LVEF軽度低下の心筋梗塞、β遮断薬の有用性は?/Lancet
左室駆出率(LVEF)が低下した(<40%)心筋梗塞患者では、β遮断薬の有効性を強く支持するエビデンスがあるが、LVEFが低下していない(≧40%)心筋梗塞患者へのβ遮断薬療法に関しては、最近の4つの無作為化試験の結果は一致せず(有益性を認めたのは1試験のみ)、LVEFが軽度低下した(40~49%)サブグループにおける治療効果についてはどの試験も検出力不足であった。スペイン・Centro Nacional de Investigaciones Cardiovasculares Carlos III(CNIC)のXavier Rossello氏らは、LVEF軽度低下の心筋梗塞入院患者におけるβ遮断薬の有効性の評価を目的に行った個別の患者データを用いたメタ解析を実施。心不全の既往歴や臨床徴候がないLVEF軽度低下を伴う急性心筋梗塞患者において、β遮断薬療法は全死因死亡、新規心筋梗塞、心不全の複合エンドポイントの発生を減少させたことを示した。研究の成果は、Lancet誌2025年9月13日号で発表された。