長時間作用型注射(LAI)抗精神病薬は、統合失調症の初期段階で推奨されることが増加している。韓国・University of Ulsan College of MedicineのSung Woo Joo氏らは、LAI抗精神病薬治療開始時期が初回エピソード統合失調症における治療中止および入院期間にどのような影響を及ぼすかを検討した。The Journal of Clinical Psychiatry誌2026年2月9日号の報告。
韓国健康保険審査評価院の保険請求データベースを用いて、LAI抗精神病薬による継続治療を受けている初回エピソード統合失調症患者6,380例を特定した。診断からLAI抗精神病薬治療開始までの期間に基づき、6群に分類した(1年未満、1~2年、2~3年、3~4年、4~5年、5年超)。継続的なLAI抗精神病薬使用中の治療中止と精神科入院日数の割合を、Coxモデルと線形回帰モデルを用いて分析した。
主な結果は以下のとおり。
・初期のLAI抗精神病薬治療は、時間の経過とともに増加した。しかし、継続的治療期間は減少した。
・診断後2年超経過してからLAI抗精神病薬治療を開始した患者は、1年以内に開始した患者よりも治療中止リスクが低かった(2~3年:ハザード比[HR]=0.77[0.69~0.87]、3~4年:HR=0.77[0.68~0.86]、4~5年:HR=0.70[0.61~0.79]、5年超:HR=0.66[0.59~0.74])。
・LAI抗精神病薬の治療開始時期の遅れは、とくに入院歴のある患者において、精神科入院の増加と関連が認められた(1~2年:β=0.039、p=0.039、3~4年:β=0.057、p=0.010、5年超:β=0.162、p<0.001)。また、5年超経過した患者群では、治療開始時期の遅れが入院日数の増加をさらに引き起こした(β=1.87×10-4、p<0.001)。
著者らは「LAI抗精神病薬の治療開始時期の遅れは、治療順守率の向上と関連していたものの、LAI抗精神病薬の早期使用は入院負担を軽減した。これは、統合失調症におけるLAI抗精神病薬治療の早期導入を推奨するガイドラインを裏付けている」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)