妊娠中のベンゾジアゼピン(BZD)使用は、流産、死産、早産、在胎不当過小など、妊娠アウトカムへの潜在的なリスクに対する懸念がある。しかし、依然としてその使用は増加している。これまでのエビデンスは、不明確な臨床解釈と方法論的バイアスによって限定的であった。台湾・National Cheng Kung UniversityのBrian Meng-Hsun Li氏らは、BZD使用と早産および在胎不当過小のリスクとの関連を、流産と死産のリスクを競合事象として考慮しながら評価した。JAMA Internal Medicine誌2026年2月1日号の報告。
2011~21年の台湾国民健康保険研究データベースを用いて、妊娠0~36週までの妊婦を対象にオープンラベルランダム化試験を実施した。対象患者の適格基準は、妊娠0~36週までの妊娠、母体年齢15~55歳、過去6ヵ月間にBZDを使用していないとした。データは、2024年11月~2025年4月に解析した。BZD使用の有無による妊娠アウトカムへの影響を評価した。主要評価項目は、流産(自然流産および選択的流産)、死産、早産、在胎不当過小とした。一連の試験を通じて、相対リスク(RR)を推定した。潜在的な競合イベント(流産または死産)を考慮するため、すべての妊娠においてベースライン後の予後因子を考慮した安定化打ち切り逆確率重み付けを適用した。解析は、妊娠期間ごとに層別化し、妊娠第1期(0~13週)、第2期(14~26週)、第3期(27~36週)に分類した。
主な結果は以下のとおり。
・BZD使用群は5万9,521例、非使用群は39万4,956例であった。
・平均年齢は、BZD使用群で31.9±5.8歳、非使用群で31.6±5.3歳であった。
・BZD使用は、流産(RR:1.58、95%信頼区間[CI]:1.50~1.66)、自然流産(RR:1.65、95%CI:1.55~1.76)、選択的流産(RR:1.83、95%CI:1.70~1.98)のリスク増加と関連していた。
・一方、死産との関連は認められなかった(RR:0.96、95%CI:0.78~1.17)。
・競合リスクを考慮した後、BZD使用は早産(RR:1.20、95%CI:1.18~1.23)および在胎不当過小(RR:1.06、95%CI:1.00~1.09)のリスク増加と関連しており、その影響は妊娠中期のBZD使用でより顕著であった。
著者らは「本コホートにおける研究の結果、競合する事象との関連を考慮したうえで、BZD使用は早産リスクの上昇と関連しており、在胎不当過小リスクの上昇とも関連している可能性が示唆された。しかし、後者の関連は小さく、分析方法に敏感であった可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)