日本語でわかる最新の海外医学論文|page:919

小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用

 急性頭部外傷を受けた外傷後てんかんリスクを有する小児へのレベチラセタムについて、安全性および良好な忍容性が確認されたことが、米国・国立小児医療センターのPhillip L. Pearl氏らによる第2相試験の結果、報告された。外傷後てんかんは、重症頭部外傷(TBI)を受けた小児において最大20%で発現することが報告されているという。Epilepsia誌2013年7月22日号の掲載報告。

足白癬患者の靴下、洗濯水は何℃が望ましいか

 真菌が付着した靴下を洗浄する場合、低温での洗濯では真菌病原体が十分に死滅しないため、高温で洗濯することが望ましいことが、イスラエル・テルアビブ大学のBoaz Amichai氏らによって報告された。 真菌が付着した衣類からは再感染の可能性があるが、これまで十分に検証されていなかった。 The International Society of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日掲載報告。

末梢動脈疾患、21世紀の世界的な重要課題に/Lancet

 末梢動脈疾患(PAD)の世界的な有病率は21世紀初頭の10年ほどで20%以上増加し、2010年の患者数は2億人以上に及ぶことが、英国・エジンバラ大学のF Gerald R Fowkes氏らの調査で示された。喫煙が最大のリスク因子であることもわかった。世界的な人口の高齢化や、低~中所得国における慢性疾患のリスク因子の広がりにより、今後10年間で非伝染性疾患の疾病負担の急激な上昇が予測されている。なかでも下肢のPADは、アテローム性動脈硬化症に起因する心血管疾患として、冠動脈疾患、脳卒中に次いで3番目に多く、その世界的な罹患状況の把握が急がれていた。Lancet誌オンライン版2013年8月1日号掲載の報告。

てんかん患者の若年性死亡リスクは11倍/Lancet

 てんかん患者の若年性死亡リスクは、そうでない人に比べ、11倍超に増大することが明らかになった。外因性の死亡は15.8%で、そのうち75.2%において、うつ病など精神疾患の共存症が認められた。英国・オックスフォード大学ウォーンフォード病院のSeena Fazel氏らが、約7万人のてんかん患者について調べた検討で明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年7月19日号で発表した。

これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる

 米国・カリフォルニア大学のMichael S. Rafii氏は、アルツハイマー病(AD)治療のアップデートを目的に文献レビューを行った。その結果、米国食品医薬品局(FDA)によるAD治療の新薬承認は2003年のNMDA受容体拮抗薬以降は行われておらず、近年の疾患修飾を狙った開発薬はいずれも有効性を示すことができなかったこと、その失敗を踏まえて現在はAD発症メカニズムに着目した新薬開発が積極的に進められていることを報告した。Reviews on Recent Clinical Trials誌オンライン版2013年7月17日号の掲載報告。

線維筋痛症は治療継続が難しい

 線維筋痛症は、原因不明の慢性疼痛疾患で決定的治療法はなく、症状軽減にしばしば抗うつ薬や抗てんかん薬が用いられている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSeoyoung C. Kim氏らのコホート研究において、線維筋痛症で一般的な薬剤により治療を開始した患者は、いずれの場合も治療薬の増量はほとんどなされておらず、しかも治療期間が短期間にとどまっていたことを明らかにした。Arthritis Care & Research誌オンライン版2013年7月16日の掲載報告。

コーヒー摂取との関連「認めず」―4大上部消化管疾患

 コーヒー摂取と4大上部消化管疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症)との間に有意な関連は認められないことが、亀田メディカルセンター幕張 消化器内科の島本 武嗣氏らによる横断的研究で明らかになった。PLoS One誌オンライン版2013年6月12日号の報告。

情報提供でプライマリでの抗菌薬使用が3割低下/BMJ

 急性呼吸器感染症への抗菌薬処方について、特別に訓練を受けた一般開業医が訓練を受けていない一般開業医に対して情報提供をすることで、同割合がおよそ3割低下した。抗菌薬を処方した場合でも、より狭域な抗菌薬であるペニシリンV投与の割合が増加した。ノルウェー・オスロ大学のSvein Gjelstad氏らが、400人弱の一般開業医を対象に行った無作為化試験の結果で、現状では急性呼吸器感染症に対し、過度な抗菌薬処方が広く行われているという。BMJ誌オンライン版2013年7月26日号掲載の報告より。

血小板反応性とステント血栓症発生との関連が明確に/Lancet

 米国・コロンビア大学医療センターのGregg W Stone氏らは、冠動脈への薬剤溶出性ステント留置が成功した患者への、アスピリンとクロピドグレル(商品名:プラビックス)併用療法時の血小板反応性と臨床転帰との関連について調べた。その結果、アスピリン、クロピドグレルそれぞれの高い血小板反応性とステント血栓症などの発生との違いについて明らかにした。ステント血栓症の発生は心筋梗塞や死亡の高率な発生と関係しているが、植え込み後の血小板反応性とステント血栓症や大出血、その他の重大事象との関連については明確にはされていなかった。今回の結果を受けて著者は、「より高い抗血小板のベネフィットが得られるよう、安全な薬剤あるいは強力な薬剤使用のテーラーメイド戦略を開発しなければならない」と提言している。Lancet誌オンライン版2013年7月26日号掲載の報告より。

大気汚染を無視できない 生活習慣病としての急性心不全(コメンテーター:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(122)より-

 1900年初頭、英国でコレラが発生したとき、その対策を立てる中で疫学が生まれた。これにより公衆衛生学が進歩し、下水道の完備などによって感染症は、先進国では克服された。その後、大気汚染による喘息の発生も公害対策により減少した。下水道の完備や環境対策によって、汚染による疾患は減少したように思われていた。

維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

 統合失調症の薬物治療ではドパミンD2受容体を65~80%占有することで、錐体外路症状や認知機能障害のリスクを最小限にし、治療効果を最適化できると考えられている。この受容体占有率を保つことが維持期治療でも必要かどうかは不明である。慶應義塾大学の森口 翔氏らは、維持期におけるD2受容体占有をCATIE試験のフェーズ1のデータより再評価した。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年 7月29日号の報告。

欧州では小児アトピーに免疫抑制薬を処方

 難治性小児アトピー性皮膚炎の処方薬について、欧州8ヵ国で行われたインターネットサーベイの結果、全身性の免疫抑制薬が幅広く多岐にわたって用いられていることが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' NHS Foundation TrustのL.E. Proudfoot氏ら、ヨーロッパ皮膚疾患疫学ネットワーク(EDEN)のヨーロッパ重症小児アトピー性皮膚炎治療タスクフォース(ヨーロッパTREAT)が報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月16日号の掲載報告。

高齢者の障害リスク、不健康な生活習慣により増大/BMJ

 不健康な生活習慣は身体障害リスクを増大し、そのリスクは不健康な生活習慣の数が多いほど上昇することが、フランス・INSERMのFanny Artaud氏らによる同国高齢者を対象としたコホート研究データからの解析の結果、明らかになった。これまで、不健康な生活習慣およびその数が慢性疾患や突然死などのリスクを高めることは示されていたが、障害との関連について調べた研究はほとんどなかった。BMJ誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告より。

腎結石の女性、CHDリスクが増大/JAMA

 腎結石を有する女性は冠動脈心疾患(CHD)のリスクが有意に増大しているが、男性にはこのような関連は認めないとの研究結果が、JAMA誌2013年7月24日号に掲載された。これまでの検討では、腎結石の既往歴とCHDリスクの上昇との関連について一貫性のある結果は得られていないという。今回、イタリア・Columbus-Gemelli病院(ローマ市)のPietro Manuel Ferraro氏らは、米国の医療従事者を対象とした3つの大規模な前向きコホート試験のデータを解析した。

認知症患者の約2割にせん妄が発現

 神戸大学大学院医学研究科精神医学分野の長谷川典子氏らは、外来の認知症患者におけるせん妄の発現状況について検討した。その結果、認知症患者の約2割にせん妄が認められ、その発現は認知症のタイプにより異なること、またCVD併発例で多くみられることを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2013年7月22日号の掲載報告。

椎間板性腰痛、パルス高周波療法は有効

 椎間板に起因する疼痛は腰痛の重大な原因であるが、近年開発された治療法として、椎間板に高周波電流を適用するパルス高周波療法(PRF)がある。滋賀医科大学医学部附属病院ペインクリニック科の福井 聖氏らは、慢性椎間板性腰痛患者を対象に前向き研究を行い、椎間板内PRFは疼痛緩和および障害軽減に有効であることを示した。

糖尿病患者の血圧を下げるのは緑茶orハイビスカスティー?

 1日3杯、ハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、血圧高めの2型糖尿病患者に好影響を与えるかもしれない。  2型糖尿病患者における軽度高血圧症にハイビスカスティーと緑茶が及ぼす影響を比較した試験の結果から、4週間、毎日3杯のハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、どちらも収縮期および拡張期血圧の低下につながることが明らかになった。本研究は、イラン・Shahid Sadoughi 医科大学のHassan Mozaffari-Khosravi氏らによる検討で、Journal of Dietary Supplements誌2013年6月10日号に掲載された。

加水分解小麦含有石鹸による運動誘発アナフィラキシーの臨床経過

 近年、加水分解物小麦含有石鹸の使用により接触感作された、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA:wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis)が相次いで報告され、社会問題となっている。WDEIAは小麦含有食品を摂取しただけでは症状を呈さないが、小麦含有食品摂取と運動負荷が重なることで発症する即時型の食物アレルギーである。