LH-RHアゴニスト5年後も閉経前のリンパ節陽性早期乳がん、ET延長は再発抑制と関連するか?/JCO

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/05

 

 5年間のLH-RHアゴニストベースの術後内分泌療法(ET)を完了後も閉経前であったリンパ節転移陽性のHR陽性早期乳がん患者に対するETの延長は、浸潤性乳がん再発および遠隔再発のいずれにおいても臨床的に意義のある減少と関連していたことが、米国・ハーバード大学のCarmine Valenza氏らによって示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月15日号掲載の報告。

 閉経前および閉経後のER陽性早期乳がん患者では、タモキシフェンによる術後療法を10年に延長すると、乳がん死亡率が低下することが報告されている(ATLAS試験)。LH-RHアゴニストによる5年間の術後療法を完了した後も閉経前である患者に対するETの延長を支持するエビデンスはないが、実臨床では多くの患者でタモキシフェン単独療法への切り替えまたはLH-RHアゴニスト(+タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬)によるETの延長が実施されている。そこで研究グループは、2つの前向きに収集されたデータセット(Young Women's Breast Cancer StudyおよびEuropean Institute of Oncology Breast Cancer Cohort)を用いたコホート研究の解析を実施して、ET延長のベネフィットを調査した。

 対象は、2005~16年に40歳以下で早期乳がんと診断され、リンパ節転移陽性かつHR陽性で、LH-RHアゴニストベースの術後療法を開始して5年経過後も再発を認めない閉経前の女性であった。なお、閉経前の定義は、45歳未満、LH-RHアゴニスト中止後のエストラジオール値が閉経前の範囲内または月経再開のいずれかとした。主要評価項目は浸潤性乳がんのない生存期間(IBCFS)、その他の評価項目は無遠隔再発生存期間(DRFS)、骨折や主要な心血管イベントなどで、傾向スコア重み付け法を用いて解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は合計501例で、延長のETを受けたのは287例(57%)、受けなかったのは214例(43%)であった。年齢中央値は両群ともに37歳であった。延長群では、非延長群と比較して、pT3/4(14%vs.7%)、pN2/3(36%vs.26%)、組織学的グレード3(49%vs.42%)の患者が多かった。
・延長群における延長後のET期間中央値は3.7年(四分位範囲[IQR]:2.3~5.0)であった。延長後のETとしてタモキシフェン単独療法を受けた患者が48%、LH-RHアゴニストとタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬の併用療法を受けた患者が52%であった。
・追跡期間中央値7.3年(IQR:4.8~10.3)で、IBCFSイベントは延長群で53件(19%)、非延長群で74件(34%)発生した。5年IBCFS率はそれぞれ85%および78%であり、ET延長と再発リスク低下との関連が示唆された(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.44~0.89、p=0.0135)。この傾向はpT1症例を除くほとんどのサブグループで一貫していた。
・DRFSイベントは延長群で28件(10%)、非延長群で44件(21%)発生した。5年DRFS率はそれぞれ91%および83%であった(HR:0.49、95%CI:0.31~0.79)。
・両群において、骨折および主要な心血管イベントは患者の1%に発現した。

(ケアネット 森)