内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:70

高齢者への抗菌薬投与の有害性と安全性、3~7日vs.8~14日

 地域在住の66歳以上の高齢者において、アモキシシリン、セファレキシン、シプロフロキサシンの投与期間が長期(8〜14日)となった場合、短期(3〜7日)の場合と比較して、副作用やClostridioides difficile感染症(CDI)などの有害性アウトカム発現に差は認められなかった。カナダ・トロント大学のBradley J Langford氏らは、10万例以上の高齢患者を対象としたコホート研究の結果を、Clinical Infectious Diseases誌2025年4月号で報告した。

降圧薬の心血管リスク低減効果、朝服用vs.就寝前服用/JAMA

降 圧薬の就寝前服用は安全であるが、朝の服用と比較して心血管リスクを有意に低減しなかったことが、カナダ・University of AlbertaのScott R. Garrison氏らが、プライマリケアの外来成人高血圧症患者を対象として実施した無作為化試験で示された。降圧薬を朝ではなく就寝前に服用することが心血管リスクを低減させるかどうかについては、先行研究の大規模臨床試験における知見が一致しておらず不明のままである。また、降圧薬の就寝前服用については、緑内障による視力低下やその他の低血圧症/虚血性の副作用を引き起こす可能性が懸念されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「降圧薬の服用時間は、降圧治療のリスクやベネフィットに影響を与えない。むしろ患者の希望に即して決めるべきである」とまとめている。

マラソン大会中の心肺停止:米国の大規模データ収集から見えてくる「備え」の在り方(解説:香坂俊氏)

米国のRACER 2研究が2025年3月のJAMA誌オンライン版に報告された(※RACER 1研究は2012年にNEJM誌に掲載)。この研究では、2010~23年の間に米国で公認されたフルマラソンとハーフマラソン443大会(完走者約2,930万人)の記録を全米陸上競技連盟(USATF)の協力の下で収集し、走行中の心肺停止事故の発生率とその原因を調査した。前回のRACER 1は、研究者がRunning USAというNPOが収集している情報を基に新聞記事などをさかのぼり情報を収集したが、今回は陸上競技連盟の協力を得られたことで、より網羅的かつ詳細なデータ収集が可能になったものと考えられる。

サイアザイドに重大な副作用追加、ループ利尿薬は見送り/厚労省

 2025年5月20日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、該当医薬品の副作用の項などに追記がなされる。  現在、海外では、サイアザイド系利尿薬(サイアザイド類似利尿薬含む)およびアセタゾラミドを含む利尿薬について、急性近視、閉塞隅角緑内障および脈絡膜滲出に関するリスク評価または措置が行われている。

COVID-19は糖尿病患者の院内死亡率を高める

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は高齢者や基礎疾患のある人で重症化しやすいことが知られているが、今回、治療中の糖尿病がCOVID-19による院内死亡率や人工呼吸器使用、血液透析といった腎代替療法の重大なリスク因子である、とする研究結果が報告された。研究は東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科の諏訪内浩紹氏、鈴木亮氏らによるもので、詳細は「PLOS One」に3月19日掲載された。  COVID-19は多臓器障害を伴い、重症化した場合は、急性呼吸窮迫症候群、急性腎障害、その他の臓器不全を引き起こすことが多い。日本ではCOVID-19による死亡率は比較的低いが、糖尿病患者の場合では死亡リスクの上昇が報告されている。一方で、糖尿病患者におけるCOVID-19の治療と転帰を検討する包括的な研究は依然として限られている。そのような背景から、著者らはCOVID-19が糖尿病患者に及ぼす影響を評価するために、多施設の後ろ向きコホート研究を実施した。本研究では、院内死亡率、人工呼吸器の使用、ICUへの入院、血液透析(HD)、持続的血液濾過透析(CHDF)、医療リソースの利用状況に関する影響が検討された。

バロキサビル単回投与による家庭内インフルエンザ伝播予防効果(解説:寺田教彦氏)

ウイルス性上気道炎に対する抗ウイルス薬の伝播抑制効果は従来注目されてきたが、臨床研究においてその有効性を明確に示すことは困難であった。そうした中、2025年にNew England Journal of Medicine誌に掲載された本研究は、メーカーからの後援を受けた研究ではあるものの、インフルエンザ発症者に対して発症後48時間以内にバロキサビルを単回投与することで、家庭内でのウイルス伝播が有意に抑制されることを示した。バロキサビルは日本で開発された新規抗インフルエンザ薬であり、以下のような特徴を有する。

希少疾病の診断ラグへの提言を入れた希少疾病白書を刊行/アレクシオン

 アレクシオンファーマは、希少疾患領域での貢献を目指すため、ヘルスエクイティ(医療の公平性)の実現に向けて大きな課題となっている診断の遅れ(診断ラグ)の分析、およびその解決策を提示した『希少疾患白書「診断ラグ」の実態と解消に向けての提言~最新テクノロジーと社会の力で実現するヘルスエクイティ~』を刊行した。  希少疾患患者は、確定診断されるまで長い時間がかかることが多く、その影響は患者本人だけでなく、医療システム全体にも及んでいる。この実情を踏まえ、診断ラグが希少疾患患者の医療の公平性の実現における大きな障壁であると問題提起し、わが国における希少疾患患者を取り巻く現状と課題を整理する。

アルツハイマー病のアジテーション、日本におけるブレクスピプラゾールの長期安全性

 アジア人アルツハイマー病患者におけるアジテーション(攻撃的行動および発言、非攻撃的行動の亢進、焦燥を伴う言動等)の治療に対するブレクスピプラゾールの長期安全性および有効性は、明らかとなっていない。香川大学の中村 祐氏らは、第II/III相試験において10週間の二重盲検投与期間を完了した日本人患者におけるブレクスピプラゾール1mg/日または2mg/日を14週間投与した場合の安全性および有効性を評価した。Journal of Alzheimer's Disease Reports誌2025年4月16日号の報告。  本試験は、多施設共同第III相オープンラベル試験である。元試験において、プラセボまたはブレクスピプラゾール1mg/日または2mg/日の10週間投与を完了した患者を、本延長試験に組み入れた。主要エンドポイントは、有害事象の発現頻度とした。

乳製品摂取と慢性肝疾患・肝がんリスクが関連

 乳製品摂取量と慢性肝疾患死亡率および肝がん発症率との関連性を評価した結果、高脂肪乳製品摂取は慢性肝疾患死亡リスクを高める一方で低脂肪乳製品摂取はリスクを下げ、乳製品全体・高脂肪乳製品・牛乳は肝がんリスクを高めることを、米国・ハーバード大学のXing Liu氏らが明らかにした。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2025年4月28日号掲載の報告。  本研究は、1995~96年の米国国立衛生研究所-AARP 食事・健康研究の参加者を対象とした前向きコホート研究。がんの既往歴のある参加者や過剰なカロリー摂取歴のある参加者は除外された。乳製品の摂取量や摂取頻度などは、検証済みの食品摂取頻度質問票を用いて聴取した。Cox比例ハザードモデルを用いて関連を検討した。

若年層での脳梗塞、意外な疾患がリスクに?

 片頭痛、静脈血栓、腎臓病や肝臓病、がんなどは、一般に脳梗塞リスクを高めるとは考えられていない。しかし、一般的な心臓の構造的異常を有する50歳未満の人においては、このような因子が脳梗塞リスクを2倍以上に高める可能性のあることが、新たな研究で明らかにされた。ヘルシンキ大学病院(フィンランド)脳卒中ユニットの責任者であるJukka Putaala氏らによるこの研究の詳細は、「Stroke」に4月17日掲載された。  Putaala氏は、「われわれは、これまで脳梗塞のリスク因子と見なされていなかった因子(以下、非伝統的リスク因子)、特に片頭痛がもたらす影響に驚かされた。片頭痛は、若年成人の脳卒中発症の主なリスク因子の1つであると思われる」と米国心臓協会(AHA)のニュースリリースの中で述べている。