米CDCが妊婦のコロナワクチン接種推奨「リスクよりベネフィット上回る」

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/16

 

 妊娠中および授乳中の女性にとって、新型コロナワクチン接種による副反応を含めた身体への影響は、もっとも懸念するところである。しかし、感染力が強く急激に悪化するデルタ株の世界的まん延は、接種をためらう猶予すら与えない脅威になっているようだ。米国・疾病対策センター(CDC)は8月11日付でウェブサイトを更新し、ワクチン接種によって流産などのリスクが高まる懸念は見られなかったとする新たなデータを公表した。CDCは「ワクチンによって得られるベネフィットがリスクを上回ることを示唆している」として、妊婦の接種を強く推奨している。

 CDCのデータによると、妊娠20週までに、ファイザー製およびモデルナ製のmRNAワクチンを少なくとも1回接種した妊婦2,456例について自然流産(SAB)の累積リスクを評価したところ、12.8%(95%信頼区間:10.8~14.8)であった。経済水準が同等の国における一般的なSABの割合は11~16%と見られ、CDCは「妊娠中にmRNAワクチンを接種した女性において流産のリスクが高まることはなかった」とし、安全上の懸念は見られないという認識を示した。

 新型コロナワクチンの接種が急ピッチで進められる中、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種の安全性と有効性に関するエビデンスも徐々に増えている。CDCは、「COVID-19ワクチンを受けるベネフィットが、妊娠中のワクチン接種の既知または潜在的なリスクを上回ることを示唆している」とし、妊娠している人を含め12歳以上のすべての人にワクチンを推奨し、1回目接種後に妊娠が判明した場合でも、2回目の接種を受ける必要があるとしている。

(ケアネット 鄭 優子)