腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:288

NSCLC1次治療のニボルマブ+低用量イピリムマブにおけるORR:PD-L1 1%以上 vs.1%未満(CheckMate-568)/JCO

 転移のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、ニボルマブと低用量イピリムマブ併用の効果と安全性を評価した、オープンラベル第II相CheckMate-568試験。  今回、米国・Duke University Medical CenterのNeal Ready氏らによる結果が、Journal of clinical oncology誌オンライン版2019年2月20日号に掲載された。ニボルマブ+低用量イピリムマブは、転移のある進行NSCLCの1次治療として有効かつ忍容性が高いことが示唆された。

最新鋭のがん患者用手引きHPで公開-静岡がんセンター

 近年、がん治療の分野では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新薬が次々に発売されている。また、多剤併用による治療、外来患者の増加により、治療・副作用対策の指導が複雑なものになりつつある。そんな折、2019年2月25日に静岡県立静岡がんセンターは、これらの問題を解決するべく、「処方別がん薬物療法説明書【患者さん向け】」をホームページ上に公表した。  この説明書は、抗がん剤治療の全貌がわかるように作成されている。そして、これを患者に渡すのは医師であり、がん薬物療法の決定後、治療前に患者へ手渡しされる。その後、薬剤師や看護師がその冊子を用いて、必要に応じて説明を行うそうだ。

オピオイド使用障害に持効性ブプレノルフィン注が有用/Lancet

 オピオイド使用障害治療の月1回皮下注薬であるRBP-6000(徐放性ブプレノルフィン:BUP-XR)について、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験の結果、プラセボと比較してオピオイド断薬率が有意に高く、忍容性も良好であることが示された。米国・Indivior社のBarbara R. Haight氏らが報告した。BUP-XRは、月1回投与によりオピオイド乱用の薬物嗜好を遮断するブプレノルフィン血中濃度を維持し、同時に離脱症状や渇望症状をコントロールすることから、医療現場ではBUP-XRの投与が中毒や乱用等も軽減することが期待されていた。Lancet誌2019年2月23日号掲載の報告。

糖尿病患者への禁煙指導/糖尿病学の進歩

 喫煙は、血糖コントロール悪化や糖尿病発症リスク増加、動脈硬化進展、がんリスク増加などの悪影響を及ぼす。禁煙によりこれらのリスクは低下し、死亡リスクも減少することから禁煙指導は重要である。3月1~2日に開催された第53回糖尿病学の進歩において、聖路加国際病院内分泌代謝科の能登 洋氏が「喫煙と糖尿病合併症」と題して講演し、喫煙と糖尿病発症・糖尿病合併症・がんとの関連、禁煙指導について紹介した。  糖尿病患者の喫煙率は、日本の成人における喫煙率とほぼ同様で、男性が31.9%、女性が8.0%と報告されている。男女ともに30代がピークだという。

ごく早期に発現するがん悪液質の食欲不振とグレリンの可能性/JSPEN

 本年(2019年)2月、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会(JSPEN2019)が開催された。その中から、がん悪液質に関する発表について、日本緩和医療学会との合同シンポジウム「悪液質を学ぶ」の伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏、教育講演「がんの悪液質と関連病態」の鹿児島大学大学院 漢方薬理学講座 乾 明夫氏の発表の一部を報告する。  伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏は「がん悪液質の病態評価と治療戦略」の中で次のように発表した。

新規抗体薬物複合体、難治性の転移TNBCに有効/NEJM

 開発中のsacituzumab govitecan-hziyは、2レジメン以上の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の3分の1に客観的奏効をもたらし、奏効期間中央値は7ヵ月以上に及ぶことが、米国・マサチューセッツ総合病院のAditya Bardia氏らが実施した第I/II相試験(IMMU-132-01試験)で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月21日号に掲載された。前治療歴のあるTNBC患者では、標準化学療法は奏効率が低く、無増悪生存(PFS)期間が短いことが知られている。本薬は、ヒト栄養膜細胞表面抗原2(Trop-2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体に、トポイソメラーゼI阻害薬イリノテカンの活性代謝産物であるSN-38を、切断可能なリンカーで結合させた抗体薬物複合体であり、腫瘍に高濃度のSN-38を送達できるという。

NSCLCの4ドライバー遺伝子を同時診断、オンコマインに追加承認

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療の選択において、これまで多くの検査時間と検体量を用いながら1つずつ診断してきた複数のドライバー遺伝子を、一度の解析で同時診断することが可能になる。サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は2月26日、次世代シーケンシング(NGS)技術を用いた遺伝子診断システム「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」の対象を、NSCLCの4ドライバー遺伝子に拡大し、8種類の分子標的薬治療の適応判定を可能とする一部変更承認を厚生労働省より取得したことを発表した。

がんマネジメントに有用な栄養療法とは?

 2019年2月14、15日の2日間にわたり、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会が開催された。1日目のシンポジウム3「がんと栄養療法の実際-エビデンス?日常診療?」(司会:比企 直樹氏、鍋谷 圭宏氏)では、岡本 浩一氏(金沢大学消化器・腫瘍・再生外科)が「食道がん化学療法におけるCAWLと有害事象対策としての栄養支持療法」について講演。自施設での食道がん化学療法におけるがん関連体重減少(CAWL)・治療関連サルコペニア対策としての栄養支持療法について報告した。

外来がん患者でのリバーロキサバンの血栓予防効果/NEJM

 Khoranaスコアが2以上の高リスク外来がん患者に対し、リバーロキサバンの投与により、試験期間180日間において、静脈血栓塞栓症や静脈血栓塞栓症による死亡などのリスクに有意な低下はみられなかったことが報告された。一方でリバーロキサバン投与期間中については、同イベントの発生は約6割低下し、重大出血の発生も低かった。米国・クリーブランドクリニックのAlok A. Khorana氏らが、800例超を対象に行った第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年2月21日号で発表した。全身性のがん治療を受けている外来患者は、静脈血栓塞栓症について異なるリスクが認められる。一方で、これらの患者の血栓予防のベネフィットについては確認されていなかった。

EGFR変異陽性NSCLC1次治療の新たな選択肢ダコミチニブ

 ファイザー株式会社は、ダコミチニブの承認にあたり、本年(2019年)2月、都内で記者会見を開催した。その中で近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 中川 和彦氏と国立がん研究センター中央病院 先端医療科長/呼吸器内科 山本 昇氏がEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)治療とダコミチニブについて紹介した。  2000年時点のNSCLCの標準治療はプラチナ併用化学療法で、当時の全生存期間(OS)は約1年だった。昨年、オシメルチニブが1次治療薬に承認となったEGFR変異陽性NSCLCは、無増悪生存期間(PFS)でさえ19.1ヵ月1)となった。EGFR-TKI、化学療法と治療選択肢が増えるなか、「EGFR陽性NSCLCの今の問題は、治療シーケンスである」と、中川氏は述べる。