dMMR/MSI-H腫瘍へのニボルマブ+イピリムマブ、大腸がん以外で初の有効性を報告

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/21

 

 ミスマッチ修復欠損(dMMR)/高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)がんは、免疫原性が高く、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)への高い反応性が知られている。抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法は、CheckMate 8HW試験によりdMMR/MSI-H大腸がんにおいて有効性が示されている。一方、非大腸がんにおけるdMMR/MSI-H腫瘍を対象としたICI併用の前向き試験はこれまでなかった。

 MOST-CIRCUIT試験は、進行dMMR/MSI-H非大腸がんに対する抗PD-1/CTLA-4併用の有効性を検証した前向き多施設共同第II相バスケット試験である。Blacktown Hospital(オーストラリア)のMatteo S. Carlino氏らによる報告が、JAMA Oncology誌オンライン版2025年11月13日号に掲載された。

 本試験は、進行dMMR/MSI-H患者(大腸がんを除く)52例が登録された。患者登録は2021年8月~2024年2月にオーストラリアとニュージーランドの17施設で行われ、解析は2025年5月に実施された。患者は、ニボルマブ3mg/kgおよびイピリムマブ1mg/kgを3週ごとに4回投与後、ニボルマブ480mgを4週ごと、最大2年間または病勢進行まで投与された。主要評価項目は奏効率(ORR)および6ヵ月時点の無増悪生存(PFS)率、副次評価項目は全生存期間(OS)、PFS、安全性であった。

 主な結果は以下のとおり。

・全体で52例が登録され、年齢中央値は62(範囲:29~84)歳、女性41例(79%)、男性11例(21%)であった。
・腫瘍部位は17種で、子宮内膜がんが26例(50%)と最多だった。
・26例(50%)が未治療で、残りは転移に対する治療歴があり、抗PD-1抗体単剤療法を受けていたのは1例だった。
・ORRは63%(95%信頼区間[CI]:50~75)で、内訳は完全奏効(CR)が5例、部分奏効(PR)が28例だった。奏効期間中央値は未達で、奏効例の79%は治療継続中であった。
・子宮内膜がん26例のうち15例(58%)がCRまたはPR、5例(22%)が病勢安定(SD)で、病勢コントロール率(DCR)は77%だった。
・PFSおよびOSの中央値は未達で、6ヵ月PFS率は71%(95%CI:57~81)であった。
・全体で12例(23%)にGrade3/4の免疫関連有害事象が発生した。

 研究者らは「抗PD-1/CTLA-4阻害薬の併用療法は、dMMR/MSI-Hの非大腸がんにおいて、抗PD-1抗体単剤療法を用いた既報の試験と比較して、高い奏効率を示した。ニボルマブ+イピリムマブはこの患者集団において、単剤療法の代替治療選択肢となる可能性がある」とした。

 一方、JAMA Oncology誌には米国オハイオ州立がんセンターのCasey M. Cosgrove氏による招待コメントも同時掲載された。同氏は「本試験の結果は、大腸がんにおける併用療法の有用性を示した第III相CheckMate 8HW試験の結果とも一致している。しかし、非大腸がん患者における併用療法の最適な投与時期、患者選択、単剤療法との比較については依然不明のままだ。併用療法は毒性が高くなるため、慎重な患者選択と継続的なバイオマーカー開発が不可欠である。さらに本試験はバスケット試験であり、最終的な判断にはランダム化比較試験が求められる」としている。

(ケアネット 杉崎 真名)

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