65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/13 抗うつ薬の使用がアルツハイマー病などの認知障害や認知症と関連しているかを、カナダ・サスカチュワン大学のJohn Moraros氏らは、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2016年12月28日号の報告。 Medline、PubMed、PsycINFO、Web of Science、Embase、CINAHL、the Cochrane Libraryのシステマティックな検索を行った。アブストラクトとタイトルより初期のスクリーニングを行い、関連する全文献をレビューし、その方法論的質について評価した。検索した文献より粗悪な効果推定値を除き、ランダム効果モデルを用いてプールされた推定値を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・最初にプールされた4,123件から5件の研究が抽出された。 ・抗うつ薬の使用は、認知障害や認知症の2倍増と関連していた(OR:2.17)。 ・年齢は、抗うつ薬使用と認知障害や認知症、アルツハイマー病と関連の可能性がある修飾因子であった。 ・65歳以上の平均年齢の参加者を含む研究では、抗うつ薬使用が認知障害のオッズの増加と関連し(OR:1.65)、65歳未満の参加者での研究では、さらに強い関連が示された(OR:3.25)。 著者らは「抗うつ薬の使用は、アルツハイマー病や認知症と関連しており、65歳未満での使用では特に顕著であった。この関連は、うつ病やその重症度により生じる可能性もある。しかし、認知症への抗うつ薬曝露を潜在的に結び付ける生物学的メカニズムが説明されているため、抗うつ薬の病因学的影響の可能性がある。この関連性の確認とともに、根底にある病因経路の明確化に緊急に注目する必要がある」としている。 関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 米国の認知症有病率が低下、その要因は 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Moraros J, et al. Depress Anxiety. 2016 Dec 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 既治療CLDN18.2陽性胃がん、CAR-T療法satri-celがPFS改善(CT041-ST-01)/Lancet(2025/06/10) エビナクマブに続けるか?抗ANGPTL4抗体薬の可能性(解説:興梠貴英氏)-1971(2025/06/10) III期dMMR大腸がん、術後補助療法にアテゾリズマブ上乗せでDFS改善(ATOMIC)/ASCO2025(2025/06/10) 進行腎細胞がん1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ、9年長期追跡結果(CheckMate 214)/ASCO2025(2025/06/10) 思春期うつ病に最も効果的な抗うつ薬は?(2025/06/10) 糖尿病患者の認知症リスク低減、GLP-1薬とSGLT2阻害薬に違いは?(2025/06/10) 既治療のEGFR exon20挿入変異NSCLCへのzipalertinib(REZILIENT1)/ASCO2025(2025/06/10) CDK4/6+AI治療後に進行したHR+/HER2-転移乳がん、ipatasertib+フルベストラントがPFS改善(CCTG/BCT MA.40/FINER)/ASCO2025(2025/06/10) コロナワクチン、デマ対策より「接種開始時期」が死亡者数に大きく影響か/東大(2025/06/10) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)
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