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高齢化に伴い認知症の負担は増大しており、とくに糖尿病患者ではリスクが高いことが知られている。一方、LDLコレステロールは認知症の修正可能なリスク因子として注目されている。そこで、デンマーク・Copenhagen University Hospital-Herlev and GentofteのTummas Ternhamar氏らは、2型糖尿病診断後のスタチン開始時期と認知症リスクとの関連を検討した。その結果、診断後1年以内の「スタチン早期開始」が、全認知症リスクの有意な低下と関連することが示された。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、The Lancet Regional Health Europe誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。本研究は、デンマークの全国レジストリを用いた観察研究である。対象は、2006~19年に40歳超で2型糖尿病を発症した、スタチン未使用の13万2,585例。糖尿病診断日から、認知症、死亡、国外移住、診断後10年、または2021年12月31日のいずれか早い時点まで追跡した。Clone-Censor-Weight法を用いて、(1)診断後5年間スタチンを開始しなかった非投与群(対照)、(2)診断後1~5年に開始するスタチン後期開始群、(3)診断後1年以内に開始するスタチン早期開始群における認知症の発症率を解析した。主要評価項目は、死亡を競合リスクとして扱ったAalen-Johansen生存曲線に基づく10年時の全認知症リスクとし、副次評価項目として血管関連認知症(血管性認知症および詳細不明の認知症)およびアルツハイマー型認知症を評価した。主な結果は以下のとおり。・患者13万2,585例の内訳は、スタチン非投与群5万6,693例、スタチン早期開始群5万2,496例、スタチン後期開始群2万3,396例で、診断時の平均年齢はそれぞれ63.5歳、59.8歳、59.5歳であった。・追跡期間中央値は7.1年(四分位範囲[IQR]:3.8~9.9)で、全認知症は3,592例(2.7%)に発症した。血管関連認知症は2,532例(1.9%)、アルツハイマー型認知症は1,571例(1.2%)で、511例(0.4%)は両方の診断を受けていた。・全認知症の10年時の絶対リスクは、非投与群3.9%、早期開始群3.3%、後期開始群3.5%であった。・非投与群と比較した10年時の全認知症相対リスク(RR)は、早期開始群で15%低下(RR:0.85、95%信頼区間[CI]:0.79~0.91)、後期開始群で10%低下(RR:0.90、95%CI:0.85~0.97)であった。・10年時の絶対リスク差(対非投与群)は、早期開始群で0.59%ポイント低下(95%CI:0.34~0.86)、後期開始群で0.38%ポイント低下(95%CI:0.12~0.61)であった。・全認知症リスクは3年、5年、8年時でも非投与群で最も高く、次いで後期開始群、早期開始群の順に低かった(10年間の曲線比較:すべてp<0.001)。・血管関連認知症では早期開始群(絶対リスク差:0.61%ポイント低下)、後期開始群(同:0.44%ポイント低下)ともに段階的なリスク低下が認められたが、アルツハイマー型認知症では明確なパターンはみられなかった。本研究結果について著者らは、2型糖尿病患者におけるスタチン治療は認知症リスクの低下と関連し、その効果は早期に開始した患者で最も顕著であったとまとめている。