近年、グレリン様作用薬が、がん患者の悪液質症状の改善・軽減効果を示すことが大規模臨床試験で報告され注目を浴びている。そのような中、がん悪液質とグレリンの関係について、日本臨床栄養学会総会・日本臨床栄養協会総会の第16回大連合大会において、国立がん研究センター東病院の光永 修一氏が発表した。
がん悪液質は「通常の栄養サポートでは完全に回復することが困難で、進行性の機能障害をもたらし、著しい筋組織の減少を特徴とする複合的な代謝機能障害」(EPCRCガイドライン)と定義される。診断については、「(がん患者における)過去6ヵ月間で5%を超える体重減少がある」「BMI 20未満の患者で2%を超える体重減少がある」または「2%を超える体重減少とサルコペニアを認める」という基準が国際的コンセンサスを得ている。