2型糖尿病リスク、遺伝的負荷と食事脂肪の交互作用なし/BMJ

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ケアネット

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 遺伝的負荷と食事脂肪の質は、それぞれ2型糖尿病の新規発生と関連しており、2型糖尿病の発生に関して遺伝的負荷と食事脂肪の質に交互作用はないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJordi Merino氏らCHARGE Consortium Nutrition Working Groupの検討で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月25日号に掲載された。2型糖尿病は、遺伝因子や生活習慣因子の影響を強く受ける複雑な疾患であり、食事の質の改善を目指す推奨は、2型糖尿病の予防と治療における重要な要因とされる。

遺伝的負荷、食事脂肪と2型糖尿病の関連を評価するメタ解析
 研究グループは、2型糖尿病の遺伝的負荷が、食事に含まれる脂肪と2型糖尿病の発生の関連を修飾するかを検討する目的で、個々の試験参加者のデータのメタ解析を行った。

 主要な医学データベースを検索し、1970年1月~2017年2月の期間に発表された前向きコホート研究を系統的に収集した。参加者が欧州人家系で、食事脂肪の質および2型糖尿病の発生に関するゲノムワイドの遺伝的データや情報を含むコホート研究またはマルチコホート・コンソーシアムのデータを探した。対象は、追跡期間が5年以上の前向きコホート研究とした。

 2型糖尿病の遺伝的リスクプロファイルは、効果量で重み付けされた68種の遺伝子バリアントの多遺伝子性リスクスコアで表された。食事は、妥当性が検証されたコホート特異的な食事評価ツールを用いて記録された。

 主要アウトカムは、2型糖尿病の新規発生と、(1)多遺伝子性リスクスコア、(2)炭水化物(精製デンプン、砂糖)の、等価カロリーの各種脂肪への置き換え、(3)脂肪のタイプと多遺伝子性リスクスコアの交互作用、との関連とし、要約補正後ハザード比(HR)を算出した。

炭水化物を一価不飽和脂肪で代替すると糖尿病リスクが増加
 15件の前向き研究に参加した10万2,305例が解析に含まれた。追跡期間中央値12年(IQR:9.4~14.2)の時点で、2万15例(19.6%)が2型糖尿病を発症した。

 人口統計学的因子、生活様式関連因子、臨床的な背景因子で補正すると、多遺伝子性リスクスコアにおけるリスクアレル(risk alleles)数の10増加ごとの2型糖尿病のHRは1.64(95%信頼区間[CI]:1.54~1.75、p<0.001、I2=7.1%、τ2=0.003)であり、有意な関連が認められた。

 食事脂肪の質と2型糖尿病リスクの関連のメタ解析では、炭水化物の代替として多価不飽和脂肪(ω3、ω6)および総ω6多価不飽和脂肪の摂取量を増やすと、2型糖尿病のリスクが低下し、補正後HRはそれぞれ0.90(95%CI:0.82~0.98、p=0.02、I2=18.0%、τ2=0.006、摂取エネルギーの5%増加ごと)および0.99(0.97~1.00、p=0.05、I2=58.8%、τ2=0.001、1g/日増加ごと)であった。

 一方、炭水化物の代替として一価不飽和脂肪(オレイン酸、パルミトレイン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ネルボン酸)を増やすと、2型糖尿病リスクが増加した(補正後HR:1.10、95%CI:1.01~1.19、p=0.04、I2=25.9%、τ2=0.006、摂取エネルギーの5%増加ごと)。

 炭水化物を等価カロリーの総脂肪、飽和脂肪、総ω3多価不飽和脂肪、トランス脂肪でそれぞれ置き換えても、2型糖尿病リスクとは関連しなかった。

 多価不飽和脂肪と2型糖尿病リスクの全体的な関連には、小規模研究効果(small study effects:小規模研究によって、より大きな効果が示されること。出版バイアス、より小さな研究における方法論の質の低さ、真の異質性、アーチファクト、偶然などによる)のエビデンス(Debray検定:p=0.05)が得られたが、ω6多価不飽和脂肪(p=0.70)および一価不飽和脂肪(p=0.64)と2型糖尿病リスクの関連には、このエビデンスは認めなかった。

 事後解析として、飽和脂肪を等価カロリーの不飽和脂肪で置換したところ、2型糖尿病リスクが低下した(補正後HR:0.91、95%CI:0.85~0.98、p=0.02、I2=47.2%、τ2=0.02、摂取エネルギーの5%増加ごと)。
 2型糖尿病リスクに関して、食事脂肪と多遺伝子性リスクスコアの間に有意な交互作用は認めなかった(交互作用:p>0.05)。

 著者は、「これらの知見は、2型糖尿病の1次予防において、2型糖尿病の遺伝的リスクプロファイル別に、食事脂肪の種類を個別に推奨する方法を支持せず、食事脂肪は2型糖尿病の遺伝的リスクのスペクトラム全般において2型糖尿病リスクと関連することが示唆される」とし、「食事や生活習慣への介入は、遺伝的リスクにかかわらずに行うべきと考えられる」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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