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抗精神病薬の投与量と代謝機能関連副作用との関係を明らかにするため、スイス・ジュネーブ大学のMichel Sabe氏らは、統合失調症患者を対象に抗精神病薬を用いたランダム化比較試験(RCT)の用量反応メタ解析を実施した。その結果、抗精神病薬ごとに固有の特徴が確認され、アリピプラゾール長時間作用型注射剤を除くすべての抗精神病薬において、体重増加との有意な用量反応関係が認められた。著者らは、利用可能な研究数が限られるなどの制限があったものの、本研究結果は、抗精神病薬の用量調整により、体重や代謝機能に対する悪影響を軽減するために有益な情報であるとしている。The Journal of Clinical Psychiatry誌2023年2月8日号掲載の報告。
2021年2月までに英語で公表された研究をMEDLINE、Embase、PubMed、PsyARTICLES、PsycINFO、Cochrane Database of Systematic Reviewsおよび各トライアルレジストリより検索した。第1世代または第2世代抗精神病薬を用いたフィックスドーズのRCTを特定した。RCTの質は、Cochrane's Risk of Bias toolを用いて評価した。主要アウトカムは体重の平均変化とし、副次的アウトカムは代謝パラメータの平均変化とした。抽出したデータを用いて、用量反応メタ解析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・52件のRCT(2万2,588例)が抽出された。
・アリピプラゾール長時間作用型注射剤を除くすべての抗精神病薬において、体重増加との有意な用量反応関係が認められた。
・体重増加と抗精神病薬の用量との関連は、準放物線上の曲線関係(ルラシドン、RCT:9件、95%推定有効用量[ED95:59.93mg/d]:0.53kg/6週間)から用量の増加とともに増加を続ける曲線関係(オランザピン、RCT:1件、[ED95:15.05mg/d]:4.29kg/8週間)までが認められた。
・すべての曲線は、準放物線、定常、上昇のいずれかに分類可能であった。
・有効用量の中央値が比較的低い場合において体重増加が認められることが多く、さらに増量した場合では、一部の薬剤において体重増加が顕著となる可能性が示唆された。
(鷹野 敦夫)
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