職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/06/16 職場におけるジョブコントロールとソーシャルサポートが、うつ病、燃え尽き症候群、不眠症に相乗効果をもたらすことが、旭川医科大学の西條 泰明氏らによる調査研究の結果、明らかにされた。またその効果は、仕事の要求度による層別化後、男女間で差があることも明らかになった。この結果を踏まえて著者は、「仕事の要求度およびコントロールだけでなく、仕事のコントロールとソーシャルサポートの相乗効果も考慮することが、仕事のストレスを評価するためには必要である」とまとめている。International Archives of Occupational and Environmental Health誌オンライン版2014年5月23日号の掲載報告。 調査は、旭川市の地方公務員2,121人を対象に行われた。職業性ストレス簡易調査票(Brief Job Stress Questionnaire)を用いて、仕事の要求度、ジョブコントロール、ソーシャルサポートについて評価した。また、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いてうつ病を、マスラック・バーンアウト尺度(MBI-GS)で燃え尽き症候群を、アテネ不眠尺度(AIS)を用いて不眠症に関する評価を行った。考えられる交絡因子で補正したロジスティック回帰分析にて、うつ病、燃え尽き症候群、不眠症に関するオッズ比を求め、職場でのジョブコントロールとソーシャルサポートの相乗効果指数を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・相乗効果指数は、うつ病については男性2.08(80%信頼区間[CI]:1.01~4.27)、女性1.98(同:0.67~5.89)、燃え尽き症候群についてはそれぞれ1.79(同:1.28~2.51)、2.62(同:1.07~6.40)、不眠症は1.92(同:1.22~3.02)、2.77(同:0.43~18.01)であった。 ・仕事の要求度が高い男性は、要求度が低い男性と比べて、うつ病、燃え尽き症候群に関してジョブコントロールとソーシャルサポートの相乗的相互効果が高かった。 ・一方、女性は、仕事の要求度が低い場合に、要求度が高い女性と比べて、燃え尽き症候群、不眠症に関してジョブコントロールとソーシャルサポートの相乗効果が高かった。 関連医療ニュース 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学 仕事と家庭の両立への悩み、女性ではうつ病リスク 厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Saijo Y, et al. Int Arch Occup Environ Health. 2014 May 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 非輸血依存性サラセミア、mitapivatは新たな経口治療薬として有望/Lancet(2025/07/17) 脳卒中後の慢性期失語症、C7神経切離術+集中的言語療法が言語機能改善/BMJ(2025/07/17) 新型コロナでがん患者の自宅看取りが増加/がん研究センター(2025/07/17) ペムブロリズマブがHER2陽性切除不能胃がん1次治療に承認、14年ぶりのパラダイムシフト(2025/07/17) GLP-1受容体作動薬、高齢者はBMI低下の一方でサルコペニア加速(2025/07/17) 砂糖/人工甘味料入りドリンクはアルツハイマー病リスクを高める可能性あり(2025/07/17) 自己免疫疾患は気分障害リスクを高める(2025/07/17) 2型糖尿病のHbA1cコントロールにピアサポートアプリが有効か(2025/07/17) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)