【British Journal of Dermatologyより】成人のアトピー性皮膚炎と肥満に関連性はあるのか?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/09

 



幼少期における肥満は、アトピー性皮膚炎(AD)のリスクや重症度と関連があるとの報告があるが、成人期の場合も同様のことがいえそうだ。筆頭著者であるSilverberg氏は「体重の減少が成人のADの予防または症状の軽減につながるか否かについては、今後さらなる検討が必要である」と結んでいる。

1994年1月から2003年12月に米国において実施された、2,090名を対象としたケースコントロール試験によると、成人における肥満はADの増加と関連性があり(補正オッズ比1.43、p=0.01)、非アトピー性の皮膚炎とは関連性がなかった(補正オッズ比0.59、p=0.32)。

その他の結果は以下の通りである。
 
・肥満はアトピー型喘息の増加とも関連性がある(補正オッズ比1.98、p<0.0001)。
 一方で、非アトピー型喘息とは関連性がない(p=0.20)。
・肥満はアトピー性、非アトピー性にかかわらず鼻炎とは関連性がない(それぞれp=0.08、0.31)。
・アトピー性、非アトピー性にかかわらず食物アレルギーとも関連性はみられない(それぞれp=0.67、0.35)。
・過敏症(atopy)とも関連性はない(p=0.40)。
・肥満とADの関連性は、以下の場合でも有意であった。
 -喘息、鼻炎、食物アレルギーの既往歴で補正をかけた場合(補正オッズ比1.40、p=0.02)
 -ADのみ罹患した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.96、p=0.04)
 -ADと喘息、鼻炎、およびまたは食物アレルギーを合併した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.40、p=0.03)
 
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(ケアネット 藤井 美佳)