フルーツジュースの適度な摂取が糖尿病リスクを減らす/東京科学大

提供元:ケアネット

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公開日:2025/09/12

 

 フルーツジュースは、2型糖尿病とどのように関連するのであろうか。このテーマについて、東京科学大学大学院医歯学総合研究科の河原 智樹氏らの研究グループは、国内13の大学や病院が参加する大規模調査「J-MICC研究」に登録された1万3,769人分のデータを用い、フルーツジュースを飲む頻度と2型糖尿病との関連を調査した。その結果、遺伝的リスクが高い人ほど、適度にフルーツジュースを飲むことで糖尿病にかかりにくくなるという結果が判明した。この研究結果は、British Journal of Nutrition誌オンライン版2025年7月10日号に掲載された。


フルーツジュースが糖尿病の予防になる可能性

 研究グループは、2型糖尿病の多遺伝子リスクスコア(PRS)に基づいて、フルーツジュースと2型糖尿病の関連性について、異なる遺伝的リスクを有する群において、フルーツジュースが2型糖尿病のリスクに異なる影響を与えるかどうかを検討した。日本人1万3,769人を対象とした横断研究である日本多施設共同コホート研究(J-MICC)のデータを使用した。

 主な曝露因子はフルーツジュースの摂取頻度で「飲まない/1日1杯未満または1日1杯以上」と分類した。2型糖尿病のPRSとして、東アジアの集団を用いて開発されたPGS002379を選択した。主要なアウトカムは、参加者が報告した医師の診断に基づく2型糖尿病とした。

 主な結果は以下のとおり。

・2型糖尿病のPRSが高い群では、フルーツジュースの摂取と2型糖尿病の間に有意な逆相関が認められた(1日1杯未満でオッズ比[OR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.65~0.93、1日1杯超でOR:0.54、95%CI:0.30~0.96)。
・しかし、この関連はPRSが低い群では認められなかった。
・フルーツジュースの摂取は、とくに遺伝的に2型糖尿病の高いリスク群で、2型糖尿病と逆相関していた。

(ケアネット 稲川 進)