コーヒー摂取と精神疾患リスクとの関連性は、集団ベースの研究において依然として一貫性が認められていない。カフェイン代謝や性別による潜在的な修飾作用については、これまであまり研究されていなかった。中国・復旦大学のBerty Ruping Song氏らは、インスタント、挽きたて、カフェイン抜きなどのさまざまな種類のコーヒーの毎日の摂取量と各種精神疾患との関連性を調査し、カフェイン代謝や性別によって、この関連性が異なるかどうかを調査した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2025年12月19日号の報告。
本研究では、英国バイオバンクのデータを用いてプロスペクティブ解析を実施した。気分障害およびストレス障害は、入院記録よりICD-10コードを用いて特定した。関連性の評価には、多変量補正Cox比例ハザード回帰モデルおよび制約付き3次スプライン曲線を用いた。さらに、性別およびカフェイン代謝の多遺伝子リスクスコアによる影響の潜在的な修飾作用についても検討した。
主な結果は以下のとおり。
・本解析に参加した46万1,586例(男性の割合:46.4%、平均年齢:57±8.1歳、平均BMI:27.3±4.71kg/m2)のフォローアップ期間中央値は13.4年であり、気分障害の発症は1万8,220例、ストレス障害の発症は1万8,547例に認められた。
・多変量補正モデルでは、コーヒー摂取量と精神疾患アウトカムとの間にJ字型の関連が認められた。最もリスクが低かったコーヒーの摂取量は、1日2~3杯の中等度の量であった。
・コーヒー摂取量と気分障害の関連は、男性でより顕著であった(p for interaction=0.02)。しかし、カフェイン代謝の遺伝子型による影響に関する証拠は認められなかった。
著者らは「コーヒー摂取と精神疾患との間にはJ字型の関連が認められ、適度なコーヒーの摂取は精神衛生に有益である可能性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)