外傷性急性硬膜下血腫、開頭術vs.減圧開頭術/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/06/22

 

 外傷性急性硬膜下血腫の手術において、骨弁を還納する開頭術と還納しない減圧開頭術では、1年時点の障害およびQOLのアウトカムは同等だった。一方で、2週間以内の追加手術の発生率は開頭術群で高く、創部合併症の発生率は減圧開頭術群が高かった。英国・Addenbrooke's HospitalのPeter J. Hutchinson氏らが、11ヵ国40施設で行った無作為化比較試験の結果を報告した。外傷性急性硬膜下血腫の手術の選択肢である減圧開頭術は、頭蓋内圧亢進症を予防する可能性が示唆されているが、より良好なアウトカムと関連するかは明らかになっていなかった。NEJM誌2023年6月15日号掲載の報告。

1年時点のGOSEで障害の程度を比較

 研究グループは、外傷性急性硬膜下血腫の手術が予定されている患者を無作為に2群に割り付け、一方には開頭術を、もう一方には減圧開頭術を行った。試験対象の基準は、骨弁の前後径11cm以上とした。

 主要アウトカムは、12ヵ月時点の拡張グラスゴー転帰尺度(GOSE、8ポイント尺度で、「死亡」~「上位の良好な回復[損傷関連の問題なし]」を評価)による分類だった。副次アウトカムは、6ヵ月時点のGOSE評価分類、EuroQol Groupの5領域5段階質問票(EQ-5D-5L)で評価したQOLなどだった。

1年時点の障害程度は同等、2週間以内の追加頭蓋手術は開頭術群で高率

 試験は2014年9月~2019年4月に、11ヵ国(英国、インド、カナダ、マレーシア、ドイツ、スペイン、米国、オーストラリア、ハンガリー、パキスタン、シンガポール)の40施設で行われ、3,566例がスクリーニングを受け、462例が試験に登録された。

 解析に組み入れられたのは、開頭術群228例、減圧開頭術群222例。骨弁の前後径中央値は両群ともに13cm(四分位範囲:12~14)だった。

 12ヵ月時点のGOSE分類の差に関する共通オッズ比(OR)は、0.85(95%信頼区間[CI]:0.60~1.18)と、両群で同等だった(p=0.32)。6ヵ月時点の結果も同様だった。

 12ヵ月時点の死亡率は、開頭術群30.2%、減圧開頭術群32.2%。植物状態(vegetative state)は開頭術群2.3%、減圧開頭術群2.8%で、下位または上位の良好な回復は開頭術群25.6%、減圧開頭術群19.9%で認められた。

 12ヵ月時点のEQ-5D-5Lスコアは、両群で同程度だった。

 無作為化後2週間以内の頭蓋手術の追加実施は、開頭術群14.6%、減圧開頭術群6.9%、創部合併症は、開頭術群3.9%、減圧開頭術群12.2%でそれぞれ発生した。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)