統合失調症に対するLAI抗精神病薬治療が入院率や再発率に及ぼす影響

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/19

 

 長期作用型注射(LAI)抗精神病薬は、統合失調スペクトラム症の長期治療マネジメントにおいて重要な治療選択肢である。新たなエビデンスは、入院および/または再発リスクといった長期治療アウトカムに有益な影響を与えることを示唆している。イタリア・University Magna Graecia of CatanzaroのRenato de Filippis氏らは、自然発生的な外来診療環境における統合失調スペクトラム症患者を対象に、LAI抗精神病薬治療開始前後3年間の再発率、入院率、入院日数を比較するため、3年間のフォローアップミラー観察デザイン研究を実施した。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2026年2月11日号の報告。

 統合失調スペクトラム症の外来患者において、経口薬からLAI抗精神病薬へ切り替えた患者を対象に、入院率と入院期間、LAI抗精神病薬治療開始前後3年間の臨床的な総再発数を比較するため、3年間のフォローアップ調査を行うミラーイメージデザインを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・スクリーニング対象となった83例のうち、第1世代抗精神病薬(FGA)または第2世代抗精神病薬(SGA)のLAIによる治療を開始した統合失調スペクトラム症の成人患者56例(女性:20例[35.7%])を対象とした。
・全体として、経口抗精神病薬からLAI抗精神病薬への切り替えにより、治療順守患者の入院回数および入院期間(平均10.15日から0.18日へ)が有意に減少し、3年間のフォローアップ期間における総再発数も(平均1.85回から1.10回へ)減少した。
・サブグループ解析では、SGA LAIおよびFGA LAIに切り替えた患者の両方において、3年間のフォローアップ期間中に入院回数が減少していたが、これはLAI抗精神病薬治療を6ヵ月超継続した場合のみに認められた。
・この効果は、初めてLAI抗精神病薬に切り替えた患者においてのみ報告された。

 著者らは「本研究結果は、統合失調スペクトラム症の維持療法としてのLAI抗精神病薬の有効性、とくにLAI抗精神病薬による治療期間が長い患者における有効性が確認された。今後の研究により、LAI抗精神病薬治療により最も効果が得られる可能性のある統合失調スペクトラム症患者の臨床的特徴がさらに明らかになることが望まれる」としている。

(鷹野 敦夫)