無作為化試験の患者データを基にしたメタ解析:DES vs BMS

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/10

 



現在のプールされた患者レベルのメタ解析の結果、プライマリPCIを受けたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、シロリムスやパクリタキセルの薬剤溶出ステント(DES)が、ベアメタルステント(BMS)に比較し、長期間におけるターゲット部位の血行再建を減少させたが、逆に、遅発性再梗塞およびステント血栓症はDES群において増加したと報告された。

これは、イタリアの De Lucaらの報告によるもので、STEMIに対して実施されたDESの無作為化試験の全てが対象とされ、合計6,298人であった。内訳は、DES群が3,980人(63.2%)、BMS群が2,318人(36.8%)であり、DESの99%にシロリムスまたはパクリタキセルの溶出ステントが使用されている。

主な結果は以下のとおり。

・平均フォロー日数は1201(±440)日であった。
・標的部位の血行再建率は、DES群で12.7%、BMS群で20.1%(ハザード比:0.57[95%CI:0.50-0.66], P<0.001)とDES群で有意な減少を認めた。
・DES群とBMS群で、累積死亡率、再梗塞、ステント血栓症の発症率には差が認められなかった。
・遅発性の再梗塞およびステント血栓症はDES群において増加した。