IBDの新規経口薬ozanimod、潰瘍性大腸炎の導入・維持療法に有効/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/10/15

 

 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者に対する導入および維持療法として、新規経口薬として開発中のozanimodはプラセボと比較して、より有効であることが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のWilliam J. Sandborn氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果、示された。ozanimodは、選択的スフィンゴシン-1-リン酸受容体調整薬で、炎症性腸疾患(IBD)の治療薬として開発が進められている。NEJM誌2021年9月30日号掲載の報告。

中等症~重症の活動期UC患者を対象にozanimodとプラセボを比較

 研究グループは中等症~重症の活動期UC患者を対象に、10週間の導入期間において、コホート1ではozanimod群(ozanimod塩酸塩1mg[ozanimod 0.92mg相当])またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回経口投与し、コホート2では非盲検下でozanimod(コホート1と同用量)を投与した。10週時点で、各コホートにおいてozanimodに対し臨床的反応を示した患者をozanimod群またはプラセボ群に再び無作為に割り付け、二重盲検下で52週間まで(維持期間)投与した。

 両期間の主要評価項目は、臨床的寛解率として、3項目(直腸出血、排便頻度、内視鏡)のMayoスコアで評価した。主要な副次評価項目は、臨床的反応、内視鏡的改善、組織学的治癒とし、階層的検定を行った。安全性についても評価した。

臨床的寛解率は導入期18.4% vs.6.0%、維持期37.0% vs.18.5%

 導入期間において、コホート1に645例、コホート2に367例が割り付けられ、計457例が維持期間に再び割り付けられた。

 臨床的寛解率は、導入期間でozanimod群18.4%(79/429例)vs.プラセボ群6.0%(13/216例)(p<0.001)、維持期間でそれぞれ37.0%(85/230例)vs.18.5%(42/227例)(p<0.001)であり、両期間においてozanimod群がプラセボ群と比較して有意に高かった。

 臨床的反応率も、導入期間(47.8% vs.25.9%、p<0.001)および維持期間(60.0% vs.41.0%、p<0.001)のいずれにおいてもozanimod群がプラセボ群より有意に高率であった。その他のすべての副次評価項目も、両期間においてozanimod群がプラセボ群より有意に改善した。

 安全性については、ozanimod群の感染症(あらゆる重症度)発生率がプラセボ群と比較し、導入期間では同程度、維持期間では増加した。重篤な感染症の発生率は、52週の試験期間を通していずれの群も2%未満であった。肝アミノトランスフェラーゼ値の上昇は、ozanimod群で多くみられた。

 なお、著者は、日常診療での幅広い患者集団においては結果が異なる可能性があること、長期データが不足していることなどを挙げて結果は限定的だとしている。現在、非盲検延長試験が進行中である。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

専門家はこう見る

コメンテーター : 上村 直実( うえむら なおみ ) 氏

国立国際医療研究センター国府台病院 名誉院長

東京医科大学 消化器内視鏡学講座 兼任教授

J-CLEAR評議員