サイト内検索|page:9

検索結果 合計:463件 表示位置:161 - 180

163.

日本のウイルス肝炎診療に残された課題~今、全ての臨床医に求められること~

COVID-19の話題で持ち切りの昨今だが、その裏で静かに流行し続けている感染症がある。ウイルス肝炎だ。特に問題になるのは慢性化しやすいB型およびC型肝炎で、世界では3億人以上がB型、C型肝炎ウイルスに感染し、年間約140万人が死亡している。世界保健機関(WHO)は7月28日を「世界肝炎デー」と定め、ウイルス肝炎の撲滅を目的とした啓発活動を実施している。検査方法や治療薬が確立する中、ウイルス肝炎診療に残された課題は何か?今、臨床医に求められることは何か?日本肝臓学会理事長の竹原徹郎氏に聞いた。自覚症状に乏しく、潜在患者が多数―日本の肝がんおよびウイルス肝炎の発生状況を教えてください。日本では、年間約26,000人程度が肝がんで死亡しているという統計があります。その大半はウイルス肝炎によるもので、B型肝炎は約15%、C型肝炎は約50%を占めています。B型およびC型肝炎ウイルスに感染して慢性肝炎を発症しても、自覚症状はほとんど現れません。気付かぬうちに病状が進行し、肝がん発症に至るわけです。日本においてB型、C型肝炎ウイルスの感染に気付かずに生活している患者さんは数十万人程度存在すると考えられています。こうした患者さんを検査で拾い上げ、適切な医療に結び付けることが、肝がんから患者さんを救うことにつながります。検査後の受診・受療のステップに課題―臨床では、どのような場面で肝炎ウイルス検査が実施されるのでしょうか。臨床で肝炎ウイルス検査が実施される場面は様々ですが、(1)肝障害の原因を特定するために行う検査、(2)健康診断で行う検査、(3)手術時の感染予防のために行う術前検査などが挙げられます。(1)はそもそも肝障害の原因を特定するために行われているので問題ないのですが、(2)では、検査で異常が指摘されても放置される場合がありますし、(3)では、陽性が判明してもその後の医療に適切に活用されないことがあり、課題となっています。その要因は様々ですが、例えば他疾患の治療が優先され、検査結果が陽性であることが二の次になるケースや、長く診療している患者さんでは、変にその結果を伝えて不安にさせなくても良いのではないか、とされるケースもあるでしょう。また患者さんの中には、検査結果を見ない、結果が陽性であっても気にしない、陽性であることが気になっていても精密検査の受診を躊躇する、といった方も多いです。そのため医療者側にどのような事情があっても、陽性が判明した場合はその結果を患者さんに伝え、精密検査の受診を促すことが大事です。非専門の先生で、ご自身では精密検査の実施が難しいと思われる場合は、ぜひ近隣の肝臓専門医に紹介してください。そのうえで、最終的に治療が必要かどうかまで結論付け、治療が必要な場合には専門医のもとでの受療を促すことが重要です。目覚ましい進歩を遂げる抗ウイルス治療―ウイルス肝炎の治療はどのように変化していますか。近年、ウイルス肝炎の治療は劇的に変化しています。特にC型肝炎治療の進歩は目覚ましいものがあります。従来のC型肝炎治療はインターフェロン注射によるものが中心で、インターフェロン・リバビリン併用でウイルスを排除できる患者さんの割合は50%程度でした1)。また、インフルエンザ様症状やその他の副作用が多くの患者さんで出現し、治療対象の患者さんも限られていました1),2)。しかしここ数年、経口薬である直接作用型抗ウイルス剤(DAA)が複数登場し、その様相は変化しています。まず治療奏効率は格段に向上し、ほとんどの患者さんでウイルスが排除できるようになりました。そして従来ほど副作用が問題にならなくなり3)、患者さんにとって治療がしやすい環境になっています。治療対象が高齢の患者さんや肝疾患が進行した患者さんに広がったことも、大きな変化です。B型肝炎治療では、まだウイルスを完全に排除することはできないものの、抗ウイルス治療によってウイルスの増殖を抑え、肝疾患の進行のリスクを下げることができます。このように、現在は治療に進んだ後のステップにおける課題はクリアされてきています。そのため、日本のウイルス肝炎診療の課題は、やはり検査で陽性の患者さんを受診・受療に結び付けるまでのステップにあるといえるでしょう。術前検査などで陽性が判明した患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ検査結果を患者さんに適切に伝え、受診・受療を促すと共に、近隣の肝臓専門医に紹介していただきたいと思います。日本肝臓学会のウイルス肝炎撲滅に向けた取り組み―日本肝臓学会では、ウイルス肝炎撲滅に向けてどのような取り組みを実施されていますか。日本肝臓学会では「肝がん撲滅運動」という活動を20年以上にわたって行ってきています。具体的には、肝炎や肝がん診療の最新情報を患者さんや一般市民の皆さまに知っていただくための公開講座を、毎年全国各地で開催しています。3年ほど前からは、肝炎医療コーディネーターを育成するための研修会も設けています。肝炎医療コーディネーターとは、看護師、保健師、行政職員など多くの職種で構成され、肝炎の理解浸透や受診・受療促進などの支援を担う人材です。また最近では、製薬企業のアッヴィ合同会社と共同で、「AbbVie Elimination Award」を設立しました。肝臓領域の臨床研究において優れた成果を上げた研究者を表彰する、研究助成事業です。「Elimination」は「排除」という意味で、一人でも多くの患者さんから肝炎ウイルスを排除したい、という意図が込められています。このように、日本肝臓学会ではウイルス肝炎撲滅に向けて、啓発活動や研究助成事業など、様々な活動に取り組んでいます。世界の先陣を切ってWHOが掲げる目標の達成を目指す―ウイルス肝炎の治療にあたる肝臓専門医の先生方に向けて、メッセージをお願いします。WHOはウイルス肝炎の撲滅に向けて「2030年までにウイルス肝炎の新規患者を90%減らし、ウイルス肝炎による死亡者を65%減らすこと」を目標に掲げています。COVID-19の流行によって、受診控えや入院の先送りなどの問題が発生し、この目標への到達は困難に感じられることもあるかもしれません。しかし、日本のウイルス肝炎診療には、国民の衛生観念がしっかりしている、肝臓専門医の数が潤沢である、行政的な施策が整備されている、など様々なアドバンテージがあります。世界の先陣を切ってWHOが掲げる目標を達成できるよう、今後も取り組んでいきましょう。肝炎ウイルス検査で陽性の患者さんは、肝臓専門医に紹介を―最後に、非専門の先生方に向けてメッセージをお願いします。従来のウイルス肝炎の治療は、副作用が問題になる、高齢の患者さんでは治療が難しい、といったイメージがあり、現在もそのように思われている先生がいらっしゃるかもしれません。患者さんも誤解している可能性があります。しかし、ウイルス肝炎の治療はここ数年で劇的に変化しています。肝炎ウイルス検査を実施して陽性が判明した場合は、患者さんにとって良い治療法があるかもしれない、と思っていただいて、ぜひ近隣の肝臓専門医に紹介してください。日本肝臓学会のHPに、肝臓専門医とその所属施設の一覧を都道府県別に掲載していますので、紹介先に迷われた際は、参考にしていただければと思います。1)竹原徹郎. 日本内科学会雑誌. 2017;106:1954-1960.2)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編「 C型肝炎治療ガイドライン(第8版)」 2020年7月, P16.3)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編「 C型肝炎治療ガイドライン(第8版)」 2020年7月, P57,63.

165.

総合内科専門医試験オールスターレクチャー 膠原病

第1回 関節リウマチ 乾癬性関節炎第2回 痛風 成人スチル病 ベーチェット病第3回 全身性エリテマトーデス シェーグレン症候群第4回 全身性強皮症 混合性結合組織疾患 皮膚筋炎・多発性筋炎第5回 大型血管炎第6回 ANCA関連血管炎 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医11名を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。膠原病については、杏林大学医学部付属病院の岸本暢將先生がレクチャー。多彩な疾患に分類される膠原病。問題文に散りばめられた症状や検査所見などの膨大な情報の中から、診断のポイントを拾い上げるスキルを学びます。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 関節リウマチ 乾癬性関節炎膠原病の問題では、膨大に提示された症状や検査所見の数値から、素早く異常を見つけるスキルが問われます。読み解くポイントについて、疾患別に例題を使って解説します。第1回は、国内に70万人以上の患者がいるとされ、日常診療でもよくみられる関節リウマチ。各治療薬と副作用の組み合わせや、症状別に禁忌の薬剤について確認します。乾癬性関節炎は、付着部炎など関節周囲から炎症が起きる点が関節リウマチと異なります。第2回 痛風 成人スチル病 ベーチェット病赤く腫れる症状が特徴的な自然免疫系の疾患を取り上げます。痛風は、急性期に尿酸降下薬を使用すると急性発作を誘発することがあるので注意。発作を誘発する食品や薬剤を押さえましょう。ピンク色の皮疹が現れる成人スチル病は、悪性腫瘍、感染症、薬剤アレルギーとの除外診断がポイント。白血球増多に注目します。20~30代に多いベーチェット病。症状として、口内炎やざ瘡様皮疹、結節性紅斑、ぶどう膜炎が現れます。第3回 全身性エリテマトーデス シェーグレン症候群リンパ球に関わる獲得免疫系の疾患を取り上げます。全身性エリテマトーデスSLEを発症するのはほとんどが女性で、多彩な症状を呈します。血小板数、白血球数、赤血球数の低下、CH50、C3、C4の低下が非常に特徴的な所見です。疾患と関連する抗核抗体も試験に出やすいポイント。ループス腎炎はSLEに起因する糸球体腎炎です。口腔乾燥やドライアイを呈するシェーグレン症候群。悪性リンパ腫のリスクにもなります。第4回 全身性強皮症 混合性結合組織疾患 皮膚筋炎・多発性筋炎皮膚や内臓が硬化、線維化する全身性強皮症SSc。限局皮膚型とびまん皮膚型に分けられ、手指にレイノー現象がみられます。抗体の種類によって合併する臓器障害が異なる点が試験でもよく問われます。混合性結合組織疾患MCTDの診断のポイントは、抗U1-RNP抗体と肺高血圧症。皮膚筋炎・多発性筋炎PM/DMでは、悪性腫瘍と急速進行性の間質性肺炎に要注意。肘や膝などにみられるゴットロン徴候が特異的な皮疹です。第5回 大型血管炎血管炎のうち大型血管炎に分類される高安動脈炎と巨細胞性動脈炎について解説します。小型血管炎に比べて症状が出にくい大型血管炎。間欠性跛行や大動脈解離など深刻な症状が起きる前に見つけるには、不明熱、倦怠感、体重減少、関節痛などの症状で疑うことが重要です。高安動脈炎の9割が女性、発症年齢は20歳前後がピーク。X線、CT、MRIの画像検査がメインです。巨細胞性動脈炎は高齢者にみられ、側頭動脈の生検がポイント。第6回 ANCA関連血管炎ANCA関連血管炎は、国内では高齢者が多いため顕微鏡的多発血管炎MPAが多く、対して海外では多発血管炎性肉芽腫GPA、好酸球性多発血管炎性肉芽腫EGPAの比率が多くなっています。小血管が破れるか詰まるため、紫斑や爪下出血など目に見える症状が出やすいのが特徴的。薬剤誘発ANCA関連疾患も頻出ポイント。MPA、GPA、EGPAを鑑別できるように、症状の似た他疾患の除外と、各診断基準を押さえます。

166.

関節リウマチ診療ガイドライン改訂、新導入の治療アルゴリズムとは

 2014年に初版が発刊された関節リウマチ診療ガイドライン。その後、新たな生物学的製剤やJAK阻害薬などが発売され、治療方法も大きく変遷を遂げている。今回、6年ぶりに改訂された本ガイドライン(GL)のポイントや活用法について、編集を担った針谷 正祥氏(東京女子医科大学医学部内科学講座膠原病リウマチ内科学分野)にインタビューした。日本独自の薬物治療、非薬物治療・外科的治療アルゴリズムを掲載 本GLは4つの章で構成されている。主軸となる第3章には治療方針と題し治療目標や治療アルゴリズム、55のクリニカルクエスチョン(CQ)と推奨が掲載。第4章では高額医療費による長期治療を余儀なくされる疾患ならではの医療経済的な側面について触れられている。 関節リウマチ(RA)の薬物治療はこの20年で大きく様変わりし、80年代のピラミッド方式、90年代の逆ピラミッド方式を経て、本編にて新たな治療アルゴリズム「T2T(Treat to Target)の治療概念である“6ヵ月以内に治療目標にある『臨床的寛解もしくは低疾患活動性』が達成できない場合には、次のフェーズに進む”を原則にし、フェーズIからフェーズIIIまで順に治療を進める」が確立された。 薬物治療アルゴリズムの概略は以下のとおり。<薬物治療アルゴリズム>(対象者:RAと診断された患者)◯フェーズI(CQ:1~4、26~28、34を参照)メトトレキサート(MTX)の使用を検討、年齢や合併症などを考慮し使用量を決定。MTXの使用が不可の場合はMTX以外の従来型抗リウマチ薬(csDMARD)を使用。また、MTX単剤で効果不十分の場合は他のcsDMARDを追加・併用を検討する。◯フェーズII(CQ:8~13、18、19、35を参照)フェーズIで治療目標非達成の場合。MTX併用・非併用いずれでの場合も生物学的製剤(bDMARD)またはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の使用を検討する。ただし、長期安全性や医療経済の観点からbDMARDを優先する。また、MTX非併用の場合はbDMARD(非TNF阻害薬>TNF阻害薬)またはJAK阻害薬の単剤療法も考慮できる。◯フェーズIII(CQ:14を参照)フェーズIIでbDMARDまたはJAK阻害薬の使用で効果不十分だった場合、ほかのbDMARDまたはJAK阻害薬への変更を検討する。TNF阻害薬が効果不十分の場合は非TNF阻害薬への切り替えを優先するが、その他の薬剤については、変更薬のエビデンスが不足しているため、future questionとしている。 このほか、各フェーズにて治療目標達成、関節破壊進行抑制、身体機能維持が得られれば薬物の減量を考慮する仕組みになっている。過去にピラミッドの下部層だったNSAIDや副腎皮質ステロイド、そして新しい治療薬である抗RANKL抗体は補助的治療の位置付けになっているが、「このアルゴリズムは単にエビデンスだけではなく、リウマチ専門医の意見、患者代表の価値観・意向、医療経済面などを考慮して作成した推奨を基に出来上がったものである」と同氏は特徴を示した。新参者のJAK阻害薬、高齢者でとくに注意したいのは感染症 今回の改訂で治療のスタンダードとして新たに仲間入りしたJAK阻害薬。ただし、高齢者では一般的に有害事象の頻度が高いことも問題視されており、導入の際には個々の背景の考慮が必要である。同氏は、「RA患者の60%は65歳以上が占める。もはやこの疾患では高齢者がマジョリティ」と話し、「その上で注意すべきは、肝・腎機能の低下による薬物血中濃度の上昇だ。処方可能な5つのJAK阻害薬はそれぞれ肝代謝、腎排泄が異なるので、しっかり理解した上で処方しなければならない」と強調した。また、高齢者の場合は感染症リスクにも注意が必要で、なかでも帯状疱疹は頻度が高く、日本人RA患者の発症率は4~6倍とも報告されている。「JAK阻害薬へ切り替える際にはリコンビナントワクチンである帯状疱疹ワクチンの接種も同時に検討する必要がある。これ以外にも肺炎、尿路感染症、足裏の皮下膿瘍、蜂窩織炎などが報告されている」と具体的な感染症を列挙し、注意を促した。非薬物療法や外科的治療―患者は積極的?手術前後の休薬は? RAはQOLにも支障を与える疾患であることから、薬物治療だけで解決しない場合には外科的治療などの検討が必要になる。そこで、同氏らは“世界初”の試みとして、非薬物治療・外科的治療のアルゴリズムも作成した。これについては「RAは治療の4本柱(薬物療法、手術療法、リハビリテーション、患者教育・ケア)を集学的に使うことが推奨されてきた。今もその状況は変わっていない」と述べた。 非薬物治療・外科的治療アルゴリズムの概略は以下のとおり。< 非薬物治療・外科的治療アルゴリズム>◯フェーズI慎重な身体機能評価(画像診断による関節破壊の評価など)を行ったうえで、包括的な保存的治療(装具療法、生活指導を含むリハビリテーション治療、短期的ステロイド関節内注射)を決定・実行する。◯フェーズII保存的治療を十分に行っても無効ないし不十分な場合に実施。とくに機能障害や変形が重度の場合、または薬物治療抵抗性の少数の関節炎が残存する場合は、関節機能再建手術(人工関節置換術、関節[温存]形成術、関節固定術など)を検討する。場合によっては手術不適応とし、可能な限りの保存的治療を検討。 患者の手術に対する意識については「罹病期間が短い患者さんのほうが手術をためらう傾向はあるが、患者同士の情報交換や『日本リウマチ友の会』などの患者コミュニティを活用して情報入手することで、われわれ医療者の意見にも納得されている。また、手術によって関節機能やQOLが改善するメリットを想像できるので、手術を躊躇する人は少ない」とも話した。 このほか、CQ37では「整形外科手術の周術期にMTXの休薬は必要か?」と記載があるが、他科の大手術に関する記述はない。これについては、「エビデンス不足により盛り込むことができなかった。個人的見解としては、大腸がんや肺がんなどの大手術の場合は1週間の休薬を行っている。一方、腹腔鏡のような侵襲が少ない手術では休薬しない場合もある。全身麻酔か否か、手術時間、合併症の有無などを踏まえ、ケース・バイ・ケースで対応してもらうのが望ましい」とコメントした。患者も手に取りやすいガイドライン 近年、ガイドラインは患者意見も取り入れた作成を求められるが、本GLは非常に患者に寄り添ったものになっている。たとえば、巻頭のクイックリファレンスには“患者さんとそのご家族の方も利用できます”と説明書きがあったり、第4章『多様な患者背景に対応するために』では、患者会が主導で行った患者アンケート調査結果(本診療ガイドライン作成のための患者の価値観の評価~患者アンケート調査~)が掲載されていたりする。患者アンケートの結果は医師による一方的な治療方針決定を食い止め、患者やその家族と医師が共に治療方針を決定していく上でも参考になるばかりか、患者会に参加できない全国の患者へのアドバイスとしての効力も大きいのではないだろうか。このようなガイドラインがこれからも増えることを願うばかりである。今後の課題、RA患者のコロナワクチン副反応データは? 最後に食事療法や医学的に問題になっているフレイル・サルコペニアの影響について、同氏は「RA患者には身体負荷や生命予後への影響を考慮し、肥満、骨粗鬆症、心血管疾患の3つの予防を掲げて日常生活指導を行っているが、この点に関する具体的な食事療法についてはデータが乏しい。また、フレイル・サルコペニアに関しては高齢RA患者の研究データが3年後に揃う予定なので、今後のガイドラインへ反映させたい」と次回へバトンをつないだ。 なお、日本リウマチ学会ではリウマチ患者に対する新型コロナワクチン接種の影響を調査しており、副反応で一般的に報告されている症状(発熱、全身倦怠感、局所反応[腫れ・痛み・痒み]など)に加えて、関節リウマチ症状の悪化有無などのデータを収集している。現段階で公表時期は未定だが、データ収集・解析が完了次第、速やかに公表される予定だ。

167.

リンヴォック:さまざまな患者の治療選択肢となる経口tsDMARD

関節リウマチ治療におけるT2Tの実践と課題関節リウマチ治療は、長期的なQOL改善につながる「臨床的寛解」を目標(Target)として設定し、これに向けて治療(Treat)を最適化する戦略、Treat to Target(T2T)が推奨されている1)。具体的には、疾患活動性を評価しながら薬物治療を見直し、適切な治療方針を検討することが勧められる。近年、臨床的寛解の達成率は上昇しているが、いまだ達成に至らない患者も多い2)。こういった患者に対し、新たに選択肢となる治療薬が求められている。JAK阻害薬「リンヴォック」関節リウマチ治療薬には、従来型合成抗リウマチ薬(csDMARD)、生物学的製剤(bDMARD)、分子標的型合成抗リウマチ薬(tsDMARD)などがある。リンヴォック(一般名:ウパダシチニブ)は、炎症性サイトカインに関わるヤヌスキナーゼ(JAK)、とくにJAK1を強く阻害する経口のtsDMARDであり、新しい治療選択肢の1つとなっている。6つの大規模臨床試験で効果を検証リンヴォックは、中等症~重症の活動性関節リウマチ患者計4,500例以上を対象とした6つのSELECT試験により、有効性、安全性が検討された。有効性は、主に米国リウマチ学会基準の20%、50%の改善率(ACR20、ACR50)と、28関節の疾患活動性スコア(DAS28)に基づいて評価された。SELECT-COMPARE試験:MTX(メトトレキサート)で効果不十分な患者に対し、リンヴォック15mgとMTXを併用し(リンヴォック群)、プラセボ群およびアダリムマブ群と比較した。「ACR20改善率(12週時)」は70.5%(プラセボ群36.4%)、「DAS28(CRP)<2.6に基づく臨床的寛解達成率(12週時)」は28.7%(プラセボ群6.1%)であり、いずれもリンヴォック群の優越性が検証された(p<0.001)。また、「ACR50改善率(12週時)」は45.2%(アダリムマブ群29.1%)であり、リンヴォック群の優越性が示された(p<0.001)。主な有害事象は、上気道感染(5.7%)、鼻咽頭炎(5.5%)、気管支炎(4.6%)などであった(26週時)。SELECT-MONOTHERAPY試験※:MTXで効果不十分な患者に対し、リンヴォック15mgを単独投与し(リンヴォック群)、MTX群と比較した。「ACR20改善率(14週時)」は67.7%(MTX群41.2%)、「DAS28(CRP)≦3.2に基づく低疾患活動性達成率(14週時)」は44.7%(MTX群19.4%)であり、いずれもリンヴォック群の優越性が検証された(p<0.001)。主な有害事象は、尿路感染および上気道感染(各4.1%)などであった(14週時)。SELECT-SUNRISE試験※:csDMARDで効果不十分な患者に対し、リンヴォック7.5mg、15mgとcsDMARDを併用し(リンヴォック群)、プラセボ群と比較した。「ACR20改善率(12週時)」は、7.5mg群、15mg群でそれぞれ75.5%、83.7%(プラセボ群42.9%)であり、リンヴォック群の優越性が検証された(p<0.001)。7.5mg群の主な有害事象は、鼻咽頭炎(10.2%)、口内炎および高血圧(各6.1%)、15mg群は、鼻咽頭炎(12.2%)、肝機能検査値上昇(6.1%)などであった(12週時)。このほかにも、SELECT-NEXT試験(csDMARDで効果不十分な患者に対し、csDMARD併用下での効果をプラセボと比較)、SELECT-BEYOND試験(bDMARDで効果不十分・不耐容の患者に対し、csDMARD併用下での効果をプラセボと比較)、SELECT-EARLY試験※(MTX未治療の患者に対し、単独投与での効果をMTXと比較)が実施され、効果が検証されている。※日本人患者を含む試験(SELECT-SUNRISEは国内試験)リンヴォックへの期待SELECT試験は、臨床におけるさまざまな患者像を想定したデザインで実施された。いずれの試験でも有効性、安全性が示されたことで、リンヴォックが多くの患者に使用できる有用な選択肢になると考えられる。また、『関節リウマチ診療ガイドライン3)』の改訂により、今後JAK阻害薬の使用機会増加が予想される。各JAK阻害薬の特徴による違いも含め、実臨床での使用データが蓄積することで、リンヴォックが適する患者像はより明確になっていくだろう。新たな選択肢の登場により、1人でも多くの患者が臨床的寛解を達成することを期待したい。1)Smolen JS, et al. Ann Rheum Dis. 2016;75:3-15.2)Yamanaka H, et al. Mod Rheumatol. 2020;30:1-6.3)日本リウマチ学会. 関節リウマチ診療ガイドライン2020

168.

総合内科専門医試験オールスターレクチャー アレルギー

第1回 食物アレルギー アナフィラキシー第2回 喘息 抗体医薬第3回 アレルギー性鼻炎 重症薬疹・薬剤アレルギー 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。アレルギーについては、聖路加国際病院リウマチ膠原病センターの岡田正人先生がレクチャーします。バイオテクノロジーの進歩によって次々と開発される抗体医薬や、より精度が上がったアレルゲン検査など、アレルギー治療の最新トレンドを解説します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 食物アレルギー アナフィラキシー アレルギーの第1回では、I型アレルギーの1つである食物アレルギーについて、例題を提示しながら、症状からアレルゲンを特定する際のポイントを解説します。近年実用化が進んでいるアレルゲンコンポーネント検査によって、感度・特異度ともに精度の高い診断が可能となりました。主な食品に対応するアレルゲンコンポーネントを確認しましょう。アナフィラキシーを起こした際は、第2層反応にも注意して適切な治療を行います。第2回 喘息 抗体医薬アレルギーの第2回は、喘息の治療法について解説します。この10年ほどで、重症喘息に対して使用できる生物学的製剤が相次いで登場しました。喘息のタイプによって、各抗体医薬を使い分ける必要があります。また、喘息の抗体医薬品が、ほかのアレルギー性疾患にも効果があることが明らかになりました。アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹への、各薬剤の適応を確認します。 第3回 アレルギー性鼻炎 重症薬疹・薬剤アレルギーアレルギーの第3回は、アレルギー性鼻炎と、重症薬疹を中心に薬剤アレルギーを取り上げます。アレルギー性鼻炎で最もよく使われる抗ヒスタミン薬。作用の仕組みと、添付文書でとくに注意する点を解説します。近年、スギ花粉症とダニアレルギーに対して、質の高い舌下免疫療法の薬が登場し、治療を希望する患者さんも増えています。薬剤アレルギーについては、SJS/TENやDIHSといった重症薬疹の、原因となる薬剤を確認します。

169.

総合内科専門医試験オールスターレクチャー 血液

第1回 急性・慢性白血病第2回 悪性リンパ腫第3回 多発性骨髄腫 Oncology emergency第4回 骨髄増殖性腫瘍 造血幹細胞移植第5回 貧血性疾患・造血不全第6回 出血・血栓性疾患 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。血液については、渡邉純一先生が講義します。数々の新薬の登場による血液腫瘍の治療法の変化が最大のポイントです。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 急性・慢性白血病第1回のテーマは、急性・慢性白血病です。急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病について、近年のガイドラインの改訂や、新規薬剤の情報を整理して解説します。第2回 悪性リンパ腫血液の第2回は、悪性リンパ腫について解説します。悪性リンパ腫については、低悪性度から高悪性度B細胞リンパ腫など、各種それぞれのリンパ腫に適した、多数の新規薬剤が登場し、治療のスタンダードとなっています。臨床データを押さえながら、新しい治療薬について説明します。第3回 多発性骨髄腫 Oncology emergency血液の第3回は、多発性骨髄腫とOncology emergencyについて解説します。近年、さまざまな新規薬剤によって、予後が改善している多発性骨髄腫。ただし、完治が厳しい疾患であることには変わりなく、共存を目的とした治療計画が立てられています。薬剤のメカニズムと副作用も重要なポイントです。悪性腫瘍の経過で、急速に悪化した場合の緊急治療Oncology emergencyについて、血液内科領域の対応や基礎疾患、症状を確認します。第4回 骨髄増殖性腫瘍 造血幹細胞移植骨髄増殖性腫瘍には、真性多血症、原発性骨髄繊維症、本態性血小板血症があります。年齢によってリスクが変化するため、治療方針も異なります。使用する薬剤のメリットとデメリットも確認しましょう。造血幹細胞移植には、自家移植と同種移植があります。とくに同種移植について、合併症のリスクや保険適用となった新薬の解説をします。第5回 貧血性疾患・造血不全骨髄不全の疾患である、再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症、骨髄異形成症候群について解説します。近年ガイドラインが改訂された、再生不良性貧血の診療指針の変更点や、骨髄異形成症候群のリスク分類を確認しておきましょう。造血不全による貧血性の疾患は、各種貧血の病態や、保険適用となっている薬剤など、基本をしっかり復習します。第6回 出血・血栓性疾患出血・血栓性疾患には、血小板減少を伴うものと、凝固異常を伴うものがあります。特発性血小板減少性紫斑病と血栓性血小板減少性紫斑病のガイドラインには、新薬が加えられました。播種性血管内凝固は、診断基準がアップデートされたので注意しましょう。後天性血友病、フォンウィルブランド病、抗リン脂質抗体症候群、先天性血友病についてもポイントを説明します。

170.

TNF阻害薬治療中のIBD患者でCOVID-19感染後の抗体保有率低下

 生物学的製剤であるTNF阻害薬を巡っては、これまでの研究で肺炎球菌やインフルエンザおよびウイルス性肝炎ワクチン接種後の免疫反応を減弱させ、呼吸器感染症の重症化リスクを高めることが報告されていた。ただし、新型コロナ感染症(COVID-19)ワクチンに対しては不明である。英国・Royal Devon and Exeter NHS Foundation TrustのNicholas A Kennedy氏らは、炎症性腸疾患(IBD)を有するインフリキシマブ治療患者のCOVID-19感染後の抗体保有率について、大規模多施設前向きコホート研究を実施した。その結果、インフリキシマブ治療群では、コホート群と比べ抗体保有率が有意に低いことがわかった。著者らは、「本結果により、COVID-19に対するインフリキシマブの免疫血清学的障害の可能性が示唆された。これは、世界的な公衆衛生政策およびTNF阻害薬治療を受ける患者にとって重要な意味を持つ」とまとめている。Gut誌オンライン版2021年3月22日号の報告。 研究グループは、2020年9月22日~12月23日に、英国の92医療施設に来院したIBD患者7,226例を連続して登録。このうち血清サンプルと患者アンケートが得らえた6,935例について調べた。被験者のうち67.6%(4685/6935例)がインフリキシマブによる治療を受け、32.4%(2250/6935例)がベドリズマブによる治療を受けた。 主な結果は以下のとおり。・インフリキシマブ治療群とベドリズマブ治療群において、SARS-CoV-2感染に関する割合は両群間で類似していた:疑い例(36.5%[1712/4685例] vs.39.0[877/2250例]、p=0.050)、PCR陽性(5.2%[89/1712例] vs.4.3%[38/877例]、p=0.39)、入院(0.2%[8/4685例] vs.0.2%[5/2250例]、p=0.77)。・血清有病率は、インフリキシマブ治療群のほうがベドリズマブ治療群よりも有意に低かった(3.4%[161/4685例] vs.6.0%[134/2250例])、p<0.0001]。・多変数ロジスティック回帰分析では、インフリキシマブ群(vs.ベドリズマブ群のOR:0.66、95%信頼区間[CI]:0.51〜0.87)、p=0.0027)および免疫抑制薬(同:0.70、95%CI:0.53〜0.92、p=0.012)において、より低い血清陽性と独立して関連していた。・SARS-CoV-2感染後、セロコンバージョンが認められた被験者は、インフリキシマブ治療群のほうがベドリズマブ治療群よりも少なかった(48%[39/81例] vs.83%[30/36例])、p=0.00044)。

171.

JAK阻害薬upadacitinib、対アダリムマブの優越性は?/NEJM

 乾癬性関節炎患者の治療において、ウパダシチニブはプラセボおよびアダリムマブと比較して、12週時に米国リウマチ学会(ACR)基準で20%の改善(ACR20)を達成した患者の割合が高いが、プラセボに比べ有害事象が高頻度にみられることが、英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らが行った「SELECT-PsA 1試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年4月1日号に掲載された。ウパダシチニブは、可逆的な経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、関節リウマチの治療薬として承認されている。また、アダリムマブは、腫瘍壊死因子α阻害薬であり、関節リウマチおよび乾癬性関節炎の治療に使用されている。2種の用量を評価する国際的な二重盲検第III相試験 本研究は、非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の効果が不十分な乾癬性関節炎患者におけるウパダシチニブの有用性を、プラセボおよびアダリムマブと比較する24週の二重盲検第III相試験であり、日本を含む45ヵ国281施設が参加し、2017年4月~2019年12月の期間に実施された(AbbVieの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、乾癬性関節炎と診断され、「乾癬性関節炎分類基準(Classification Criteria for Psoriatic Arthritis)」を満たし、過去または現在、尋常性乾癬に罹患している患者であった。 被験者は、ウパダシチニブ15mgまたは30mgを1日1回経口投与する群、プラセボ群、アダリムマブ40mgを隔週で皮下投与する群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、プラセボと比較した12週時のACR20の達成とした。ACR20は、圧痛・腫脹関節数の20%以上の減少、および他の5つの項目(疾患活動性の患者・医師による評価、質問票による身体機能の評価、患者による疼痛評価、高感度C反応性蛋白)のうち少なくとも3つの20%以上の改善と定義された。副次エンドポイントには、アダリムマブとの比較が含まれた。15mg群は、アダリムマブ群に対する優越性はない 1,704例が、少なくとも1回の実薬またはプラセボの投与を受けた。ウパダシチニブ15mg群が429例(平均年齢[SD]51.6±12.2歳、女性55.5%)、同30mg群が423例(49.9±12.4歳、55.8%)、プラセボ群が423例(50.4±12.2歳、49.9%)、アダリムマブ群は429例(51.4±12.0歳、51.7%)であった。 12週の時点で、ACR20を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ15mg群が70.6%、同30mg群が78.5%、プラセボ群が36.2%、アダリムマブ群は65.0%であった。15mg群とプラセボ群の差は34.5ポイント(95%信頼区間[CI]:28.2~40.7、p<0.001)、30mg群とプラセボ群の差は42.3ポイント(36.3~48.3、p<0.001)であり、ウパダシチニブの2つの用量はいずれもプラセボ群に比べ有意に優れた。 また、15mg群とアダリムマブ群の群間差は5.6ポイント(95%CI:-0.6~11.8)、30mg群とアダリムマブ群との群間差は13.5ポイント(7.5~19.4、p<0.001)であった。12週時のACR20達成割合に関して、ウパダシチニブの2つの用量はいずれも、アダリムマブ群に対し非劣性であった。優越性は、30mg群では認められたものの、15mg群ではみられなかった。 24週までの有害事象の発生率は、ウパダシチニブ15mg群が66.9%、同30mg群が72.3%、プラセボ群が59.6%、アダリムマブ群は64.8%であった。重篤な感染症は、それぞれ1.2%、2.6%、0.9%、0.7%に発現し、ウパダシチニブ群で多かった。肝障害は、15mg群が9.1%、30mg群が12.3%でみられたが、Grade3のアミノトランスフェラーゼ上昇の発生は全群で2%以下だった。 著者は、「ウパダシチニブの効果とリスクを明らかにし、その効果を乾癬性関節炎の治療に使用されている他の薬剤と比較するには、より長期で、より大規模な試験が求められる」としている。

172.

「アクテムラ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第46回

第46回 「アクテムラ」の名称の由来は?販売名アクテムラ®点滴静注用80mgアクテムラ®点滴静注用200mgアクテムラ®点滴静注用400mgアクテムラ®皮下注162mgシリンジアクテムラ®皮下注162mgオートインジェクター一般名(和名[命名法])トシリズマブ(遺伝子組換え)(JAN)効能又は効果【点滴静注用製剤】○既存治療で効果不十分な下記疾患関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病 ○キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、 赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身けん怠感)の改善。ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。 ○腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群 【皮下注製剤】既存治療で効果不十分な下記疾患 ○関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) ○高安動脈炎、巨細胞性動脈炎用法及び用量【点滴静注用製剤】 〈関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注する。〈全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病及びキャッスルマン病〉 通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注する。なお、 症状により1週間まで投与間隔を短縮できる。〈サイトカイン放出症候群〉通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注する。【皮下注製剤】〈関節リウマチ〉通常、成人には、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを2週間隔で皮下注射する。なお、効果不十分な場合には、1週間まで投与間隔を短縮できる。〈高安動脈炎、巨細胞性動脈炎〉通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを1週間隔で皮下注射する。警告内容とその理由【点滴静注用製剤:〈効能共通〉】【皮下注製剤】1.感染症本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることが ある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。【点滴静注用製剤】〈効能共通〉2.治療開始に際しては、重篤な感染症等の副作用があらわれることがあること及び本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含めて患者に十分説明し、理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。〈関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉3.本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識といずれかの疾患の治療経験をもつ医師が使用すること。〈全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病〉4.本剤についての十分な知識といずれかの疾患の治療の経験をもつ医師が使用すること。〈サイトカイン放出症候群〉5.本剤についての十分な知識と腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。【皮下注製剤】2.治療開始に際しては、重篤な感染症等の副作用があらわれることがあること及び本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含めて患者に十分説明し、理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。3.本剤の治療を行う前に、各適応疾患の既存治療薬の使用を十分勘案すること。4.本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)【点滴静注用製剤】【皮下注製剤】 1.重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化するおそれがある。]2.活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年4月7日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2021年1月改訂(第27版)医薬品インタビューフォーム「アクテムラ®点滴静注用80mg・アクテムラ®点滴静注用200mg・アクテムラ®点滴静注用400mg/アクテムラ®皮下注162mgシリンジ/アクテムラ®皮下注162mgオートインジェクター」2)中外製薬:PLUS CHUGAI

173.

TNF阻害薬効果不十分のRA、トシリズマブvs.リツキシマブ/Lancet

 TNF阻害薬で効果不十分の関節リウマチ患者において、RNAシークエンシングに基づく滑膜組織の層別化は病理組織学的分類と比較して臨床効果とより強く関連しており、滑膜組織のB細胞が低発現または存在しない場合は、リツキシマブよりトシリズマブが有効であることを、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のFrances Humby氏らが、多施設共同無作為化非盲検第IV相比較試験「rituximab vs tocilizumab in anti-TNF inadequate responder patients with rheumatoid arthritis:R4RA試験」の16週間の解析結果、報告した。生物学的製剤は関節リウマチの臨床経過を大きく変えたが、40%の患者は十分な効果を得られないことが示唆されており、その機序はいまだ明らかになっていない。関節リウマチ患者の50%以上は、リツキシマブの標的であるCD20 B細胞が滑膜組織に存在しない、または少ないために、IL-6受容体阻害薬のトシリズマブのほうが有効である可能性が考えられていた。Lancet誌2021年1月23日号掲載の報告。滑膜組織のB細胞発現で分類し、リツキシマブとトシリズマブの有効性を比較 研究グループは欧州5ヵ国(英国、ベルギー、イタリア、ポルトガル、スペイン)の19施設において、「ACR/EULAR関節リウマチの分類基準2010年」を満たし、英国のNICEガイドラインに従いリツキシマブによる治療の対象となる18歳以上の関節リウマチ患者を登録。ベースラインの滑膜生検におけるB細胞発現(組織学的にB細胞が多い「B細胞rich」または少ない「B細胞poor」に分類)を層別因子として、リツキシマブ群(1,000mgを2週間隔で2回点滴投与)またはトシリズマブ群(8mg/kgを4週間隔で点滴投与)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。また、層別化の精度を高めるため、ベースライン滑膜生検組織についてRNAシークエンシングを行い、B細胞の分子シグネチャーで再分類した。 主要評価項目は、臨床的疾患活動性指標(CDAI)のベースラインからの50%改善(CDAI 50%)とした。RNAシークエンシングでB細胞poorの場合、トシリズマブが有意に奏効 2013年2月28日~2019年1月17日に164例が組織学的に分類され、リツキシマブ群(83例、51%)またはトシリズマブ群(81例、49%)に割り付けられた。 組織学的なB細胞poorの患者集団では、CDAI 50%を達成した患者の割合はリツキシマブ群(45%、17/38例)とトシリズマブ群(56%、23/41例)で有意差は認められなかった(群間差:11%、95%信頼区間[CI]:-11~33、p=0.31)。しかし、RNAシークエンシングによるB細胞poorの患者集団では、CDAI 50%を達成した患者の割合はリツキシマブ群(36%、12/33例)と比較してトシリズマブ群(63%、20/32例)で有意に高かった(群間差:26%、95%CI:2~50、p=0.035)。 有害事象の発現率はリツキシマブ群70%(76/108例)、トシリズマブ群80%(94/117例)(群間差:10%、95%CI:-1~21)、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ7%(8/108例)、10%(12/117例)であり(3%、-5~10)、いずれも両群で有意差はなかった。

174.

国内初の1日2回投与型トラマドール製剤「ツートラム錠50mg/100mg/150mg」【下平博士のDIノート】第67回

国内初の1日2回投与型トラマドール製剤「ツートラム錠50mg/100mg/150mg」今回は、慢性疼痛治療薬「トラマドール塩酸塩徐放錠(商品名:ツートラム錠50mg/100mg/150mg、製造販売元:日本臓器製薬)」を紹介します。本剤は、1日2回(12時間間隔)の投与に最適化された徐放性製剤であり、非オピオイド鎮痛薬で十分な効果が得られない患者の疼痛緩和やアドヒアランス向上が期待されています。<効能・効果>本剤は、非オピオイド鎮痛薬で治療困難な慢性疼痛における鎮痛の適応で、2020年9月25日に承認され、2021年1月8日より発売されています。なお、2022年5月に「疼痛を伴う各種がん」の効能・効果が追加されました。<用法・用量>通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300mgを2回(朝、夕が望ましい)に分けて経口投与します。症状に応じて1回200mg、1日400mgを超えない範囲で適宜増減できますが、1回50mg、1日100mgずつ行うことが推奨されています。なお、初回投与は1回50mgから開始することが望ましく、ほかのトラマドール塩酸塩経口薬から切り替える場合は、切り替え前の薬剤の1日投与量、鎮痛効果および副作用を考慮して本剤の初回投与量を設定します。<安全性>国内で日本人を対象に実施された第II、III相試験(慢性疼痛6試験併合)において、本剤との因果関係を否定できない有害事象は749例中597例(79.7%)で報告されています。主なものは、悪心329例(43.9%)、便秘308例(41.1%)、傾眠160例(21.4%)、嘔吐113例(15.1%)、浮動性めまい81例(10.8%)、口渇58例(7.7%)、食欲減退43例(5.7%)でした。なお、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、呼吸抑制、痙攣、依存性、意識消失(いずれも頻度不明)が注意喚起されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内への痛みの伝達を抑え、一般的な鎮痛薬では治療困難な痛みを和らげます。2.眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤を服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないでください。3.この薬はゆっくり効く部分を持っていますので、割ったり、粉砕したり、かみ砕いたりせずに、そのまま服用してください。4.悪心・嘔吐、便秘、めまい、口が乾く、食欲が低下するなどの症状が現れることがあります。症状が重く、持続する場合はすぐに受診してください。5.有効成分が出た後の錠剤が糞便中に排泄されることがありますが心配ありません。6.飲酒により薬の作用が強くなり、呼吸抑制が起こることがあります。服用中の飲酒は避けてください。<Shimo's eyes>本剤は、速やかに有効成分が放出される速放部と、徐々に有効成分が放出される徐放部の2層錠にすることで、安定した血中濃度推移が得られるように設計された国内初の1日2回投与のトラマドール製剤です。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討され、製造販売会社に開発が要請されました。トラマドールを含有する既存の経口薬としては、1日4回服用の速放性製剤(商品名:トラマール)、1日1回服用の徐放性製剤(同:ワントラム)、アセトアミノフェン配合製剤(同:トラムセットなど)が販売されていています。なお、トラマドールはWHO三段階除痛ラダーで「ステップ2」に位置付けられる弱オピオイド鎮痛薬ですが、わが国では麻薬の指定は受けていません。適応症である「慢性疼痛」は、腰痛症、変形性膝関節症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症、帯状疱疹後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群など幅広い原因によって引き起こされます。本剤は、慢性疼痛治療で汎用されているプレガバリンやセレコキシブなどと同じ1日2回投与ですので、併用薬や生活様式に合わせた薬剤を選択することでアドヒアランスが維持・向上できると期待されます。22年5月の改訂で、がん患者の疼痛管理にも本剤が使えるようになりました。本剤を定時服用していても疼痛が増強した場合や突出痛が発現した場合は、即放性のトラマドール製剤(商品名:トラマール錠など)をレスキュー薬として使用します。なお、レスキュー投与の1回投与量は、定時投与に用いている1日量の8~4分の1とし、総投与量は1日400mgを超えない範囲で調節します。鎮痛効果が不十分などを理由に本剤から強オピオイドへの変更を考慮する場合、オピオイドスイッチの換算比として本剤の5分の1量の経口モルヒネを初回投与量の目安として、投与量を計算することが望ましいとされています。禁忌となるのは、ほかのトラマドール製剤と同様に、12歳未満の小児、本剤に対する過敏症、アルコールや睡眠薬、鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬または向精神薬による急性中毒、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬を投与中または投与中止後14日以内、ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中または投与中止後1週間以内、てんかん患者などです。副作用としては、高頻度で悪心・嘔吐、便秘が報告されています。必要に応じて制吐薬や下剤の併用を提案するようにしましょう。※2022年6月、添付文書改訂の内容を基に、一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 ツートラム錠50mg/ツートラム錠100mg/ツートラム錠150mg

175.

COVID-19の希少疾病患者・家族への影響/特定非営利活動法人ASrid

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、不要不急の外出制限がされたことで、全国的に通常診療の診療控えがみられる事態となった。 こうした社会情勢下でCOVID-19は希少・難治性疾患を持つ患者、その家族にどのような影響を与えたか、希少・難治性疾患分野における全ステイクホルダーに向けたサービスの提供を目的に活動する特定非営利活動法人ASrid(アスリッド)は、全国の患者とその家族、患者団体向けに調査を行い、「COVID-19 が希少・難治性疾患の患者・家族および患者団体に与える影響に関する調査報告書(一次報告)」としてまとめ、結果を発表した(なお、分析は欠損値を除外して実施している)。患者の9割がCOVID-19を「高い脅威」と感じている1)患者・患者家族について期間:2020年10月~11月回答数と属性:有効回答数363人(患者本人:251人、家族など112人)(1)回答者の関連する疾患(上位3つ) 神経・筋(30%)、免疫(18%)、代謝・内分泌(10%)(2)回答者の関連する障害(上位3つ) 肢体不自由(40.8%)、内部障害(20.4%)、言語・聴覚障害(7.2%)2)質問と回答(質問1)COVID-19への脅威の感じ方・COVID-19に対して患者が感じる脅威(n=251):「非常に高い脅威」(52%)、「高い脅威」(38%)、「低い脅威」(7%)「非常に低い脅威」(3%) ・COVID-19に対して家族からみた患者への脅威(n=103):「非常に高い脅威」(72%)、「高い脅威」(24%)、「低い脅威」(3.6%)(質問2)COVID-19による主治医との面談のキャンセル(中断)/延期「延期」(33%)、「経験なし」(42%)、「関係なし」(21%)、「キャンセル」(4%)(質問3)COVID-19による検査のキャンセル(中断)/延期「延期」(33%)、「経験なし」(42%)、「関係なし」(21%)、「キャンセル」(4%)(質問4)COVID-19以降の通院頻度の変化「長くなった」(26%)、「短くなった」(5%)、「変わらない」(69%)(質問5)治療の中断/延期は患者自身・家族にとって、どの程度、生命の脅威・健康に悪影響を与えたと認識しているか・患者自身の認識:「治療中断は生命の脅威」(58.3%)、「治療中断は健康に悪影響」(74.2%)・家族の認識:「治療中断は生命の脅威」(55.8%)、「治療中断は健康に悪影響」(75%)(質問6)オンライン診療の経験の有無とその評価・オンライン診療経験の有無:「経験した」(29%)、「経験していない」(71%)・オンライン診療の評価(「経験した」と回答した95人):「非常に役に立った」(56%)、「役に立った」(42%)、「あまり役に立っていない」(2%)(質問7)患者・家族のメンタルヘルスの課題および家族関係「よく感じた/しばしば感じた」で多かった項目は、「不満や憂鬱」、「家族との絆」、「問題への無力感」、「家族への不満」、「孤立感」の順番だった。  患者・患者家族への調査の結果、COVID-19への脅威は強く感じているものの、診療の中断や通院機会の減少などの影響は大きくなかった。また、オンライン診療は、3割程度にしか浸透していないが、受診者の満足度は高いことがわかった。患者団体はコロナ禍の下でも工夫して情報発信1)患者団体について期間:2020年10月~11月回答数と属性:有効回答団体69団体(1)回答団体の関連する疾患(上位3つ) 神経・筋(29%)、代謝・内分泌(10%)と染色体・遺伝子変化(10%)は同数(2)回答団体の会員数(上位3つ) 1~99名(35%)、100~499名(33%)、500~999名(12%)2)質問と回答(質問1)団体収入の規模(上位3つ)50万円未満(36%)、500万円未満(29%)、1,000万円未満(17%)(質問2)団体諸活動への影響「とてもネガティブに影響/少しネガティブに影響」した事項として「総会」「交流会・講演会・相談会」、「講演・講師活動」が多く挙げられた。(質問3)COVID-19に関連した新規活動の種類(n=65)「関連情報の展開・啓発」(23団体)、「アンケートの実施」(12団体)、「webinarの実施」(4団体)、「マスク・消毒液などの配布」(4団体)、「行政への要望活動」(5団体)(質問4)COVID-19に関連した団体の活動手法(上位3つ)「講演・交流会のオンライン化」(38団体)、「会議のオンライン化」(24団体)、「総会のオンライン化」(10団体)(質問5)団体活動・運営についての懸念事項(上位3つ)「イベント開催困難」(45団体)、「会員減少」(14団体)、「オンラインツール活用困難」(10団体)(質問6)Withコロナ時代の患者団体への支援ニーズ(ニーズを満たす上位3つ)「信頼できる情報源と専門知識の提供」(64%)、「web会議システム利活用トレーニング」(60%)、「患者のメンタルサポート」(42%) 各患者団体は、COVID-19禍の中で、密を避ける工夫をし、オンラインによるイベント開催を行っていた。また、各団体は、収入などが減少する中でも、関連情報の展開や啓発などポジティブな活動をしていることが判明した。 同団体では、最終報告に向けて、さらに分析を行うとしている。

176.

「リウマチを悪友」と呼ぶ患者さん/日本イーライリリー

 高血圧、糖尿病などとともに慢性疾患の代表格と言われる「関節リウマチ」。わが国の関節リウマチ患者数は70~80万人と推定され、仕事や家庭を築くライフステージの重要期にある40代の女性が診断されることも多い疾患と言われている。近年では、治療薬の進歩もあり、患者さんのQOLの改善は大きく進展している。その一方で、目に見えない「痛み」、「倦怠感」、「朝のこわばり」という症状は、周囲の理解を得ることが難しく、また、伝えることも容易でないため、社会生活において悩みを抱える患者さんも多いという。 日本イーライリリーと女性の暮らしを応援する「生活情報サイトハルメクWEB」は、関節リウマチ患者さんの周囲に理解されにくい症状・日常生活の困りごとを俳句で詠む「GoodDAY関節リウマチ俳句コンテスト」を共催し、受賞作品を発表した。 コンテストでは、関節リウマチ患者さんや周囲の方を対象に、患者さんが抱える日常生活の困りごとや、医療従事者やご家族の方とのコミュニケーションについて、俳句とその元になったエピソードを募集。当事者ならではの疾患に対するさまざまな想いや、自身の経験をリアルに綴った俳句とエピソードが828句が寄せられた。 選者は、テレビで活躍中の夏井いつき氏を審査員長に、関係する患者団体、医療者の代表が審査し、大賞1句、審査員特別賞3句、部門賞4句が決定した。 日本イーライリリーでは、「本コンテストが、関節リウマチ患者さんのより良い1日(GoodDAY)について、患者さんや患者さんを取り巻く皆様と共に考えるきっかけとなることを願っている」と期待を寄せている。■受賞作品【大賞】 リウマチを悪友と呼び花野ゆく(吉野智子さん/70代/神奈川県)【入賞】 つまめない箸も下着も枝豆も(浜崎真理さん/30代/神奈川県) 決断の空路9時間氷河踏む(鈴木みつよさん/70代/大分県) コオロギの愚痴も拾った聴診器(小松崎有美さん/60代/埼玉県) 木の芽時(このめどき)まずは頑張り誉める医師(瀬川令子さん/50代/三重県)【審査員特別賞】 こわばりや寒月にまた触れたらし(ぐさん/30代/神奈川県) さする手に重ねてさする秋始め(かあたさん/50代/岐阜県) リウマチと告げられし日や雛の日(田中ウカさん/60代/神奈川県)

177.

医師が選ぶ「2020年の顔」TOP5!(医療人、政治家部門)【ケアネット医師会員アンケート結果発表】

新型コロナの国内発生と流行、緊急事態宣言、東京五輪延期…本当にいろいろあった2020年―。今年を振り返ってみて思い浮かぶのは誰の顔でしょうか。ケアネットでは医師会員にアンケートを実施。535人の先生方にご協力いただき、選ばれた「今年の顔」は?今回は、医療人部門と政治家部門のTOP5をご紹介します!新型コロナのコメンテーター部門 、文化・芸能人部門 はこちら!医療人部門第1位 尾身 茂氏ダントツの得票数で第1位となったのは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議およびその後の分科会で、中心的役割を担っている尾身 茂先生。経験に裏付けされたリーダーシップはもちろん、記者会見などでは報道陣からの質問に根気強く答える姿も印象的でした。選んだ理由のコメント中には、「安定」や「信頼」という言葉が多く並びました。 「尾身 茂」氏を選んだ理由(コメント抜粋)指導者として信頼しています。(60代 産婦人科/大阪府)今年はこの人しかいないでしょう。(40代 内科/東京都)医療と政治の板挟みに苦悩しているところが印象に残った。(50代 精神科/神奈川県)第2位 忽那 賢志氏コメンテーター部門での1位に続き、医療人部門でも2位にランクイン。新型コロナの最前線で診療に当たる感染症専門医として、医師からの知名度と信頼度の高さが伺える結果となりました。国内での症例数があまり多くなかった段階から、エビデンスに自身の診療経験からの知見を織り交ぜ、わかりやすく解説されていた姿が印象に残った先生も多かったのではないでしょうか。 「忽那 賢志」氏を選んだ理由(コメント抜粋)臨床で活躍されており、経験、知識も豊富で、説明も論理的で分かりやすい。(40代 内科/埼玉県)最も信頼できるから。(40代 精神科/愛知県)さまざまなメディア、講演会などで見かける機会が多かったから。(20代 臨床研修医/滋賀県)第3位 岩田 健太郎氏ダイアモンドプリンセス号についてのYouTube動画の配信は、大きな反響を呼びました。選んだ理由についてのコメントでは、「世の中にインパクトを与えた」という声のほか、「良くも悪くも発信力があった」といった声も。現場の医療者が発信する情報として、その後も発信を継続的にチェックしていたという声もあがっています。 「岩田 健太郎」氏を選んだ理由(コメント抜粋)新型コロナウイルス感染症に関する行動および発言が際立っていた。(40代 精神科/北海道)現場の実態をわかっているから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/兵庫県)いい意味でも悪い意味でも印象に残ったから。(50代 神経内科/徳島県)第4位 西浦 博氏 「西浦 博」氏を選んだ理由(コメント抜粋)純粋に学問的見地からがんばっておられた。(40代 皮膚科/東京都)統計を介したモデルだが世間で議論するたたき台となった。(30代 膠原病・リウマチ科/北海道)コロナ対策で奮闘された。(20代 臨床研修医/東京都)第5位 山中 伸弥氏 「山中 伸弥」氏を選んだ理由(コメント抜粋)独自の視点で情報発信されているので。(50代 消化器内科/山口県)ツベルクリンの話に共感したから。(50代 産婦人科/愛媛県)政治家部門第1位 安倍 晋三氏憲政史上最長となる7年8ヵ月の長期政権を築き、今年9月に体調不良を理由に辞任した安倍 晋三前内閣総理大臣が第1位に。 アベノマスクや給付金支給などの施策を含め、先進諸国の中では結果的に感染者数を抑えたことを評価する声、体調を慮る声が多くみられました。持病とされる潰瘍性大腸炎に光を当てることにも貢献されたのではないでしょうか。 「安倍 晋三」氏を選んだ理由(コメント抜粋)日本で結果的に感染者を増やさなかったから。(30代 泌尿器科/福岡県 他多数)体調の悪い中リーダーとして可能なかぎりの仕事をされたと思います。(30代 耳鼻咽喉科/福岡県)在任時のさまざまな対策は今も続行されている。(50代 消化器外科/鹿児島県)第2位 吉村 洋文氏新型コロナウイルス感染拡大で各首長のリーダーシップが求められるなか、1975年生まれ45歳の大阪府知事はスピード感のある対応や発信力の高さで注目を集めました。ポピドンヨード入りのうがい薬を推奨した件では批判を浴びましたが、「何とか状況を改善しようと先頭に立って行動している」と評価する声が多く上がりました。 「吉村 洋文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)誤った情報もあるが、責任ある立場でより良い方向を目指している姿勢が伝わるから。(30代 小児科/大阪府)第一波の時の対応の早さは今までの日本の政治家ではあまり見られなかったと思う。(40代 泌尿器科/兵庫県)フットワーク良く決断力がある。(40代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都府)第3位 菅 義偉氏第2次安倍政権が発足した2012年以降、長きにわたり官房長官を務めてきた菅氏が、安倍政権を引き継ぐ形で第99代内閣総理大臣に就任しました。突然の交代、そして新型コロナ感染症対応が求められる難しいタイミングでの就任となりましたが、官房長官としての第一波への対応経験に期待するコメントが多く寄せられました。 「菅 義偉」氏を選んだ理由(コメント抜粋)官房長官として初期対応から重責を担っていたから(20代 臨床研修医/滋賀県)安倍政権時代から比較的バランスのとれた政策、実行力が感じられた(40代 血液内科/宮城県)期待も込めて(40代 病理診断科/島根県)第4位 オードリー・タン(唐 鳳)氏 「オードリー・タン」氏を選んだ理由(コメント抜粋)封じ込めに成功した台湾のキーマンである。(40代 神経内科/茨城県)日本のITがいかに遅れているのかを気づかせてくれた。(30代 臨床研修医/福岡県)若くて頭も切れて素晴らしい。(40代 皮膚科/群馬県)第5位 蔡 英文氏 「蔡 英文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)民主主義的な手法でコロナ収束に導いた。(30代 内科/広島県)初期のコロナ対策は見事。(30代 心療内科/東京都 他多数)★アンケート概要★アンケート名 :『2020年振り返り企画!さまざまな分野の「今年の人」を挙げてください』実施日    :2020年11月12日~19日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

178.

医師が選ぶ「2020年の顔」TOP5!(文化・芸能人、コメンテーター部門)【ケアネット医師会員アンケート結果発表】

新型コロナの国内発生と流行、緊急事態宣言、東京五輪延期…本当にいろいろあった2020年―。今年を振り返ってみて思い浮かぶのは誰の顔でしょうか。ケアネットでは医師会員にアンケートを実施。535人の先生方にご協力いただき、選ばれた「今年の顔」は?今回は、文化・芸能人部門とコメンテーター部門のTOP5をご紹介します!医療人部門、政治家部門はこちら!文化・芸能人部門(敬称略)第1位 志村 けん最も多くの人が挙げたのが、新型コロナウイルス感染症で今年3月に死去した志村けんさんでした。幅広い年齢層に親しまれた偉大なコメディアンの突然の訃報は、大きく深い悲しみをもたらしただけでなく、国民レベルで新型コロナへの向き合い方を改める契機になるほどのインパクトを与えました。  「志村 けん」を選んだ理由(コメント抜粋)突然のことでとても驚いた。コロナの恐ろしさを身近に感じた。(40代 腎臓内科/大分県 他多数)新型コロナウイルスの危険性が一般に認知されるきっかけとなった。(30代 内科/東京都 他多数)お笑いのレジェンド。いつまでもいる人だと思っていた。(40代 脳神経外科/兵庫県 他多数)第2位 三浦 春馬まさに今を生きていた現役俳優の急逝も、多くの方の記憶に残ったようです。芸能界ではこの後、三浦さんのほかにも自ら命を絶つ人が相次ぎました。さまざまな憶測がメディアで報じられましたが、本当のこと、真相は誰にもわかりません。ただただ、彼らが持ち合わせた才能や輝きが失われたことが惜しまれます。 「三浦 春馬」を選んだ理由(コメント抜粋)自殺対策をやっている身としては印象的だった。(30代 精神科/福岡県 他多数)コロナ禍で自殺する人が増え、衝撃的だった。(20代 麻酔科/三重県 他多数)同世代の有名俳優だったから。(30代 臨床研修医/東京都)第3位 フワちゃん今回、唯一明るさを感じられたのが「フワちゃん」のランクインでした。お笑いタレントでYouTuberの彼女は、突き抜けた破天荒キャラが受けて今年大ブレイク。動けばバラエティー番組に取り上げられ、喋ればネットニュースの記事になるようなフルスロットルの活躍ぶりでした。実は、帰国子女で英語が堪能だったり、文学部で中国哲学を学んでいたり、という意外な二面性も。 「フワちゃん」を選んだ理由(コメント抜粋)ブームで、テレビで見ない日はなかった。(20代 糖尿病・代謝内分泌科/青森県 他多数)どの番組にも出演している印象(40代 消化器内科/京都府 他多数)インパクトがすごい(30代 病理診断科/東京都)第4位 竹内 結子 「竹内 結子」を選んだ理由(コメント抜粋)人気女優で、よくドラマを観ていた(40代 内科/東京都 他多数)突然の訃報で、あまりに衝撃だった(30代 呼吸器内科/茨城県 他多数)青春の一幕だった(40代 消化器内科/愛知県)第5位 渡部 建 「渡部 建」を選んだ理由(コメント抜粋)良くも悪くもニュースでよく見かけた(30代 内科/千葉 他複数)「不倫」で真っ先に思い浮かんだ(40代 小児科/沖縄)コメンテーター部門(敬称略)第1位 忽那 賢志新型コロナの最前線で診療に当たる臨床家の忽那先生が、「コメンテーター」として最も評価されたのは意外な感もありますが、Yahoo!ニュースでの詳細かつ明快なコロナ解説記事や、メディアに対する丁寧な取材対応をご覧になった先生方には、納得の第1位なのでしょう。CareNet.comにも不定期ですが連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」掲載中ですので、この機会にぜひ! 「忽那 賢志」を選んだ理由(コメント抜粋)しっかりした科学的根拠に基づき、コメントに信頼性がある(50代 耳鼻咽喉科/三重県 他多数)臨床に従事しているので、コメントに偏りがない(40代 精神科/滋賀県 他多数)現場で得た知見を的確に提供してくれた印象(40代 糖尿病・代謝内分泌科/京都府 他複数)第2位 尾身 茂今年のメディア登場回数において、群を抜いた存在であることは間違いないでしょう。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長や分科会長として、医療者の知見や懸念を政府へ根気強く訴えると共に、国民に対してもわかりやすくかつ的確にメッセージを発信し続けてくださいました。 「尾身 茂」を選んだ理由(コメント抜粋)慎重ながら、必要時には信頼できるコメントが目立った(40代 血液内科/宮城県 他多数)コロナ対策に真摯に向き合っている姿勢(50代 産婦人科/大分県 他複数)コロナ関連で最もまともな発言、啓蒙をされていた(30代 整形外科/神奈川県)第3位 二木 芳人新型コロナを巡っては、多くの医療人がメディアでさまざまなコメントを述べてきましたが、ワイドショー番組などでも、出演者らの挑発(?)に乗ることなく、冷静に自身の見解を述べる姿に、医療人としての信頼性を感じた人も多かったのではないでしょうか。当たり前だけど大事なことをわかりやすく伝えられるコメントスキルも高評価だったようです。 「二木 芳人」を選んだ理由(コメント抜粋)コメントがとても受け入れやすくわかりやすい(30代 膠原病・リウマチ科/岡山県)落ち着いたトーンに好感(50代 消化器外科/茨城県)感染症対策にとどまらず、日本を俯瞰的に見ている(60代 循環器内科/佐賀県)第4位 岩田 健太郎 「岩田 健太郎」を選んだ理由(コメント抜粋)クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号を巡る対応とコメント(30代 救急科/北海道 他多数)コロナ関連で、データに基づいた解説をしてわかりやすかった(40代 病理診断科/島根県 他複数)第5位 岡田 晴恵 「岡田 晴恵」を選んだ理由(コメント抜粋)メディアでの露出がとても多かった印象(50代 内科/広島県 他多数)良くも悪くも発言がよく取り上げられていた(50代 耳鼻咽喉科/広島県)★アンケート概要★アンケート名 :『2020年振り返り企画!さまざまな分野の「今年の人」を挙げてください』実施日    :2020年11月12日~19日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

179.

生物学的DMARD抵抗性RA、ウパダシチニブvs.アバタセプト/NEJM

 生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)に抵抗性の関節リウマチ患者において、ウパダシチニブはアバタセプトと比較し、12週時の疾患活動性スコア(DAS28-CRP)のベースラインからの変化量および臨床的寛解率に関して優越性が認められた。ただし、重篤な有害事象の発現率は高かった。スイス・Cantonal Clinic St. GallenのAndrea Rubbert-Roth氏らが、24週間の多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第III相試験「SELECT-CHOICE試験」の結果を報告した。ウパダシチニブは経口選択的ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、関節リウマチの治療薬として用いられているが、bDMARD抵抗性の関節リウマチ患者において、T細胞選択的共刺激調節薬のアバタセプトと直接比較したウパダシチニブの有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2020年10月15日号掲載の報告。ウパダシチニブの有効性と安全性をアバタセプトと直接比較 研究グループは、2017年5月~2019年9月の期間に、bDMARDで効果不十分または不耐容の中等度~重度の活動性関節リウマチ患者を、ウパダシチニブ(1日1回15mg経口投与)群、またはアバタセプト(静脈内投与)群に1対1の割合で無作為に割り付け、いずれも従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARD)と併用投与した。 主要評価項目は、12週時の28関節とC-反応性蛋白(CRP)を用いて評価する疾患活動性スコア(DAS28-CRP:0~9.4、スコアが高いほど活動性が高いことを示す)のベースラインからの変化量の非劣性である。また、重要な副次評価項目は、12週時のDAS28-CRPのベースラインからの変化量、ならびに12週時の臨床的寛解率(DAS28-CRPが2.6未満を達成した患者の割合)の、アバタセプトに対するウパダシチニブの優越性とした。ウパダシチニブ、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成 合計ウパダシチニブ群303例、アバタセプト群309例において、ベースラインのDAS28-CRPはそれぞれ5.70、5.88であった。 12週時のDAS28-CRPのベースラインからの平均変化量は、ウパダシチニブ群-2.52、アバタセプト群-2.00であり、アバタセプト群に対するウパダシチニブ群の非劣性および優越性が検証された(群間差:-0.52点、95%信頼区間[CI]:-0.69~-0.35、非劣性のp<0.001、優越性のp<0.001)。また、12週時の臨床的寛解率は、ウパダシチニブ群30.0%、アバタセプト群13.3%であった(群間差:16.8ポイント、95%CI:10.4~23.2、優越性のp<0.001)。 24週間の投与期間中にウパダシチニブ群で死亡1例、非致死的脳卒中1例、静脈血栓塞栓症2例が報告された。肝機能異常(アミノトランスフェラーゼ値上昇)を認めた患者は、ウパダシチニブ群がアバタセプト群より多かった。 結果を踏まえて著者は、「関節リウマチ患者におけるウパダシチニブの有効性および安全性を検証するため、より長期で大規模な臨床試験が必要である」とまとめている。

180.

TNF阻害薬・MTX服用者、COVID-19入院・死亡リスク増大せず

 COVID-19の治療法確立には、なお模索が続いている。米国・ウェストバージニア大学のAhmed Yousaf氏らは、エビデンスデータが不足している生物学的製剤および免疫抑制剤のCOVID-19関連アウトカムへの影響を、多施設共同リサーチネットワーク試験にて調べた。5,351万人強の患者の医療記録を解析した結果、腫瘍壊死因子阻害薬(TNFi)および/またはメトトレキサート(MTX)曝露のあるCOVID-19患者は非曝露のCOVID-19患者と比べて、入院や死亡が増大しないことが示されたという。結果について著者は「COVID-19と生物学的製剤の使用に関する現行ガイドラインは、厳密な統計学的解析ではなく主として専門家の見解(opinion)に基づくものである。今回のわれわれの試験結果は、TNFiやMTXの使用を継続することを支持し、COVID-19関連アウトカムが不良となる可能性の懸念による治療の中断に異を唱えるものである」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年9月11日号掲載の報告。TNF阻害薬および/またはMTX治療群と非治療群を3万2,076例で比較 研究グループは、TNF阻害薬および/またはMTXを服用する患者について、COVID-19関連アウトカムのリスクが増大するかどうかを調べる大規模比較コホート試験を行った。 試験では、リアルタイム検索と解析で、COVID-19と診断された成人患者について、TNF阻害薬および/またはMTX治療群と非治療群を比較。入院および死亡の尤度を、交絡因子に関する傾向スコアマッチングの有無別群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・5,351万1,836例の患者記録を解析した。・そのうち3万2,076例(0.06%)が、2020年1月20日以降にCOVID-19に関連する診断を受けたことが記録されていた。・214例のCOVID-19患者が、TNF阻害薬またはMTXへの最近の曝露が確認され、3万1,862例のCOVID-19患者は、TNFiまたはMTXに非曝露であった。・傾向マッチング後、入院および死亡の尤度について、TNF阻害薬および/またはMTX治療群と非治療群で有意差はなかった。入院のリスク比は0.91(95%信頼区間[CI]:0.68~1.22、p=0.5260)、死亡のリスク比は0.87(0.42~1.78、p=0.6958)であった。・本検討は、すべてのTNF阻害薬が同様の影響をもたらすとは限らない、という点で限定的である。

検索結果 合計:463件 表示位置:161 - 180