潰瘍性大腸炎、患者の90%が持つ自己抗体を発見/京大

提供元:ケアネット

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公開日:2021/03/19

 

 潰瘍性大腸炎(UC)は、その発症に免疫系の異常が関連していると考えられているが、原因はいまだ解明されておらず、国の指定難病となっている。京都大学・塩川 雅広助教らの研究グループは3月9日、UC患者の約90%に認められる新たな自己抗体を発見したことを発表した。現在、この自己抗体を測定する検査キットを企業と共同開発中。Gastroenterology誌オンライン版2021年2月12日号に掲載。

 本研究は、UC患者112例と対照患者165例が登録された。UCは、症状、内視鏡所見、組織学的所見、および代替診断の欠如の組み合わせによって診断。血清サンプルは、2017年7月~2019年11月までに京都大学医学部附属病院で採取され、UC患者112例と対照患者155例が、それぞれトレーニング群と検証群に分けられた。

 23の組換えインテグリンタンパク質を使用して、UC患者と対照患者の血清に対して酵素免疫測定法を実施した。また、結腸組織におけるインテグリン発現とIgG結合を、それぞれ免疫蛍光抗体法と共免疫沈降法を使用し、自己抗体の遮断活性は、細胞接着アッセイを使用して調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・スクリーニングにより、UC患者はインテグリンαVβ6に対するIgG抗体を持っていることが明らかになった。両群では、UC患者の92.0%(103/112例)と対照患者の5.2%(8/155例)が抗インテグリンαvβ6抗体を持っていた(p<0.001)。
・UCに対する抗インテグリンαVβ6のIgG自己抗体における感度は92.0%、特異度は94.8%だった。
・抗インテグリンαVβ6抗体価は、疾患の重症度と一致し、IgG1が主要なサブクラスだった。
・免疫蛍光法により、結腸上皮細胞におけるインテグリンαVβ6タンパクの発現が示され、免疫沈降法が、UC患者の結腸粘膜におけるインテグリンαVβ6へのIgG結合を明らかにした。UC患者のIgGは、インテグリンαVβ6-フィブロネクチンの結合を阻害した。

 研究者らは、「UC患者の大多数はインテグリンαVβ6に対する自己抗体を持っていた。これは、高い感度と特異性を備えた潜在的な診断バイオマーカーとして役立つ可能性がある」と結論している。

(ケアネット 堀間 莉穂)