前庭機能障害は認知機能低下の修正可能なリスク因子である可能性

前庭機能障害は認知機能低下の修正可能なリスク因子かもしれないとする研究結果が、「Frontiers in Neuroscience」に4月4日掲載された。
北京清華長庚医院および清華大学医学部(中国)のJiake Zhong氏らは、メニエール病(MD)患者において、治療前および治療後3、6、12カ月時点の認知機能、および回転性めまい症状とそれによる身体活動、社会的機能、感情への影響を評価した。アウトカムは、モントリオール認知評価尺度(MoCA)およびめまい問診票(Dizziness Handicap Inventory)を用いて評価した。
その結果、MD患者では、治療前の認知機能、中でも記憶機能が健康成人対照群と比較して低下していた。認知機能障害は効果的な治療の実施後に改善しており、この改善は回転性めまい症状の重症度の低下、特に社会的機能、身体活動に対する影響の低下に関連していた。
著者らは「中後期のMD患者に回復困難な進行性難聴が多く見られることを考慮すると、前庭機能は認知機能低下の潜在的に修正可能なリスク因子である可能性が高い。今後は、回転性めまい発作の回数、持続時間、頻度、さまざまな下位領域における認知課題、神経電気生理学的指標などの、より客観的かつ包括的な評価を実施し、より大きなサンプルにおいてそれらの関連性をさらに探索する予定である」と述べている。
[2023年5月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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