巣状分節性糸球体硬化症、新規の選択的TRPC6阻害薬が有望/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/05

 

 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)では、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーCメンバー6(TRPC6)の過剰な活性が、腎糸球体のポドサイトの減少と進行性腎障害を引き起こす可能性が示唆されている。米国・ミシガン大学のHoward Trachtman氏らは、FSGSの治療薬として、新規の1日1回経口投与の選択的TRPC6阻害薬BI 764198の安全性と有効性を評価する探索的試験を行い、蛋白尿の低下が認められ、忍容性は良好であったことを報告した。Lancet誌オンライン版2026年1月27日号掲載の報告。

BI 764198(3用量)の安全性と有効性をプラセボと比較、第II相試験

 研究グループは、第II相の多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験により、BI 764198(20mg、40mg、80mg、1日1回)の安全性と有効性をプラセボと比較し評価した。投与期間は12週間。

 対象は、18~75歳の生検で原発性FSGSが確認された患者(続発性である臨床的エビデンスがないことに基づく)または疾患を引き起こすTRPC6変異を伴うFSGS患者。安定した保存療法と免疫抑制療法を受けており、スクリーニング時の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)は1.0g/g以上、推算糸球体濾過量(eGFR)は30mL/分/1.73m2以上であった。

 被験者は中央ブロック法にて1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、コルチコステロイドの使用により層別化された。

 主要エンドポイントは、12週時点の蛋白尿反応(24時間UPCRがベースラインから25%以上低下)とした。そのほかの重要なアウトカムとして、安全性と忍容性を評価した。

12週時点の蛋白尿低下、BI 764198群35%、プラセボ群7%

 試験は2022年3月10日~2024年9月3日に10ヵ国31施設で行われ、139例がスクリーニングされ、67例がBI 764198(20mg、40mg、80mg用量)群またはプラセボ群に無作為化された。うち5例は誤って無作為化され治療を受けなかった。

 62例が治療を受けた(BI 764198群48例[20mg群18例、40mg群15例、80mg群15例]、プラセボ群14例)。うち2例(BI 764198 40mg群と80mg群の各1例)がベースラインまたはベースライン後のUPCRが欠測値であり、Full Analysis Set(FAS)には含まれなかった。

 被験者(62例)は、37例(60%)が男性、25例(40%)が女性で、平均年齢は40.7歳(SD 12.6)。多くを白人が占めた(39/62例、63%)。

 12週時点の蛋白尿反応は、BI 764198 20mg群8/18例(44%)、40mg群2/14例(14%)、80mg群6/14例(43%)で観察され(全用量統合群16/46例[35%])、プラセボ群は1/14例(7%)であった。対プラセボ群のオッズ比は、BI 764198 20mg群10.0(95%信頼区間[CI]:1.6~118.1)、40mg群1.5(95%CI:0.2~19.5)、80mg群6.0(95%CI:0.9~73.6)であり、全用量統合群4.9(95%CI:1.0~48.8)であった。

 全体では56例(90%)が試験期間および治療期間を完遂した。

 BI 764198の忍容性は良好で、治療群間で有害事象の発現頻度に意味のある差は認められなかった。治療中に発現した有害事象は、44/62例(71%)で報告され、発現頻度はプラセボ群(10/14例[71%])とBI 764198群(34/48例[71%])で同等であった。

(ケアネット)