非定型抗精神病薬の胃腸穿孔・腸閉塞リスク~MID-NETデータに基づく医薬品安全性評価

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/01

 

 胃腸穿孔・腸閉塞は、抗精神病薬によって引き起こされる有害事象の1つであるが、添付文章上の警告情報については、各抗精神病薬により異なっている。医薬品医療機器総合機構の長谷川 知章氏らは、非定型抗精神病薬を処方された患者における胃腸穿孔・腸閉塞リスクを評価するため、日本の医療情報データベースMID-NETのリアルワールドデータを用いて、ネステッドケースコントロール研究を実施した。Therapeutic Innovation & Regulatory Science誌オンライン版2023年10月29日号の報告。

 調査期間は、2009~18年。非定型抗精神病薬を処方された患者における胃腸穿孔・腸閉塞リスクを、定型抗精神病薬を処方された患者と比較し、評価を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・非定型抗精神病薬を処方された患者は、定型抗精神病薬を処方された患者と比較し、胃腸穿孔・腸閉塞リスクが有意に低かった(調整後オッズ比:0.48、95%信頼区間:0.29~0.80)。
・本知見は、感度分析において、抗精神病薬処方の長期化により裏付けられた。
・リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬の種類による胃腸穿孔・腸閉塞リスクの大きな違いは認められなかった。

 著者らは「非定型抗精神病薬を処方された患者における胃腸穿孔・腸閉塞リスクの低さに関連する安全性プロファイルは、臨床現場で抗精神病薬を選択する際に、薬剤の適切な使用を行う観点から考慮すべきポイントとなりうる」としている。

(鷹野 敦夫)