PTSD患者に対するSSRIの治療反応と予測因子

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/09

 

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療に対しFDAより承認を受けている薬剤は、パロキセチンとセルトラリンである。両剤共にプラセボと比較し、有用性が示されているものの、すべてのPTSD患者にベネフィットをもたらすわけではない。デンマーク・コペンハーゲン大学のAnne Krogh Nohr氏らは、PTSD患者に対するSSRIによる治療反応の予測因子の調査および潜在クラス分析を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2021年4月26日号の報告。

 対象は、PTSD患者390例。オープンラベルのセルトラリンまたはパロキセチンと二重盲検のプラセボによる治療を実施し、症状の重症度を12週間測定した。まず、治療反応に対する集団レベルの予測因子を推定するため、成長曲線モデリング(GCM)を用いた。次に、成長混合モデル(GMM)を用いて、治療反応の経過に基づき患者を潜在クラスに分類し、潜在クラスの予測因子を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・GCMを用いた集団レベルの治療反応は、性別、小児期の性的トラウマや性的暴行により緩和された。
・GMMを用いた分析により、以下の3つのクラスが特定された。
 ●早い治療反応者
 ●治療前の症状重症度が低い治療反応者
 ●治療前の症状重症度が高い治療反応者
・クラスの予測因子は、トラウマから発症までの期間、うつ症状の重症度、不安の重症度であった。

 著者らは「本結果は、併存疾患の重症度が治療反応の低下に影響を及ぼさないことを示唆しており、とくにトラウマから発症までの期間が長い患者では、セルトラリンまたはパロキセチンによる治療ベネフィットが高い可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)