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退院1ヵ月後の統合失調症患者の健康状態に影響を及ぼす要因

提供元:ケアネット

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公開日:2021/01/26

 

 統合失調症を含む精神疾患患者の健康状態を良好に保つためには、退院から地域や家庭へなじむまでの期間が重要となる。タイ・マヒドン大学のAnantree Smithnaraseth氏らは、健康状態に影響を及ぼす患者および病院の要因を調査し、退院後30日間でどのような影響が認められるかを検討した。BMC Psychiatry誌2020年12月14日号の報告。

 対象は、統合失調症患者1,255例およびタイの公立精神科病院13施設の主介護者。退院後30日間における患者および病院の要因が患者の健康状態に及ぼす影響を調査するため、ロジスティック回帰、マルチレベルロジスティック回帰を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・クラス内相関係数では、病院間の違いによる健康状態の変化は、14%で認められた。
・退院後30日間で健康状態の悪化が認められた患者は、14.26%であった。
・対象患者は、男性が69.8%、独身者が71.87%を占めており、平均年齢は38.09±9.74歳であった。
・健康状態が悪化する可能性の低い患者の要因は、以下のとおりであった。
 ●女性(調整OR:0.53、95%CI:0.31~0.92)
 ●中程度から高度の介護に対するポジティブな考え([中程度]調整OR:0.24、95%CI:0.14~0.42、[高度]調整OR:0.05、95%CI:0.02~0.09)
 ●退院の準備ができている認識(調整OR:0.21、95%CI:0.13~0.33)
 ●部分的および完全な治療アドヒアランス([部分的]調整OR:0.24、95%CI:0.14~0.42、[完全]調整OR:0.31、95%CI:0.20~0.47)
・物質使用障害は、健康状態を悪化させる傾向が示唆された(調整OR:1.55、95%CI:0.98~2.44)。
・退院後30日間で健康状態の悪化に影響を及ぼす可能性が高まる病院の要因は、退院計画プロセス(調整OR:1.64、95%CI:1.17~2.30)と看護比率(調整OR:1.16、95%CI:1.09~1.22)であった。

 著者らは「患者と病院の両方の要因が、患者の健康状態に影響を及ぼすと考えられる。これらの結果は、メンタルヘルスポリシーのより適切なターゲティングにつながり、より正確な情報収集とリソース配分が可能となるであろう。今後の研究では、より焦点を絞り、退院後の健康状態に影響を及ぼす病院の要因の経路についての調査が必要とされる」としている。

(鷹野 敦夫)