビューに組み込まれた。 主な結果は以下のとおり。 ・報告されたアドヒアランス率は、47.2~95%と大きく異なっていた。 ・薬物療法に積極的に取り組む姿勢および病識が、より良好なアドヒアランスと一貫して関連する唯一の要因であった。 ・社会人口統計学的特性、症状の重症度、副作用とアドヒアランスとの関連については、矛盾した結果が得られた。 ・個別の治療関係、若年者における社会的支援は、良好なアドヒアランスと関連していた。 ・抗精神病薬の種類や剤形、神経認知機能はアドヒアランスに影響しないことが示唆された。 関連医療ニュース 調査:統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況 持効性注射剤のメリットは?アドヒアランスだけではなかった アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Sendt KV, et al. Psychiatry Res. 2015; 225: 14-30. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)