医療一般|page:1

国内WATCHMANの左心耳閉鎖術の現状(J-LAAO)/日本心臓病学会

 2019年9月より経皮的左心耳閉鎖デバイスWATCHMANが保険適用となり、それと同時に本邦の患者を対象としたJ-LAAOレジストリがスタートした。それから6年が経ち、これまでに7,690例が登録されてきた。その間にデバイスも進化を遂げ、今では3代目となるWATCHMAN FLX Proが主流となり、初期と比べより安全に左心耳閉鎖が実施できるようになってきている。第73回日本心臓病学会学術集会(9月19~21日開催)のシンポジウム「循環器内科が考える塞栓症予防-左心耳閉鎖、PFO閉鎖、抗凝固療法-」では、草野 研吾氏(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部長)が「我が国の左心耳閉鎖術の現状-J-LAAOレジストリからの報告-」と題し、2025年3月までに登録された日本人におけるWATCHMAN最新モデルを含めた安全性・有効性を報告した。

嚥下障害を起こしやすい薬剤と誤嚥性肺炎リスク

 飲食物を飲み込む機能障害である嚥下障害は、さまざまな疾患や薬物の副作用により引き起こされる可能性があり、誤嚥性肺炎のリスク因子となっている。しかし、嚥下障害を引き起こす特定の薬剤やその発現率については、これまで十分に解明されていなかった。慶應義塾大学の林 直子氏らは、添付文書の情報に基づき、嚥下障害に関連する薬剤およびその発現率、これらの薬剤を服用している患者における誤嚥性肺炎のリスク因子を特定するため、日本のレセプトデータベースの横断的分析を行った。Drugs-Real World Outcomes誌オンライン版2025年9月19日号の報告。  本研究では、嚥下障害誘発薬剤の候補(candidate dysphagia-inducing drug:CDID)を、副作用として嚥下障害が記載されている日本の添付文書より特定した。CDIDを服用している患者の年齢、性別、服用薬、併存疾患について、ジャムネットのJammNet保険データベースを用いて分析した。

日本人高齢者の笑いの頻度とうつ病発症との関係

 笑いは、精神的および身体的な健康の有益性と関連するといわれている。しかし、日常生活における笑いがうつ病の予防に有効かどうかに関する縦断的なエビデンスは、依然として限られている。東北大学の玉田 雄大氏らは、日常生活における笑いの頻度が高齢者のうつ病発症リスクと関連しているかどうかを検証するため、6年間の縦断研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2025年9月4日号の報告。  6年間にわたる3-waveコホートである日本老年学的評価研究(JAGES)に参加した65歳以上の日本人3万2,666例のデータを分析した。笑いの頻度は、2019年に自記式質問票を用いて評価した。回答カテゴリーは、「ほぼ毎日」「1~5日/週」「1~3日/月」「まったくない、またはほとんどない」とした。2016~22年のうつ病発症の定義には老年うつ病尺度を用いた。2016年に測定された潜在的交絡因子でコントロールしたうえで、修正ポアソン回帰モデルを用いて調整リスク比(aRR)と95%信頼区間(CI)を算出した。

口腔内の細菌が膵臓がんの一因に?

 膵臓がんのリスクは口の中に生息する微生物と関係している可能性があるようだ。歯周病に直接関係する微生物も含め、27種類の細菌や真菌が膵臓がんリスクと有意に関連し、これらの微生物に基づいて構築された微生物リスクスコア(MRS)が1標準偏差(SD)上昇するごとに、膵臓がんリスクが3倍以上高まることが、新たな研究で示された。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のRichard Hayes氏らによるこの研究結果は、「JAMA Oncology」に9月18日掲載された。Hayes氏は、「歯磨きとフロスの使用は、歯周病を予防するだけでなく、がんの予防にも役立つ可能性のあることが、これまで以上に明らかになってきた」と述べている。

デジタルピアサポートアプリがニコチンガムの禁煙効果を後押し

 ニコチンガムは禁煙に一定の効果を示すものの、その禁煙成功率は十分とは言えない。今回、企業の健康保険組合加入者を対象とした非ランダム化比較試験で、ニコチンガムにデジタルピアサポートアプリを組み合わせることで、禁煙成功率が有意に向上することが示された。研究は、北里大学大学院医療系研究科の吉原翔太氏らによるもので、詳細は「JMIR mHealth and uHealth」に8月19日掲載された。

国が進める医療DX、診療や臨床研究の何を変える?~日本語医療特化型AI開発へ

 内閣府主導の国家プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」では、分散したリアルワールドデータの統合とデータに基づく医療システムの制御を目指し、日本語医療LLM(大規模言語モデル)や臨床情報プラットフォームの構築、患者・医療機関支援ソリューションの開発などを行っており、一部はすでに社会実装が始まっている。2025年9月3日、メディア勉強会が開催され、同プログラム全体のディレクターを務める永井 良三氏(自治医科大学)のほか、疾患リスク予測サービスの開発および受診支援・電子カルテ機能補助システムの開発を目指すグループの代表を務める鈴木 亨氏(東京大学医科学研究所)・佐藤 寿彦氏(株式会社プレシジョン)が講演した。

急性期~維持期統合失調症に対するブレクスピプラゾールのベストプラクティスに関するコンセンサス

 ブレクスピプラゾールは、統合失調症などに適応を有する第2世代抗精神病薬であり、ドパミンパーシャルアゴニストとして他の抗精神病薬と異なる作用機序を有している。米国・Zucker Hillside HospitalのChristoph U. Correll氏らは、大塚ファーマシューティカルヨーロッパおよびH. Lundbeck A/Sからの資金提供を受けて組織された精神科専門家による国際委員会において実施された、統合失調症のさまざまな段階におけるブレクスピプラゾールの安全かつ効果的な使用法についての議論を報告した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2025年8月29日号の報告。

がん手術後の遠隔モニタリングは患者の回復を助ける

 手術後のがん患者に対する遠隔モニタリングは、機能回復や症状改善に有効であることが新たな研究で示された。医療チームが遠隔で症状を追跡した患者は、手術からより早く回復したという。米マイアミ大学シルベスター総合がんセンターのTracy Crane氏らによるこの研究結果は、「npj Digital Medicine」に8月28日掲載された。Crane氏は、「退院後の最初の2週間は極めて重要だ。遠隔ケアは、病院と自宅の間の溝を埋め、問題を早期に発見し、回復をサポートするのに役立つ」と話している。  この研究では、消化器がん、泌尿・生殖器がん、婦人科がんに対する大規模な腹部または骨盤手術を受ける患者293人を対象にランダム化比較試験を実施し、周術期の遠隔モニタリングの有効性を検討した。対象患者は、スマートフォン(以下、スマホ)のアプリによる遠隔モニタリングを受ける群と、手術のみを受ける群(対照群)にランダムに割り付けられた。両群とも手首に活動量計を装着して歩数などの機能的活動量を測定するとともに、手術前と退院後7・14・30・60・90日目にモバイルアプリを通じて症状を報告したが、遠隔モニタリング群では、トリアージ看護師が患者の症状と歩数データを追跡し、問題があると判断した際には患者に連絡を取った。一方、対照群では、基準値を外れた場合には病院に電話するよう促す自動メッセージが患者に送られた。

複数種類のがんを調べる血液検査、有用性を判断するには時期尚早

 血液サンプルを用いて複数種類のがんの有無を検査する多がん検出(multicancer early detection;MCD)検査(以下、MCD検査)は、目に見えない腫瘍を発見できる可能性があるため、大きな注目を集めている。しかし、MCD検査によるスクリーニングのベネフィットを評価した、完了した対照試験は存在せず、この検査法の有効性を判断するには時期尚早であるとする研究結果が発表された。米RTI-ノースカロライナ大学Evidence-based Practice Centerの最高医療責任者代理であるLeila Kahwati氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」に9月16日掲載された。  MCD検査は、未検出の腫瘍から血液中に放出されたDNAやタンパク質、その他の生化学物質を検出することで、がんの有無を判定する。MCD検査のいくつかは、医師の診断書があれば製造元からオンラインで注文できる。ただし、いずれも米食品医薬品局(FDA)の承認を受けていない。

メトホルミンの使用が過体重・肥満成人の認知症・死亡リスク低下と関連

 メトホルミンが処方されているBMI25以上の過体重または肥満の成人では、BMIカテゴリーにかかわらず、認知症および全死亡のリスクが低いことを示すデータが報告された。台北医学大学(台湾)のYu-Liang Lin氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes, Obesity and Metabolism」に8月6日掲載された。  メトホルミンは多くの国で2型糖尿病の第一選択薬として古くから使用されており、血糖降下以外の副次的作用に関するエビデンスも豊富。同薬の副次的作用の一つとして、認知症のリスクを抑制する可能性が示唆されている。Lin氏らは、メトホルミンが処方されることの多い過体重または肥満を有する患者における、認知症罹患率および全死亡率に関する長期的なデータを解析し、同薬の使用がそれらのリスク低下と関連しているか否かを検討した。

トイレでのスマホ使用は痔のリスクを高める

 トイレにいる間にスマートフォン(以下、スマホ)でニュースや電子メール、ソーシャルメディアをチェックしている人は、注意した方が良いようだ。トイレでのそのような行動は、痔の発症リスクを高める可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。トイレでスマホを使う人は使わない人に比べて、痔の発症リスクが46%高いことが示されたという。米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのTrisha Pasricha氏らによるこの研究結果は、「PLOS One」に9月3日掲載された。  研究グループは、トイレでスマホを使用していると、無意識のうちに滞在時間が長くなって肛門への圧力が高まり、それが痔の原因になる可能性があると説明している。Pasricha氏は、「スマホと現代の生活様式が健康に及ぼすさまざまな影響については、まだ全てが判明しているわけではない。トイレの中での使用など、スマホの使い方や使う場所によっては予期せぬ結果をもたらす可能性がある」と話している。

平均寿命が100歳になることはない?

 100歳まで生きたいと願う人にとっては悪いニュースだが、近い将来、人々の平均寿命が100歳を超えることはないようだ。新たな研究で、20世紀前半に高所得国において達成された平均寿命の延長ペースが大幅に鈍化し、その結果、1939年以降に生まれた世代の平均寿命が100歳に達することはないと予想されたのだ。米ウィスコンシン大学マディソン校ラ・フォレット公共政策学部のHector Pifarre i Arolas氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に8月25日掲載された。

肥満者の約半数は肥満の相談を医療機関にしたくないと回答/ノボ

 ノボノルディスクファーマは、2021年度より実施している日本人9,400人(20~75歳)を対象とした、「肥満」と「肥満症」に関する意識実態調査の2025年度版を発表した。その結果、肥満症の認知率は13.0%と大きく進展した一方で、自身の肥満について「(医療機関へ)相談したくない」と回答した人は50.5%と、医療機関への相談意向は高くないことが判明した。

9種類の第2世代抗精神病薬に関連する血清プロラクチン上昇パターン

 抗精神病薬に伴うプロラクチン上昇は、統合失調症患者の服薬アドヒアランスおよび長期治療アウトカムに重大な影響を及ぼす。現在入手可能なデータでは、抗精神病薬を服用している患者におけるプロラクチン上昇のモニタリングとマネジメントを実践するには、不十分である。中国・上海交通大学のLei Zhang氏らは、実臨床における9種類の第2世代抗精神病薬(SGA)に関連するプロラクチン上昇パターンを調査し、プロラクチン上昇リスクを比較するため、本研究を実施した。CNS Drugs誌オンライン版2025年8月19日号の報告。  2007〜19年の中国の大規模メンタルヘルスセンターの入院患者における電子カルテのデータを用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。対象は、統合失調症と診断され(ICD-10基準)、SGA治療を行い、血清プロラクチン値を測定した患者。9種類のSGA(amisulpride、リスペリドン、パリペリドン、ziprasidone、オランザピン、ペロスピロン、クエチアピン、クロザピン、アリピプラゾール)の多剤併用療法および単剤療法を含む投与量を収集した。主要アウトカムは、入院患者におけるプロラクチン上昇の発現率とした。9種類のSGAにおけるプロラクチン上昇のハザード比(HR)を比較するために、調整層別Cox比例ハザード回帰分析を用いた。さらに、これらのSGAについて、規定1日用量(DDD)法を用いて用量反応解析を実施した。用量区分は、0.6DDD/日未満(低用量)、0.6~1.1DDD/日未満(中用量)、1.1DDD/日以上(高用量)とした。

歯肉炎の改善に亜鉛が影響?

 歯周病は心血管疾患や糖尿病、脳梗塞などの疾患リスクに影響を及ぼすことが示唆されている。今回、トルコ・Cukurova UniversityのBahar Alkaya氏らは、歯周病の初期段階とされる歯肉炎の管理において、歯科用の亜鉛含有ステント(マウスピース型器具)が機械的プラークコントロールの補助として有益であることを示唆し、歯肉炎が亜鉛によって改善したことを明らかにした。  本研究は、歯肉炎患者での歯肉の炎症、出血、歯垢の再増殖に対する亜鉛含有ステントの効果を調査したもの。Cukurova Universityにおいて、全身的に健康な18~30歳の歯肉炎患者42例を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。参加者は試験群(亜鉛含有ステント)または対照群(プラセボステント)に割り付けられ、歯石除去後4週間、毎日12時間以上にわたって器具を装着するよう指示された。評価項目は歯肉炎指数(GI、プラーク指数(PI)、プロービング時の出血(BOP)などで、ベースライン時、2週目、4週目、8週目に評価が行われた。統計解析にはIBM SPSSおよびRStudioの統計ソフトウェアが用いられた。

頭部への衝撃で若いアスリートのニューロンが喪失

 新学期を迎え、若いアスリートが再び学校や大学のグラウンドに出る季節となった。こうした中、身体の接触を伴うコンタクトスポーツへの参加で若いアスリートたちの貴重な脳の力が犠牲になり得ることが、新たな研究で示された。アメリカンフットボールやサッカー、アイスホッケーなどのスポーツをしている若いアスリートでは、頭部衝撃を繰り返し受けることでニューロン(脳神経細胞)の減少や炎症、脳血管の損傷が引き起こされる可能性のあることが明らかになったという。米国立衛生研究所(NIH)などの資金提供を受けて米ボストン大学CTEセンターのJonathan Cherry氏らが実施したこの研究の詳細は、「Nature」に9月17日掲載された。

将来的には点眼薬で老眼を改善できるかも?

 1日に2~3回使用する点眼薬が、将来的には老眼鏡に取って代わる老眼対策の手段となる可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。点眼薬を使用した人のほとんどが、視力検査で使用されるジャガーチャート(以下、視力検査表)を2、3行以上余分に読めるようになっただけでなく、このような視力の改善効果が2年間持続したことが確認されたという。老眼先端研究センター(アルゼンチン)センター長であるGiovanna Benozzi氏らによるこの研究結果は、欧州白内障屈折矯正手術学会(ESCRS 2025、9月12~16日、デンマーク・コペンハーゲン)で発表された。  この点眼薬には、瞳孔を収縮させ、近見の焦点を調節する筋肉を収縮させるピロカルピンと、ピロカルピン使用に伴う炎症や不快感を軽減するNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)のジクロフェナクという2種類の有効成分が含まれている。研究グループは、766人(平均年齢55歳、男性393人、女性373人)を対象に、異なるピロカルビン濃度(1%、2%、3%)の点眼薬を投与する3つのグループに分けて、その有効性を調べた。対象者は、最初に点眼薬を投与されてから1時間後に老眼鏡なしで視力検査表をどの程度読めるかをテストし、その後2年間にわたって追跡調査を受けた。

実験段階のデバイスが筋肉のパフォーマンスをリアルタイムでフィードバック

 実験段階にあるワイヤレスデバイスが、アスリートの筋肉の断裂や捻挫、筋損傷からの回復の一助となる可能性があることを示唆する新たな研究の結果が明らかになった。米デューク大学機械工学・材料科学分野のXiaoyue Ni氏らによるこの研究の詳細は、「Science Advances」9月3日号に掲載された。  このデバイスは体表面に音波を送り、それによって生じた振動を検出することで、組織の硬さを測定できるという。Ni氏らは、「ちょうど、絵を壁に掛けるときに、間柱を探そうとして壁をたたくのと同じだ。間柱のない所をたたくと低い音がするが、間柱のある所をたたくとより高い音がする」と話す。同氏らによると、組織の硬さは医師にとって重要な情報であり、がんの診断や蘇生、筋肉損傷など、さまざまな問題の把握に役立つという。しかし現状では、組織の硬さを測定するには大型で高価な超音波装置が必要である。

糖尿病患者の飲酒は肝がんリスク大幅増、茶によるリスク低下は限定的

 糖尿病の有無別にアルコールおよび茶の摂取と肝がん発症リスクとの関連を検討した前向きコホート研究の結果、アルコール摂取はとくに糖尿病患者で肝がんリスクを大きく高めることが確認された一方で、茶の摂取による肝がんリスク低下効果は非糖尿病患者に限られたことが、中国・清華大学のXiaoru Feng氏らによって明らかになった。Nutrients誌2025年9月4日号掲載の報告。  一部の研究では少量のアルコール摂取は肝がんリスクを下げる可能性が報告されているが、高頻度・大量のアルコール摂取は肝がんリスクを上昇させることが多くの研究で示されている。茶の摂取は肝がんリスク低下に関連する可能性があるとする研究がある一方で、有意な関連を認めない研究も多く、結論は一様ではない。また、糖尿病患者は代謝異常のためにアルコールや茶のの影響を受けやすく、それが肝がんのリスクに関与している可能性もある。そこで研究グループは、大規模かつ長期の追跡調査を行い、アルコールおよび茶の摂取と肝がん発症との関連を、糖尿病の有無別に評価した。

利尿薬による電解質異常、性別・年齢・腎機能による違いは

 高血圧や心不全の治療に広く用いられる利尿薬には、副作用として電解質異常がみられることがあり、これは生命を脅かす可能性がある。これまでの研究では、利尿薬誘発性の電解質異常は女性に多く発現することが示唆されている。電解質バランスは腎臓によって調節されており、腎機能は加齢とともに低下する傾向がある。慶應義塾大学の間井田 成美氏らは、性別、腎機能、年齢が利尿薬誘発性の電解質異常の感受性に及ぼす影響を考慮し、利尿薬の副作用リスクが高い患者を特定するため本研究を実施した。Drug Safety誌2025年10月号の報告。  日本の利尿薬服用患者6万7,135例のレセプトデータをDeSCヘルスケアから入手し、2020年4月~2021年3月のデータを分析対象とした。