30歳以下の早期乳がんの予後、高齢患者と比較

提供元:ケアネット

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公開日:2021/01/18

 

 30歳以下で乳がんと診断された患者のデータを後ろ向きに収集し、高齢患者を対照として症例対照研究を実施したところ、若年患者は高齢患者よりも無病生存率(DFS)が短い傾向にあったことを、台湾・National Cheng Kung UniversityのWei-Pang Chung氏らが報告した。全生存期間(OS)には差がみられなかった。Medicine(Baltimore)誌2021年1月8日号に掲載。

 本研究は、手術方法・病期・サブタイプをマッチさせた、症例(若年患者)と対照(高齢患者)が1:3の症例対照研究。主要評価項目はDFS、副次評価項目はOSで、単変量および多変量解析で予後因子を検討した。分析対象は若年群(年齢中央値:28.5歳)18例と高齢者群(同:71歳)54例。

 主な結果は以下のとおり。

・5年DFS率は若年群で68.8%、高齢者群で84.6%だった(p=0.080)。
・5年OS率は若年群87.1%、高齢者群91.2%だった(p=0.483)。
・多変量解析から「腫瘍径が大」「トリプルネガティブ乳がん」が、若年患者のDFS不良となる主な予後因子であることが示された。

 著者らは「乳がん初期段階にある若年患者への積極的な治療が予後を改善するだろう」と述べている。

(ケアネット 金沢 浩子)