BRCA1およびBRCA2遺伝子の病的バリアント(pvBRCA1/2)を保持する女性において、両側リスク低減乳房切除術(BRRM)により生存率は改善するのだろうか。今回、英国・マンチェスター大学のAshu Gandhi氏らが、pvBRCA1/2保持女性においてBRRMを選択した群と画像検査によるサーベイランスを選択した群の長期アウトカムを前向きコホート研究で比較したところ、生存率に差はなかったが、乳がん発症率はBRRM選択群が有意に低かったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年2月4日号に掲載。
本研究は、地域の家族歴・遺伝学サービスを受診しpvBRCA1/2遺伝子検査を受け、pvBRCA1/2を保持していた女性を対象とした前向きコホート研究である。参加者は英国のガイドラインに基づき、BRRMまたはサーベイランスのいずれかを選択した。評価項目は全生存期間、乳がん死亡率、乳がん発症率であった。
主な結果は以下のとおり。
・460例がBRRM、745例がサーベイランスを選択し(年齢中央値:37.2歳/38.5歳、p=0.06)、BRRM後の追跡期間は計4,652人年であった。
・乳がん年間発症率は全体で2.4%であったが、BRRM後は0.15%に減少し、サーベイランス単独と比較して94%低かった(log-rank検定 χ2=86.1、p<0.001)。
・BRRMで診断された潜在性乳がんは9例(2%)であった。
・乳がん死亡率はBRRM群とサーベイランス群で同等であった(死亡:2例/4例、p=0.36、追跡期間:4,634人年/5,419人年)。
・両群において、乳がん死亡率は卵巣がん死亡率と同程度であった。
著者らは「本結果は、サーベイランスを選択した女性において生存期間が損なわれる可能性が低いことを示唆し、安心感を与えるかもしれない。ただし、BRRM群の乳がん発症率がサーベイランス群より有意に低いことは、BRRMを検討する女性に重要な情報となりうる」としている。
(ケアネット 金沢 浩子)