1型糖尿病への強化治療、長期死亡を低減/JAMA

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 1型糖尿病への血糖コントロール強化治療は、長期的な全死因死亡の低下に結び付くことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTrevor J. Orchard氏らDCCT/EDIC研究グループが、同試験で平均6.5年間強化治療を行った被験者1,441例を、平均27年間追跡した結果、ハザード比(HR)0.67と死亡発生の低下が認められたという。また、血糖値と死亡との有意な関連も判明した。これまで、1型糖尿病への強化治療が死亡に影響するかどうかは明らかにされていなかった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告より。

6.5年間強化治療をした患者を27年間追跡、従来治療群と死亡を比較
 研究グループは、DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)コホートを長期に追跡し、強化治療群と従来治療群とで死亡率が異なるかを調べた。

 DCCTは1983~1993年に行われ、その後被験者は複数施設(米国とカナダの大学医療センター27ヵ所)で観察研究(Epidemiology of Diabetes Control and Complications[EDIC])により2012年12月31日までフォローアップを受けた。

 被験者は、糖尿病を有するが健康なボランティア1,441例で、ベースライン時の年齢が13~39歳であった。罹病期間は1~15年で、微小血管合併症はなく、高血圧症、心血管疾患、その他致死的疾患は有していなかった。

 DCCTの間に被験者は、強化治療(血糖値が非糖尿病域となるよう)を受ける群(711例)または従来治療群(730例)に無作為に割り付けられる介入を受けた。平均6.5年間のDCCT終了後、強化治療は全被験者に教授・推奨され、糖尿病治療は各医師に移行された。

 主要評価項目は、全死亡および特異的死亡で、毎年の家族・友人とのコンタクトで評価された。またその記録は平均追跡期間27年にわたって記録された。

強化治療群のハザード比0.67、さらにHbA1c値と死亡との関連が有意
 被験者のうち1,429例(99.2%)について情報を追跡できた。

 全体では107例の死亡が報告され、従来治療群64例、強化治療群は43例であった。絶対リスク差は、10万人当たり-109例(95%信頼区間[CI]:-218~-1)で、全死因死亡リスクは強化治療群で低かった(ハザード比[HR]:0.67、95%CI:0.46~0.99、p=0.045)。

 主な死亡要因は、心血管疾患(24例、22.4%)、がん(21例、19.6%)、急性糖尿病合併症(19例、17.8%)、そして事故または自殺(18例、16.8%)であった。

 また、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値と、全死因死亡との有意な関連が認められた(HbA1cが相対値で10%増加するごとのHR:1.56、95%CI:1.35~1.81、p<0.001)。同様に、蛋白尿の発症も有意であった(同:2.20、1.46~3.31、p<0.001)。

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

センター長

J-CLEAR評議員

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