腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

多発性骨髄腫の維持療法、2年vs.無期限/NEJM

 新規に多発性骨髄腫と診断され、初回治療として自家造血幹細胞移植が非適応の標準リスクの患者における、導入療法後の維持療法の投与期間について、無期限投与は固定期間(2年間)投与と比較し全生存期間(OS)を有意に延長しなかった。米国・Mayo ClinicのShaji Kumar氏らが、無作為化第III相試験「ENDURANCE試験」の結果を報告した。現行治療では、レナリドミドによる維持療法は病勢進行までとされているが、最適な投与期間について明らかにされていなかった。NEJM誌2026年7月16日号掲載の報告。

がん患者の肺塞栓症診断、YEARSアルゴリズムは有効か?/JAMA

 がん患者における肺塞栓症(PE)の診断戦略について、YEARSアルゴリズムの使用はCT肺動脈造影(CTPA)のみ使用の場合と安全性は同等であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBram Akerboom氏らHydra Study Investigatorsが実施した研究者主導の無作為化非盲検非劣性試験「Hydra試験」の結果で示された。同試験において22%の患者がYEARSアルゴリズムの使用でCTPAの実施を回避できたことも示された。YEARSアルゴリズムは、急性PEを除外する安全かつ効率的な方法とされているが、がん患者における精度に関する確固たるエビデンスは不足しており、現行のガイドラインでは直接CTPAを行うことが推奨されている。JAMA誌オンライン版2026年7月12日号掲載の報告。

脂肪肝は大腸がんの予後不良な肝転移を促進する?

 脂肪性肝疾患(脂肪肝)を有する大腸がん患者では、予後不良なタイプの肝転移が発生しやすいことが、新たな研究で示唆された。研究グループは、「この研究は、がんの進展が、腫瘍細胞そのものだけでなく、脂肪肝に伴う代謝環境の変化による影響も受ける可能性を示したものであり、患者の代謝状態に合わせた個別化治療の開発につながる可能性がある」との見解を示している。VIB-KU Leuven Center for Cancer Biology(ベルギー)のSarah-Maria Fendt氏らによるこの研究の詳細は、7月1日付で「Nature」に掲載された。

閉経前女性のホルモン避妊薬使用、大腸がんと関連なし/BMJ

 現代のホルモン避妊薬の現在または最近の使用は、大腸がん発症リスクに影響を及ぼさなかったことを、デンマーク・Danish Cancer InstituteのIsabella H. Lange氏らが、同国レジストリーを用いたコホート研究の結果で報告した。ホルモン避妊薬は、卵巣がんや子宮内膜がんのリスクを低減させる一方、乳がんのリスクを高めることが知られている。しかしながら大腸がんとの関連については依然として限定的で一貫性がなく、とくに現代のホルモン避妊薬(新規プロゲスチン、プロゲスチン単剤、非経口製剤を含む)が大腸がんのリスクに与える影響は明らかにされていなかった。

高用量ビタミンDでがん治療関連皮膚障害が改善する可能性

 化学療法や放射線療法に伴う皮膚障害は、疼痛や灼熱感、紅斑などによって患者のQOLを大きく低下させるだけでなく、抗がん治療の減量や中断の原因となる。今回、高用量ビタミンD内服により、化学療法・放射線療法関連皮膚障害が改善する可能性が示された。イリノイ大学(米国)のMihir K. Patil氏らによる本研究結果は、JAMA Dermatology誌オンライン版2026年7月15日号に掲載された。  本研究は2021年12月~2024年1月に米国の3つの医療機関で実施された後ろ向きケースシリーズだった。対象は化学療法誘発性紅斑(toxic erythema of chemotherapy:TEC)または急性放射線皮膚炎(acute radiation dermatitis:ARD)に対して高用量ビタミンDを投与され、10日間以上の追跡が可能であった33例だった。

進行卵巣がんにおけるカルボプラチン腹腔内投与の位置付け/日本婦人科腫瘍学会

 2025年12月に卵巣がんの1次化学療法としてカルボプラチンの腹腔内(IP)投与が保険収載された。本年(2026年)7月に開催された第68回日本婦人科腫瘍学会学術講演会では、同がんにおけるIPカルボプラチンの可能性について、岡山大学の長尾 昌二氏が最新の臨床知見を基に紹介した。  PARP阻害薬や抗体薬物複合体(ADC)の登場により急速に変化する卵巣がん治療においてIP化学療法はどのような役割を担えるのか。長尾氏が研究代表者を務めたiPocc試験は、カルボプラチン腹腔内投与の有効性を前向き無作為化比較試験で証明し、世界的にも高く評価されている。その成果はNEJM Evidence誌に掲載され、日本におけるIPカルボプラチンを保険収載に導いた。

HER2+局所進行/転移乳がんへの二重HER2阻害療法と併用の1次化学療法、エリブリンvs.タキサンの最終OS解析(JBCRG-M06/EMERALD)/ESMO Open

 HER2陽性(HER2+)局所進行/転移乳がんに対して、二重HER2阻害療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ)と併用する1次化学療法として、エリブリンと医師選択のタキサンを比較した第III相JBCRG-M06/EMERALD試験の最終解析の結果、全生存期間(OS)中央値が6年を超え、2群間に有意差は認められなかったことが示された。福島県立医科大学の佐治 重衡氏らがESMO Open誌8月号に報告した。本試験ではすでに、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)においてエリブリンがタキサンに非劣性を示したことが報告されている。

進行胆道がん、デュルバルマブ+ゲムシタビン+シスプラチン療法の長期生存利益と一貫した安全性を確認(TOPAZ-1)

 切除不能または転移のある胆道がんに対するデュルバルマブとゲムシタビン+シスプラチン(GC)併用療法の有用性を示した第III相TOPAZ-1試験について、事後解析結果が報告された。事後解析結果が報告された。4年超の追跡においてデュルバルマブ併用群はプラセボ併用群と比較して長期生存利益を維持し、4年生存率は約3倍に達した。ソウル国立大学病院(韓国)のDo-Youn Oh氏らによる本研究は、JAMA Oncology誌オンライン版2026年7月9日号に掲載された。  胆道がんは予後不良であり、多くの患者は切除不能あるいは遠隔転移を伴った状態で診断される。

高齢の転移TN乳がん患者におけるSGの有用性~国際共同リアルワールド研究

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の高齢患者に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)の臨床成績を評価した国際共同リアルワールド研究の結果を、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie National Research Institute of OncologyのAleksandra Konieczna氏らが報告した。このリアルワールド集団において、SGを投与された65歳以上の患者のアウトカムは若年患者と同等以上であり、重篤な有害事象の明らかな増加は認められなかった。Oncologist誌オンライン版2026年7月20日号に掲載。

抗TROP-2 ADCはTROP-2発現レベルで効果が変わるか

 抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)は、転移乳がんの治療薬として有効性を示しているが、患者のTROP-2の発現レベルによって効果がどの程度異なるかは明らかではなかった。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberto Buonaiuto氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析により、抗TROP-2 ADCは転移乳がんの無増悪生存期間(PFS)を有意に改善するが、その治療効果はTROP-2発現レベルが高い患者でより顕著であることが示された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2026年7月10日号掲載の報告。