週1回のチーズ摂取で日本人高齢者の認知症リスクが低下

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/12/18

 

 認知症は、急速に高齢化が進む日本において、公衆衛生上の懸念事項として深刻化している。乳製品を含む食生活要因は、認知機能の健康に影響を及ぼす因子であり、修正可能な因子であるとされているが、これまでの研究結果は一貫していなかった。新見公立大学の鄭 丞媛氏らは、習慣的なチーズ摂取と認知症発症との関連性を検証し、ベースラインの乳製品摂取量が少ない人におけるチーズの潜在的な予防効果に関する疫学的エビデンスを明らかにするため、大規模な地域住民ベースの日本人高齢者コホートを用いて評価した。Nutrients誌2025年10月25日号の報告。

 日本老年学的評価研究機構(JAGES)プロジェクト2019-22コホートのデータを分析し、調査結果と介護保険の記録を関連付けた。65歳以上で、過去に介護保険認定を受けていない参加者を対象とした。チーズの摂取量は、ベースライン時に評価し、週1回以上摂取する人と摂取しない人に分類した。社会人口統計学的および健康関連の共変量には、傾向スコアマッチングを適用した。3年間の認知症発症のハザード比(HR)の推定には、Cox比例ハザードモデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・傾向スコアマッチング後、7,914例(チーズ摂取者:3,957例、非摂取者:3,957例)が解析対象として抽出された。
・ベースラインの共変量は、両群間で同様であった。
・3年間で認知症を発症した参加者は、チーズ摂取者で134例(3.4%)、非摂取者で176例(4.5%)であり、絶対リスク差は1.06パーセントポイントであった。
・チーズ摂取は、認知症のHR低下との関連が認められた(HR:0.76、95%信頼区間:0.60〜0.95、p=0.015)。

 著者らは「週1回以上の習慣的なチーズの摂取は、高齢者における3年間の認知症発症リスクの低下と中程度の関連性が認められた。絶対リスクの低下は小さかったが、本知見は、乳製品摂取と認知機能との関連性を示すこれまでの観察研究の結果と一致していた。用量反応関係やチーズの種類、そしてこの基礎的メカニズムを解明するためにも、さらなる研究が求められる」としている。

(鷹野 敦夫)