軽度~中等度コロナ治療薬「ロナプリーブ」を特例承認/厚労省

厚生労働省は7月19日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」(一般名:カシリビマブ[遺伝子組換え]/イムデビマブ[遺伝子組換え])の国内における製造販売を承認した。COVID-19患者を対象とした海外臨床第III相試験(REGN-COV 2067)の成績と、日本人における安全性・忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績に基づき、国内開発権および独占的販売権を取得した中外製薬が特例承認の適用を求め、申請していた。国内におけるCOVID-19治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブに続き、4例目となり、軽度~中等度の治療薬では初となる。
ロナプリーブは、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)を組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として、米国・リジェネロン社などが開発したもの。先述のREGN-COV 2067においては、本抗体カクテル療法はプラセボと比較して、入院または死亡のリスクを70%(1,200mg静脈内投与)および71%(2,400mg静脈内投与)と有意に低下させた。米国では2020年11月、成人および小児患者(12歳以上で体重が40㎏以上)で軽度~中等度のCOVID-19外来患者への治療薬として、FDAから緊急使用の許可を取得している。
中外製薬によると、国内におけるロナプリーブの供給量は、日本政府との取り決めにより詳細は非開示だが、合意内容に基づき、2021年分を確保しているという。医療機関への供給については、厚労省から20日付で発出される事務連絡において具体的な発注方法などを指示している。
<製品概要>
販売名:ロナプリーブ点滴静注セット300、同点滴静注セット1332
一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症
用法・用量:通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組換え)およびイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注
(ケアネット 鄭 優子)
関連記事

新型コロナ治療に中和抗体カクテル療法を承認申請/中外
医療一般(2021/07/01)

中和抗体カクテル療法で症候性COVID-19発症リスクが81%減/ロシュ
医療一般(2021/04/23)

COVID-19外来患者、中和抗体カクテルでウイルス量低減/NEJM
ジャーナル四天王(2021/01/13)
[ 最新ニュース ]

新型コロナ入院患者へのバリシチニブ、死亡低減効果は?/Lancet(2022/08/12)

早期パーキンソン病へのcinpanemab、進行抑制効果は認められず/NEJM(2022/08/12)

LDL-コレステロール:Still “The lower, the better!”(解説:平山篤志氏)(2022/08/12)

医療者のブレークスルー感染率、3回vs.4回接種(2022/08/12)

外科医の手術経験数に男女格差/岐阜大(2022/08/12)

統合失調症患者の肥満治療~システマティックレビュー(2022/08/12)

高齢者の「目的意識」の鍵は社会的交流(2022/08/12)

新型コロナのパンデミックで薬剤耐性菌対策が後退(2022/08/12)
[ あわせて読みたい ]
アクティブラーニングで英語習得!医療者限定のオンラインプログラム開講(2021/07/15)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 膠原病(2021/07/15)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 消化器(消化管)(2021/07/15)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 消化器(肝胆膵)(2021/07/15)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 感染症(2021/07/15)
「売れなければ閉じればいい…」、閉院にいくらかかるかご存じですか?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第21回(2021/07/12)
「うちの診療所引き継ぐ人いない?」、うっかり漏らして大惨事!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第20回(2021/06/28)
早めに動かないと売れ残る!「ヤバい診療所」のパターン2つ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第19回(2021/06/14)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 腎臓(2021/06/10)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 循環器(2021/06/10)