かかりつけ医への未受診者リスト提供で大腸がんスクリーニング参加増/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2017/09/25

 

 フランスにおいて、大腸がん(CRC)スクリーニングのアップデートに応じていない患者のリストをかかりつけ医(GP)に提供することで、1年後の免疫学的便潜血検査(FIT)スクリーニングへの患者の参加率が、わずかだが有意に増加したことが、通常ケアと比較した無作為化試験の結果で示された。一方、地域のCRCスクリーニング率の情報を提供した場合では、有意な増加はみられなかったという。フランス・ナント大学GP部門のCedric Rat氏らが、1,482例のGPを対象に介入を行った結果を発表した。CRCスクリーニングプログラムに取り組む国々にとって、FITスクリーニングへの参加増大は大きな課題とされている。JAMA誌2017年9月5日号掲載の報告。

患者特定リマインダー vs.一般的リマインダー vs.通常ケアで無作為化試験
 検討は3群クラスター無作為化試験として、2015年7月14日~2016年7月14日に、フランス西沿岸部にある801ヵ所の診療所を対象に行われた。各診療所を通じて、CRCの平均的リスクを有するがCRCスクリーニング歴がアップデートされていない50~74歳の成人患者が含まれ、診療所のGPを次の3つの介入群に無作為に割り付けた。(1)CRCスクリーニングを受けていない患者のリストを提供(患者特定リマインダー群)、(2)地域特定のCRCスクリーニングのアドヒアランスについて詳述したレターを提供(一般的リマインダー群)、(3)あらゆるリマインダーを提供しない(通常ケア群)。

 主要エンドポイントは、介入1年後のCRCスクリーニングへの患者の参加状況であった。

介入1年後のCRCスクリーニング参加率は24.8%、21.7%、20.6%
 無作為化を受けたGPは1,482例(平均年齢53.4歳、女性38.9%)。そのうち介入を受けたのは1,446例であり、これらGPの患者は計3万3,044例(平均年齢59.7歳、女性54.3%)であった。各群の内訳は、患者特定リマインダー群がGP 496例・患者1万476例、一般的リマインダー群はGP 495例・患者1万606例、通常ケア群はGP 455例・患者1万147例。

 1年時点の患者のFITスクリーニング参加率は、患者特定リマインダー群が24.8%(95%信頼区間[CI]:23.4~26.2)、一般的リマインダー群21.7%(同:20.5~22.8)、通常ケア群20.6%(同:19.3~21.8)であった。

 群間差は、患者特定 vs.一般的リマインダー群が3.1%(95%CI:1.3~5.0、p<0.001)、患者特定リマインダー群 vs.通常ケア群は4.2%(同:2.3~6.2、p<0.001)で、それぞれ有意な差がみられた。一方、一般的リマインダー群 vs.通常ケア群は1.1%(同:-0.6~2.8、p=0.21)で有意差はみられなかった。

(ケアネット)