外用抗真菌薬は爪白癬に対して広く用いられているが、患者内相関を考慮し、治療反応に関する病変レベルの予測因子が定量化されたデータはほとんどない。岩手医科大学の井上 剛氏らは、爪白癬患者の治療反応とその予測因子について、一般化推定方程式(GEE)を用いた解析を実施した。The Journal of Dermatology誌オンライン版2026年5月17日号への報告より。
本研究では、2017~21年にルリコナゾール爪外用液5%またはエフィナコナゾール爪外用液10%で治療された爪白癬患者を後ろ向きに検討し、66例について計80病変を特定した。治療効果は、患者IDによりクラスター化し、交換可能な作業相関構造とロバスト(サンドイッチ)標準誤差を適用した病変レベルのGEEを用いて評価した。改善率(連続変数)は線形GEE、完全治癒(あり/なし)はロジスティックGEEを用いて解析した。
主な結果は以下のとおり。
・母趾の爪の病変は、一貫して治療反応不良と関連しており、低い改善率(β=-0.461、標準誤差[SE]=0.145、p=0.0015)、低い完全治癒のオッズ(オッズ比[OR]:0.07、95%信頼区間[CI]:0.01~0.37、p=0.002)を示した。
・ベースラインの爪に厚みがあるほど、完全治癒のオッズが低かったが(OR:0.17、95%CI:0.07~0.42、p<0.001)、改善率と有意な関連はみられなかった(β=-0.089、SE=0.058、p=0.125)。
・ルリコナゾール爪外用液5%の使用は、エフィナコナゾール爪外用液10%と比較して、低い改善率(β=-0.310、SE=0.154、p=0.044)および低い完全治癒のオッズ(OR:0.07、95%CI:0.01~0.60、p=0.015)と関連していた。
著者らは、後ろ向きの非無作為化研究であるという本研究の限界について挙げたうえで、「母趾の爪の病変は、局所療法への反応不良の予測因子であることが示され、爪の厚みが増すととくに完全治癒が妨げられる可能性が示唆された」とまとめている。
(ケアネット 遊佐 なつみ)