難治性肺MAC症へのベダキリン、培養陰性化を改善(TMC207NTM3002)/ATS2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/28

 

 肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)のうち、Mycobacterium avium complex(MAC)を原因菌とする肺MAC症では、多剤併用療法を6ヵ月以上実施しても細菌学的効果が不十分な患者を難治例としている。難治性肺MAC症の治療選択肢は限られている。ジアリルキノリン系抗菌薬であるベダキリンは、多剤耐性結核に対する併用療法の一部として用いられており、MACに対してin vivoでの活性も報告されている。そこで、難治性肺MAC症に対するベダキリンの有効性および安全性を検討することを目的として、国際共同第II/III相無作為化比較試験「TMC207NTM3002試験」が実施された。その結果、24週時点の喀痰培養陰性化率は、対照群と比較してベダキリン群で有意に高かった。米国胸部学会国際会議(ATS2026 International Conference)において、森本 耕三氏(公益財団法人結核予防会 複十字病院 呼吸器センター)が本結果を発表した。

試験デザイン:国際共同無作為化非盲検第II/III相試験(日本、韓国、台湾で実施)
対象:肺MAC症に対する標準治療を6ヵ月以上実施しても培養陽性が持続する成人肺MAC症患者129例
試験群(ベダキリン群):ベダキリン+クラリスロマイシン+エタンブトールを48週間 65例
対照群:リファンピシンまたはリファブチン+クラリスロマイシン+エタンブトールを60週間(24週時で培養陰性化未達成の患者はベダキリンにクロスオーバー可) 64例
評価項目:
[主要評価項目]24週時点の喀痰培養陰性化率(25日以上間隔をあけた喀痰培養で3回連続して陰性)
[副次評価項目]喀痰培養陰性化までの期間(陰性化[3回連続の陰性]の時点は1回目の陰性が認められた時点と定義)、薬物動態、安全性など

 主な結果は以下のとおり。

・患者背景は両群でおおむね均衡がとれていた。年齢中央値はベダキリン群67歳(範囲:44~79)、対照群62歳(同:32~79)、女性の割合はそれぞれ80.0%、84.4%であった。日本からの登録はそれぞれ90.8%、92.2%であった。
・ベースラインの原因菌種は、ベダキリン群ではM. avium 83.1%、M. intracellulare 15.4%、M. aviumおよびM. intracellulare 1.5%で、対照群ではそれぞれ70.3%、28.1%、1.6%であった。
・24週時点の喀痰培養陰性化率は、ベダキリン群24.6%、対照群4.7%であった。群間差は19.7%ポイントであり、ベダキリン群が有意に高かった(95%信頼区間[CI]:8.3~31.2、p=0.002)。
・24週までの喀痰培養陰性化までの期間についても、ベダキリン群は対照群より短かった(p<0.001、層別log-rank検定)。喀痰培養陰性化例における陰性化までの期間中央値は、ベダキリン群43日、対照群66.5日であった。
・薬物動態解析において、ベダキリン群は対照群と比較してクラリスロマイシン濃度が高かった。
・24週までの試験治療下における有害事象(TEAE)は、ベダキリン群93.8%、対照群76.6%に発現した。治療関連有害事象はそれぞれ32.3%、18.8%に発現した。
・ベダキリン、リファンピシンまたはリファブチンの中止に至ったTEAEは、ベダキリン群3.1%、対照群7.8%にみられた。

 なお、本結果は24週時点の主要な解析結果であり、24週以降の解析は現在進行中である。

(ケアネット 佐藤 亮)

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