ウルトラジェニクス ジャパンは、2026年3月23日付で「医薬品の条件付き承認制度」のもと製造販売承認を取得した長鎖脂肪酸代謝異常症(LC-FAOD)治療薬トリヘプタノイン(商品名:ドジョルビ内用液100%)を、2026年5月21日に発売したことを発表した。トリヘプタノインはLC-FAODに対して国内で初めて承認された治療薬となる。
LC-FAODは、ミトコンドリアにおける長鎖脂肪酸のエネルギー変換に関与する酵素をコードする遺伝子の両アレルに疾患原因変異を有する、6つの常染色体劣性遺伝性疾患の総称。とくに、心臓、骨格筋、肝臓に影響を及ぼし、主な症状は低ケトン性低血糖、心筋症、筋肉症状で、横紋筋融解症、代謝性アシドーシス、高アンモニア血症などの重篤な合併症を引き起こすことがある。これまで国内で承認された具体的な治療法はなく、長い空腹を避け、脂肪摂取を制限する食事療法や中鎖中性脂肪酸(MCT)の補充、減少した脂肪酸の輸送酵素をサポートするL-カルニチンの投与などが行われていた。
トリヘプタノインは、炭素数7のヘプタン酸3分子がグリセロールで結合した合成中性脂肪で、LC-FAODに対して迅速かつ効率的なエネルギー源となる。経口摂取後に腸管内より吸収・代謝されたヘプタン酸は、長鎖脂肪酸とは異なり直接ミトコンドリア内に拡散移動し、生体エネルギー産生回路であるTCAサイクルの基質であるアセチルCoAとTCAサイクルの中間体であるスクシニルCoAを生成する。その後、速やかにTCAサイクルに入ることで脂肪酸代謝の改善およびエネルギー産生の向上が期待される。2026年3月1日時点で、米国(2020年)、カナダ(2021年)、ブラジル(2021年)、メキシコ(2022年)、クウェート(2025年)で承認されている。
<製品概要>
商品名:ドジョルビ内用液100%
一般名:トリヘプタノイン
剤形・含量:1g中にトリヘプタノイン1gを含有する経口液剤
効能、効果又は性能:長鎖脂肪酸代謝異常症
用法及び用量又は使用方法:通常、以下の計算式を用いて算出した本剤の1日総投与量を4回に分けて経口又は経管投与する。計算式における「DCIに対する本剤の割合」は、10%から開始し、2~3日毎に約5%ずつ増加させる。目標値は25~35%とするが、患者の状態に応じて適宜増減する。
1日総投与量(mL)=1日あたりのカロリー摂取量(DCI)(kcal)×DCIに対する本剤の割合/8.3(kcal/mL)
薬価:734,770.00円/100%500mL 1瓶
承認取得日:2026年3月23日
薬価基準収載日:2026年5月20日
発売日:2026年5月21日
(ケアネット 遊佐 なつみ)