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認知機能低下と入院の関連、外科と内科で違いは/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2019/08/16

 

 手術による2泊以上の入院は、平均的な認知機能の経過(the cognitive trajectory)にわずかながら影響を及ぼしたが、非外科的入院ほどではなかった。重大な認知機能低下のオッズは、外科手術後で約2倍であり、非外科的入院の約6倍よりも低かったという。米国・ウィスコンシン大学のBryan M. Krause氏らが、加齢に伴う認知機能の経過と大手術との関連を定量化する目的で行った前向き縦断的コホート研究の結果を報告した。手術は長期的な認知障害と関連する可能性があるが、これらの関連性を検討した先行研究では、認知機能低下が加齢に伴い加速するという認知機能の経過を考慮しておらず、方法論的な問題のため一貫した結果が得られていなかった。著者は、「本研究の情報は、インフォームドコンセントの際に、手術による健康上の有益性の可能性と比較検討されるべきである」とまとめている。BMJ誌2019年8月7日号掲載の報告。

Whitehall IIコホート研究の参加者を対象に19年間追跡
 研究グループは、Whitehall II研究において1997~2016年の間に認知機能の評価を5回行った成人7,532例を対象に、Hospital Episode Statistics(HES)データベースを用いて、手術と加齢に伴う認知機能の経過との関連を解析した。

 注目した曝露は入院で、追跡期間中の2泊以上の入院を“大きな入院”と定義し、主要評価項目は論理的思考、記憶、音素流暢性(phonemic fluency)、意味流暢性(semantic fluency)を含む認知機能検査一式から得られた全般的認知機能スコア(global cognitive score)とした。

 ベイズ線形混合効果モデルを用いて入院後の加齢に伴う認知機能の経過における変化を算出するとともに、手術によって引き起こされた重大な認知機能低下(最初の3回の認知機能評価データに基づく予測経過から標準偏差1.96を超えると定義)のオッズも同様に算出した。

重大な認知機能低下のオッズは、外科的入院で約2倍、内科的入院で約6倍
 加齢に伴う認知機能の経過を考慮した後でも、大手術(“大きな入院”を要した手術)はわずかな認知機能低下と関連があり、平均して5ヵ月未満の加齢に相当した(95%信用区間[CrI]:0.01~0.73)。一方、内科疾患および脳卒中による入院は、それぞれ1.4年(95%CrI:1.0~1.8)と13年(95%CrI:9.6~16)の加齢と関連していた。

 重大な認知機能低下は、非入院患者の2.5%、外科入院患者の5.5%、内科入院患者の12.7%で確認された。“大きな入院”をしていない患者と比較すると、外科的または内科的イベントを伴う"大きな入院"をした患者は、認知機能の予測経過からかなり低下する傾向にあった(外科的入院オッズ比:2.3[95%CrI:1.4~3.9]、内科的入院オッズ比:6.2[95%CrI:3.4~11.0])。

 なお、著者は研究の限界として、因果関係は不明で、麻酔投与のデータは限られており、長期的な認知機能の変化における麻酔の影響は評価していないことなどを挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)