これまで、スタチンのうつ病に対する潜在的な影響については調査が行われているものの、そのエビデンスは依然として一貫していない。台北医学大学のPei-Yun Tsai氏らは、スタチン使用とうつ病の関連性を明らかにするため、最新のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。General Hospital Psychiatry誌2025年11〜12月号の報告。
2025年9月11日までに公表された研究をPubMed、the Cochrane Library、EMBASEより、言語制限なしでシステマティックに検索した。また、対象論文のリファレンスリストの検討を行った。プールされたオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・選択基準を満たした15研究(10ヵ国、540万3,692例)をメタ解析に含めた。
・スタチン使用は、スタチン非使用と比較し、うつ病リスクが有意に低かった(統合OR:0.84、95%CI:0.74〜0.96、p=0.009)。しかし、研究間の異質性が大きかった(I2=85%)。
・感度分析では、結果のロバスト性が確認された。
・サブグループ解析では、コホート研究(OR:0.86、95%CI:0.76〜0.98、p=0.02)、検証済みの質問票/尺度を用いた研究(OR:0.71、95%CI:0.54〜0.94、p=0.02)、併存疾患を有する患者(OR:0.74、95%CI:0.55〜0.98、p=0.04)、抗炎症薬または抗うつ薬を併用している患者(OR:0.82、95%CI:0.71〜0.95、p=0.009)において有意な関連が認められた。
・北米集団(OR:0.63、95%CI:0.51〜0.78、p<0.001)および西洋型の食生活(OR:0.61、95%CI:0.45〜0.81、p<0.001)、アジア型の食生活(OR:0.75、95%CI:0.64〜0.89、p=0.001)を順守する人において、スタチンのうつ病予防効果が認められた。
著者らは「とくに特定の集団および特定の臨床的または生活習慣条件において、スタチン使用はうつ病リスクの低下と関連していると考えられる。この因果関係を明らかにし、影響を及ぼす関連因子を特定するには、さらなる研究が求められる」とまとめている。
(鷹野 敦夫)