未成年2型糖尿病患者の最適な治療は?(4月29日掲載NEJMオンライン速報版より)

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/01

 

メトホルミン単独療法で血糖コントロールが不十分な10-17歳の2型糖尿病患者に対する次の治療選択肢として、チアゾリジン薬の追加併用療法が、メトホルミン単独療法を継続するより有意に血糖を管理できることが、無作為化比較試験The Treatment Options for Type 2 Diabetes in Adolescents and Youth (TODAY) 試験の結果より明らかになった。この結果は4月29日、NEJM誌オンライン速報版に発表された。

メトホルミン単独療法でHbA1c≧8%の未成年2型糖尿病患者を無作為化割り付け


研究グループは、1日2回のメトホルミン(1,000mg/日)投与においても、HbA1c値が8%未満にコントロールできなかった10-17歳の2型糖尿病患者699例を、
 1) メトホルミン単独療法群
 2) メトホルミン+チアゾリジン薬(ロシグリタゾン)併用療法群
 3) メトホルミン+減量を重要視した生活習慣改善強化群
の3群に無作為に割り付けし、主要評価項目を「血糖コントロールの喪失」とし、各治療法を比較検証した。「血糖コントロールの喪失」は、6ヵ月にわたるHbA1c値8%以上の持続またはインスリン治療の必要な持続的な代謝不全と定義された。

主な結果は下記のとおり。
 1. 平均追跡期間は3.86年
 2. 「血糖コントロールの喪失」と判定された症例は319例(45.6%)
   1) メトホルミン単独療法群:51.7% (232例中120例)
   2) チアゾリジン薬併用療法群:38.6% (233例中90例)
   3) 生活習慣改善強化群:46.6% (234例中109例)
 3. チアゾリジン薬併用療法群は、メトホルミン単独療法群に比べ、
   有意に血糖コントロール喪失が少なかった(P = 0.006)。
 4. 生活習慣改善強化群は、メトホルミン単独療法群、
   チアゾリジン薬併用療法群のいずれの治療法とも有意な差がなかった。
 5. チアゾリジン薬併用療法は、非ヒスパニック系黒人で効果が弱く、
   少女で効果が強かった。

原著論文はこちら

Goldfine AB.N Engl J Med. 2012 April 29. [Epub ahead of print]