2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

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ケアネット

2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連のイメージ

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。

 本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。フォローアップ期間中の地方自治体からの介護保険データベースより、認知症発症を特定した。毎年の認知症発症に対する心理的苦痛のハザード比(HR)は、性別、年齢、職業、BMI、住居の物理的破損などの共変量について未調整および調整後に評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・平均年齢は、2005年64.6歳、2006年64.6歳、2007年65.2歳であった。
・心理的苦痛を有する人は、対照群と比較し、調整HRが有意に高かった(HR:1.20~1.66)。
・とくに、2005~07年のすべての年において、心理的苦痛を有する人は、調整HRが高かった(HR:2.89)。

 著者らは「心理的苦痛、とくに持続的な苦痛は、大災害の犠牲者において認知症発症のリスク因子である」としている。

(鷹野 敦夫)

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