令和6年度 女性医師の勤務環境の現況に関する調査まとまる/日医

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/05

 

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、12月24日に定例の記者会見を開催した。会見では、令和8(2026)年度の診療報酬改定がほぼ確定したことを受けて、医師会としての意見と先般完成した「令和6年度 女性医師の勤務環境の現況の関する調査報告」の概要が説明された。

 はじめに松本氏が、令和8年度診療報酬改定について、「医療機関などにおける賃金上昇や物価高騰への対応、さらに日進月歩の医療の高度化への対応に理解が示されたことに心からお礼申し上げる。日本医師会は、さらなる地域医療の充実へ全力であたっていく」と今回のプラス改定への評価と展望を述べた。また、懸念事項として、「OTC類似薬の保険給付の見直し」については、子供や難病患者に対しては慎重な対応が必要だと語った。

女性医師の病院管理者は現状ではわずか数%

 続いて常任理事の松岡 かおり氏(いけだ病院 理事長・院長)が、「令和6年度 女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」の完成に伴い、その概要について報告した。

 この調査は、病院に勤務する女性医師を対象に8年ごとに実施され、病院に勤務している女性医師の働き方、子育て・介護との両立、女性医師としての悩み、医療現場の男女共同参画に関する現状を把握することを目的に行われている。

 2024年度版では、2024年11月~2025年1月に調査が実施され、回収数8,998件(回収率32.5%)のうち有効回答数は8,928件(有効回答率32.3%)だった。回答者の属性について約半数は20・30代であり、既婚率(65.6%)は以前の調査と比較すると多く、配偶者・パートナーの職業は約6割が医師だったが、以前の調査よりも低下していた。

 勤務実態については、常勤が約8割から9割まで上昇し、うち短時間正職員が10%だった。非常勤勤務の理由としては、「育児」が約6割に増加、「介護」もわずかながら増加していた。全体の休職離職割合は減少しているものの、休職・離職の理由では「出産」が最多で77.5%、次いで「子育て」が58.2%で多かった。また、勤務先での役職は、部長職の増加はあるものの、病院管理者(院長・副院長など)は2%と少ないままだった。

 職場環境については、環境の整備は「整備されている」が55.2%まで増加し、「準備中」を含めると約7割弱と進んでいた。

 出産・育児中の働き方では、育児休業をとらない場合は35%が休職・退職しており、配偶者の協力が前回の53.6%から64.2%まで増加していた。普段子供の面倒をみている人は、自分(86.9%)、配偶者・パートナー(57.7%)、保育所・託児所(55.3%)の順で多かった。

 仕事を続ける上で必要な制度や仕組み・支援対策については、「人員の増員」(71.1%)、「主治医制の見直し」(55.5%)を求める声が増加していた。また、割合が高いが、保育関係・宿日直の免除は減少に転じていた。

 介護中の勤務環境について、「介護」は12.4%が「経験」と回答、介護休暇の取得は29.1%と増加していた。

 これらの調査結果踏まえ松岡氏は、「調査が始まったこの16年間で、社会は目まぐるしく変化している。女性医師の働き方が、どのように変化していったのか、子育て介護との両立や医療現場における意識改革が進んだのか、現状と課題、そして今後について、何らかの示唆になればと思う」と語り、説明を終えた。

(ケアネット 稲川 進)