アルツハイマー病に対する9種の薬物療法の有効性比較〜ネットワークメタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/28

 

 依然として、アルツハイマー病は世界的な課題である。近年、アルツハイマー病に対する新規薬物療法が次々と承認されているが、これらの薬剤の認知機能に対する有効性の違いは、明らかになっていない。英国・Imperial College LondonのShanshan Huang氏らは、ネットワークメタ解析を用いて、アルツハイマー病患者における主要な認知機能アウトカムについて、プラセボと比較した9種類の薬物療法の有効性に関してランキングを行った。Journal of Alzheimer's Disease Reports誌2026年2月6日号の報告。

 対象研究は、アルツハイマー病患者を対象に新規薬物療法を評価したランダム化比較試験。2025年5月までに発表された研究をシステマティックに検索した。新規薬剤には、aducanumab、レカネマブ、ドナネマブ、gosuranemab、semorinemab、tilavonemab、zagotenemab、masupirdine、sodium oligomannateの9剤を含めた。主要評価項目は、臨床認知症評価尺度(CDR-SB)およびアルツハイマー病評価尺度の認知機能サブスケール(ADAS-cog)とした。副次的評価項目は、ミニメンタルステート検査(MMSE)とした。薬物療法ランキングは、累積順位曲線下面積(SUCRA)を用いて行った。

 主な結果は以下のとおり。

・33の治療群を含む15件のランダム化比較試験をネットワークメタ解析に含めた。
・主要評価項目において、プラセボに対する統計学的に有意な優位性を示した薬剤はなかった。
・semorinemabとtilavonemabは、SUCRAランキングで最高位を獲得した。しかし、統計学的に有意なペアワイズの優位性は認められなかった。
・MMSEについては、aducanumabはプラセボと比較し、わずかな平均差(1.98、95%信頼区間:0.03〜3.93)を示した。しかし、出版バイアスの存在が示唆されたため、信頼性は低かった。

 著者らは「現在のアルツハイマー病に対する新規薬物療法は、常にプラセボを上回る効果を示すわけではないことが明らかとなった。タウ標的抗体(semorinemab、tilavonemab)は、わずかな有望性を示しているものの、統計学的に有意ではなかった。Aducanumabについては、見かけ上の効果は出版バイアスによってゆがめられている可能性が高いと考えられた」とし「アルツハイマー病に対する新規薬物療法の開発には、さらなる大規模かつ厳密な無作為化比較試験および改良された前臨床モデルが不可欠である」としている。

(鷹野 敦夫)