長時間睡眠で認知障害リスク増、特定のアミノ酸不足でさらに増~日本人での研究

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/20

 

 睡眠時間とアミノ酸摂取量は、独立して認知機能の低下と関連している。今回、国立長寿医療研究センターの木下 かほり氏らは、60歳以上の地域住民における睡眠時間と認知障害発症の長期的な関連と食事による19種類のアミノ酸摂取量の関与を調べた。その結果、長い睡眠時間(8時間超)が認知障害発症率と有意に関連し、さらに、長時間睡眠者でシスチン、プロリン、セリンの摂取量が少ない人は認知障害を発症しやすいことがわかった。BMC Geriatrics誌2023年10月11日号に掲載。

 本研究は地域ベースの縦断的研究で、ベースラインで認知障害のない60〜83歳の成人623人のデータを分析した。睡眠時間は自己申告質問票から、アミノ酸摂取量は3日間の食事記録から取得した。認知障害はMMSE(ミニメンタルステート検査)スコアが27以下と定義した。ベースラインの睡眠時間で、短時間睡眠群(6時間以下)、中程度睡眠群(7~8時間)、長時間睡眠群(8時間超)に分類し、認知障害発症率について中程度睡眠を基準とした短時間睡眠と長時間睡眠でのオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。また、19種類のアミノ酸の摂取量の性別層別四分位数(Q)で、Q1を低摂取量群、Q2~Q4を中~高摂取量群とし、各睡眠時間群の認知障害発生率について中~高摂取量を基準とした低摂取量でのORと95%CIを推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・平均追跡期間は 6.9±2.1年だった。
・認知障害の調整後OR(95%CI)は、短時間睡眠群が0.81(0.49~1.35、p=0.423)、長時間睡眠群が1.41(1.05~1.87、p=0.020)だった。
・とくに長時間(8時間超)睡眠者では、認知障害がシスチン(調整後OR:2.17、95%CI:1.15~4.11、p=0.017)、プロリン(調整後OR:1.86、95%CI:1.07~3.23、p=0.027)、セリン(調整後OR:2.21、95%CI:1.14~4.29、p=0.019)の低摂取と有意に関連していた。

 著者らは「地域在住の60歳以上の成人において、睡眠時間が長い人は認知機能が低下する可能性が高い」とし、「長時間の睡眠をとる人は、穀物を減らし、豆類、野菜、魚介類、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れて、シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注意することが重要かもしれない」と考察している。

(ケアネット 金沢 浩子)