急性期全般不安症に対する第1選択薬の有効性、受容性比較~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2019/11/21

 

 全般性不安症(GAD)の第1選択薬としては、SSRIやSNRIがガイドラインで推奨されている。中国・西安交通大学のHairong He氏らは、これら第1選択薬の有効性、受容性を比較するため、ネットワークメタ解析を用いて、エビデンスのアップデートを行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年11月号の報告。

 成人GADの急性期治療に使用された11種類の薬剤のプラセボ対照および直接比較試験について、1980~2019年1月1日のエビデンスを電子データベースより検索した。各研究より、人口統計、臨床、治療に関するデータを抽出した。主要アウトカムは、有効性(ハミルトン不安尺度の合計スコアのベースラインからの変化)および受容性(すべての原因による治療中止)とした。

 主な結果は以下のとおり。

・適格基準を満たしたランダム化比較試験は、41件であった。
・有効性に関しては、fluoxetineとボルチオキセチンを除くすべての薬剤において、プラセボよりも有効であった。ハミルトン不安尺度スコアの加重平均差は、エスシタロプラムの-3.2(95%信頼区間[CI]:-4.2~-2.2)からvilazodoneの-1.8(95%CI:-3.1~-0.55)の範囲であった。
・受容性については、vilazodone(オッズ比:1.7、95%CI:1.1~2.7)のみがプラセボよりも悪化が認められており、その他の薬剤では有意な差は認められなかった。
・直接比較試験では、ボルチオキセチンは、受容性および忍容性が優れていたが、有効性と奏効率が悪かった。
・全体として、デュロキセチンとエスシタロプラムは有効性が高く、ボルチオキセチンは受容性が良好であった。

(鷹野 敦夫)