COVID-19のCT所見、919例の系統的レビュー

提供元:ケアネット

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公開日:2020/03/26

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のCT画像の特徴についてさまざまな論文が公表されているが、まとまった文献レビューはまだない。今回、南カリフォルニア大学ケック医科大学のSana Salehi氏らが、PubMed、Embase(Elsevier)、Google Scholar、世界保健機関のデータベースから系統的に文献を検索、レビューし、その結果を報告した。American Journal of Roentgenology誌オンライン版2020年3月14日号に掲載。

 主なレビュー結果は以下のとおり。

・COVID-19の初期のCT画像では、すりガラス陰影(GGO)が両側肺野、多葉性に末梢または後部に分布し、主に下葉に見られた。
・初期のCT画像で、GGOに浸潤影が重なった非定型の所見が少数の患者(主に高齢者)に見られた。
・まれに中隔肥厚、気管支拡張症、胸膜肥厚、胸膜下病変が見られた(主に後期)。
・胸水、心膜液、リンパ節腫脹、cavitation、CT Halo sign、気胸が疾患の進行とともにまれに見られることがある。
・中期のCT画像では、GGOの数・大きさの増加、GGOの多巣性浸潤影への進行、中隔肥厚、crazy-paving pattern(すりガラス陰影内部に網状影を伴う所見)が見られ、症状発現後10日前後でCT所見が最も重症となった。
・COVID-19患者がICUに移る最も多い原因は急性呼吸窮迫症候群であり、この患者集団の主な死因である。
・臨床的改善に相当する画像所見は通常、発症後14日目以降に見られ、浸潤影が徐々に解消され、病変や関わる葉の数が減少する。

(ケアネット 金沢 浩子)